GRスープラを衝動買い!? 59万km超えの80スープラを所有するオーナーが、スープラ2台体制に込めたこだわり
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撮影:えすもと@smoto777
歴代スープラオーナーが集う「スープラオーナーズクラブ(SOC)」の九州支部長を務める「ささきょ」さん。
福岡県で開催した出張取材会では、走行距離50万kmを超える愛車・80スープラとのカーライフを紹介しました。あれから約3年。ささきょさんのもとに、2台目のスープラが加わりました。「ロプロス」と名付けられた愛車「GRスープラRZ(以下、ロプロス)」は、プロミネンスレッドのボディをまとう華やかな1台です。
今回はささきょさんとGRスープラとのカーライフに注目。なぜ2台目のスープラを迎えることになったのか。心境の変化やカスタムへのこだわりについて伺いました。
――以前は「1台を日常的に動かすことが、トラブルの少なさにつながっている」とお話しされていました。2台目を迎えるにあたってどんな変化があったのでしょうか?
今でも、日常的に動かすという考えは変わっていません。日常的に乗っているのも、基本的には「こごん太(80スープラ)」です。ただ、スープラのイベントに年5回も参加していると、どうしてもメンテや修理のタイミングと重なってしまうことがあるんです。
過去に一度、こごん太の修理が間に合わず、自分が主催するオフ会に代車で参加したことがありました。そのとき、主催者がスープラじゃないってやっぱり変だなと思って……。スープラの空白期間は作っちゃいけないと思ったんですよ。
――なるほど!では、GRスープラ(ロプロス)との出会いをお聞かせください
こごん太のメンテナンスでお世話になっているGR Garage福岡空港で、店の試乗車としていたのは前から知っていたんです。その試乗車を入れ替えるというので「じゃあ引き取ります」と。
ほぼ衝動買いに近かったですね。価格も「え、この値段で出すの? 」という感じだったので、勢いで決めました。
――まさに出会うべくして出会った感じですね。ところで「ロプロス」という愛称の由来は?
アニメの「バビル2世」に登場する鳥型ロボットの名前です。最初は「こごん太」と同じく和風にしようと思っていたんですが、元々考えていたのが人名でも使われる名前だったので、イベントで実在の方と被ると気まずいのでやめました(笑)。
GRスープラのヘッドライトが、どこかロプロスの目に似ているのも理由です。イベント参加時は「ロプロス」のフィギュアをダッシュボードに乗せてます。
――2台それぞれに役割やキャラクターはありますか?
こごん太は、ちょっとやんちゃなキャラクターです。車高も低そうに見えますが、どんな場所でも行けます。気兼ねなく乗れるし、操作感も身体に馴染んでいます。いっぽうで、ロプロスは落ち着いた雰囲気の大人のスポーツカーを目指しています。もし、フォーマルな場に乗って行くとしたらこっちでしょうね。行くことないけど(笑)。
自分の感覚では「こごん太8:ロプロス2」の比率で乗っている認識でしたが、走行距離で見ると意外と差がなかったんですよね。こごん太が5万キロ、ロプロスが3万5000キロ。「6:4」くらいの割合になってるんですよ。
――2台ともしっかり乗られているのが伝わってきます
どちらかがメンテに入っていても、もう1台が控えているという安心感が生まれましたね。
――カスタムされている部分も教えてください
ロプロスのイメージは「大人のプレミアムスポーツ」で、ランボルギーニ・ミウラSVR(イオタ)に着想を得ています。赤いボディにゴールドのホイール、そしてサイドに小さめのエンブレムを装着し、自分なりのプレミアムスポーツを目指しました。
リヤにはTRD製のトランクスポイラーを装着しています。ボディラインの美しさが引き立ち、空力面でもプラスになっていると感じています。
ホイールはBBSのLM、色はゴールドを選んでラグジュアリーな雰囲気に。ダウンサスは、前後とも約2cmのダウンとなっていて、車検に通らないような落としかたはしていません。
――落ち着いた雰囲気とさりげない色気を感じます。フロントエンブレムも変更しているのですね
はい、70スープラに採用されていた七宝焼エンブレムにしました。これは、こごん太とお揃いです。ヘリテージパーツで買いました。
ちなみに、こごん太に付けているフロントエンブレムは、70スープラを手放すことになったオーナーの方から直接譲っていただいた品です。ロプロスのエンブレムは新品ですが、それでもあえてこごん太とエンブレムを揃えたのは、「ロプロスが我が家の一員になった証」として、何かこごん太と共通点を持たせたかったからです。
GRスープラは純正エンブレムが着いている部分が楕円形に凹んでいます。そこをスムージング(滑らかに仕上げる作業)して、再塗装してから七宝焼を貼りつけています。
――それだけ手間をかけてもらって、ロプロスもきっと喜んでいますね! サイドが2トーンのようになっていますが、ラッピングされているのですか?
