愛情を注ぎすぎた過去の経験を糧に ホンダ・ヴェゼルとスローペースで歩んでいく



涙目の2代目オデッセイに7年間、フィットに15年間と、長年ホンダ車に乗ってきたという「玉置さん」は、3年前にヴェゼルを購入したそうです。

昔から、1台のクルマを長く大切に乗り、沢山思い出を作っていくタイプだと話してくれました。そのため、ヴェゼルはなるべく走行距離を伸ばさず、そして、どノーマルで乗っていきたいそうです。

今回は、そんな 玉置さん×ホンダ・ヴェゼルのお話をお届けします。

―――ヴェゼルを選んだ理由は、何だったのですか?

まずは、ホンダ車であることが理由です。

というのも、私が学生の頃はテレビでF1が放送されていて、多くの人がテレビの前にかじりついてレースを見るような時代だったんですよ。

アイルトン・セナや中嶋悟といったレジェンド達がホンダのロゴが入ったスーツを着て世界で活躍していたから、ホンダの作るクルマに惹かれていったのと、ホンダ車は“速くて、しっかり走ってくれる”というイメージがついたんだと思います。

環状線ではスポーツシビックでブイブイ言わせている人を多くみかけました。

―――あはは(笑)。関西の方に取材すると、環状線はホンダ車で溢れかえっていたとよく聞きます。実際、そうだったんですね。

1990年代後半に、ガソリンがリッター100円を切っていたころもあったんですよ。ちょうどその時は涙目のオデッセイに乗っていたんですけど、月に8万円ほど使うくらいドライブに行くこともありました。

―――ええええ!100円切ってるのに!?相当走り込みましたね……。

7年間で14万kmくらい走りましたね。和歌山県に住んでいるんですけど、週末にドライブをするだけじゃなくて、仕事終わりに白浜の海を眺めながらとか、大阪のりんくうあたりをグルグルと永遠回り続けていましたから。

今思い返すと、自分でも……異常だったかなと感じます(笑)。
だけど、あれかなぁ……?例えば、会社で嫌なことがあったとしても、ハンドルを握ってアクセルを踏むとそれを忘れられるし、心が落ち着くんですよ。

その位置付けは今も変わっていなくて、クルマは単なる移動手段ではなく、自分にとってはなくてはならない心の支えです。

だからこそ、出来る範囲で可愛がってあげたい!色々な場所に連れて行ってあげたい!と愛情を注いでしまうんですよね。それが裏目に出てしまうこともありましたが……。

―――と、いいますと?

オデッセイの場合は、カスタムしすぎました。1箇所変えると、あっちもこっちもってどんどん変えたくなって、逆にクルマにとって良くなかったかなと思っているんです。

それもあって、ヴェゼルは最小限に留めています。
お気に入りは、フロントグリル下のメッキのパーツをYahooで買って、プラモ塗料で自分で塗装した部分です。

昔からプラモデルを作るのが好きだったんですけど、まさかここにきて生かされるとは思いもしませんでしたね(笑)。コンセプトは、元の形を崩さないように、ワンポイントで自分らしさを取り入れていくことなんです。

というのも、僕がヴェゼルを購入しようと思ったキッカケが、シンプルなのに、よく見ると作り込まれているデザインが気に入ったからなんです。

メッキが沢山入っていて厳ついデザインというよりは、優雅で控えめな出で立ちや、ドアノブが隠れていて、サイドのボディラインを堪能出来るという、素を生かすデザインをしているから、なるべくいじらない方向でいきたいんです。

購入して3年が経ちましたが、色々やりたい欲を抑えて、何とかここまで来るとこができました(笑)。

―――なるほど。ちなみに、1つ前の愛車のフィットでやりすぎてしまったことはありますか?

近所の人にまた!?と思われるくらい四六時中洗車をしていました。

―――相当念入りに洗っていたんですね。

平日、休日関係なく、1時間くらい汗だくになって手を動かしていましたね。でも、ピカピカの愛車に乗りたいとの思いで頑張っていたのに、やればやるほど やれていったかな(笑)。

それもあって、ヴェゼルを洗車する時は、液体のスプレーで汚れを落とすような、擦らなくても良いようなワックスを使っています。だけど、ちょっと汚れたと思ったら洗っちゃうから、これはまずいなぁ〜と、週末に反省したところです(笑)。

―――あはは(笑)。そうですよ!まだまだ乗らなくちゃいけないのに!

ずっとクルマ好きで、ずっとホンダ車に乗ってきましたが、このヴェゼルが自分に一番しっくりきているんじゃないかと感じているんです。

先ほどお話しした通りデザインもそうですが、車内が静かで物思いにふけられるところなど、クルマに求めるものが全部揃っていると思うんです。だからこそ、これからも大切に、なるべく近場で色々な所にドライブに行って、ヴェゼルと一緒に思い出を作っていければと思っています。

そう答えたあとに、「でも走行距離はなぁ……、コロナも大分落ち着いたし、色々な所に行ってみたいんだよなぁ」という声が聞こえました。なるほど、走行距離は伸びそうだなと、バレないように心の中で笑った筆者なのでした。これからも、ヴェゼルと素敵なカーライフを!

【Twitter】
玉置さん

(文:矢田部明子)

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