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撮影:えすもと@smoto777
フロントの開口部とサイド下部には、マットブラックのラッピングを施しました。ラッピングのカットラインについては、何度も試行錯誤を重ねて、今のカタチに落ち着いています。
――ささきょさんが、カスタムで大切にしていることは?
カスタムは引き算だと思っているので、何を犠牲にして何を守るかということを意識しています。
自分のなかでは、全体の調和を乱すようなカスタムは避けていますね。一見かっこよくても、ボディラインを邪魔したり、色や質感がチグハグになったりするパーツは避けています。ボディの配色も、重い色は下に置き、視覚的に安定感のある組み合わせを意識しています。
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赤いフロアマットはこごん太繋がりの方からいただいた宝物だそう
――2022年のスープラ全国ミーティングでは、クラブの代表車としてロプロスが並べられたことがあるとか?
全国ミーティングでは、歴代のクラブ会長や支部長のクルマを前列に並べてもらうことが多いんです。僕は九州支部の代表をしているので、ロプロスもその列に置いてもらえました。トヨタのデモカー、ワイスピの撮影車両、オーナーズクラブの歴代会長の愛車などと並べて置いてもらえたことは大変光栄です。
当時のロプロスは、カスタムが未完成で……。そんな状態で歴代のすごいスープラたちと並べてもらって、うれしい半面「このままじゃいかんな」とも思い、帰宅してすぐホイールを注文した思い出があります(笑)。
――ささきょさんも、オフ会を企画されるんですよね?
だいたい4ヶ月に1度くらいのペースで、ツーリングを兼ねたオフ会を主催しています。せっかく集まっても「クルマを眺めて終わり」ではもったいないので、初めて参加される方にはできるだけ声をかけたり、名札も用意したりしています。ありがたいことに紳士的な方が多く、リピーターの方も多いのは本当にうれしいですね。
――GRスープラは、2026年の春に生産終了が発表されています。オーナーとして今の気持ちは?
最後は必ずやってくるものなので、そこはしょうがないです。いつの日か違う形でも、再びラインナップに加わる日を楽しみにしています。
――愛車との今後についてお聞かせください
ロプロスをどう仕上げていこうかというより、やがて訪れる自分の「老い」とどう付き合っていくかを考えています。例えば、運転能力が落ちてきたときに、それをどう補っていくか。視認性を補う後付けアイテムなど、良いものがあれば積極的に取り入れたいです。
スープラを長く乗るためには、自分自身をアップデートしていくのが大事だと思っています。
――最後に、ロプロスへの率直な思いを聞かせてください
駐車場に着いたときや、乗る前にふと眺めたとき、やっぱりカッコいいなって思えるんですよね。ついスマホで写真を撮ってしまうし、乗ると楽しくて降りたくなくなることもあります(笑)。そんな瞬間に自然と「ありがとう」という思いが湧きます。
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撮影:えすもと@smoto777
GRスープラ「ロプロス」が加わり、2台のスープラとささきょさんのカーライフは、新たな章へと進んでいるようです。
ささきょさんのXアカウントでは、そんなスープラへの「ありがとう」の場面が日々発信されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
【X】
ささきょ@SOC九州さん
(文:野鶴美和 写真:ささきょさん提供)
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