スバル・WRX STIとの楽しい瞬間をずっと残したい。「大切な相棒」に捧げる愛情と葛藤

  • スバル・WRX STI

今回お話を伺ったのは、スバルWRX STI(VAB型)に乗り始めて今年で5年目に突入したという、あらまんさん42歳。
元々スポーツカーに憧れを持っていたあらまんさんですが、本格的にスポーティなクルマを楽しむようになったのは、WRXの前に乗っていた、インプレッサスポーツワゴンWRXに乗ってからだったと教えてくれました。

現在の愛車であるWRXは、大切に思うがあまり、中々走らせられていないとも話すあらまんさんですが、いったいどのようなカーライフを送られているのか、お話を伺いました。

今回は、WRX×あらまんさんのお話です。

――最初からスバル車一途という感じではなかったのですね

今のWRXに乗る前に乗っていたインプレッサスポーツワゴンWRXが、初めてのスバル車だったんですよ。更にいうと、それ以前は、スバル車を全く意識していなくて色々な車種に乗っていました。スポーツカー自体は好きだったんですけどね。

――スバル車に興味を持ちだしたきっかけは何だったのですか?

もう20年くらい前の話になりますが、友人がインプレッサを購入し、それに乗せてもらったのがきっかけでしたね。FFのNAエンジンで、且つ5速MTの一般的な組み合わせのインプレッサを運転させてもらったのですが、その時に「スバルってすごい!」っていう認識に一瞬で変わったんですよ。

――具体的には、何に感動したのでしょう?

エンジンパワーは100馬力程度で普通だったのですが、足回りの良さとボディ剛性の強さに驚きましたね。友人のクルマはWRXグレードではないインプレッサで「まあ、予測の範囲内の乗り味だろうな」と思っていたので、運転した瞬間ホントにびっくりしましたよ。

「エンジンのパワーがなくてもこんなに走れるクルマだったんだ!」って、スバル車に対してのイメージが変わった瞬間でしたね。

――その経験を経て、愛車にスバル車を購入したわけですね!

  • スバル・インプレッサスポーツワゴンWRX

    以前の愛車のスバル・インプレッサスポーツワゴンWRX

そうですね。友人のクルマを運転してから、スバル車を意識しだしちゃって(笑)。その後、インプレッサスポーツワゴンWRXを購入して、約13年間乗り続けたんですよ。

――2台目のスバル車にWRXを選んだのは何故だったのですか?

  • スバル・WRX STIのEJ20エンジン

前のインプレッサスポーツワゴンWRXも、今乗っているWRXも、EJ20エンジンが搭載されているのですが、当時『EJ20が生産終了する』という話を小耳に挟んだんですよね。それで「急いで買わなきゃ」って、焦っていたのもあって……。

当時乗っていたインプレッサスポーツワゴンWRXは、メンテナンスをちゃんとやっていたのもあって「まだ乗れるな」と思ってはいたのですが、WRXではあっても「WRX STI」ではなかったんですよ。

「STIの付くグレードにいつかは乗ってみたいな」ともずっと思っていたので、だったらこれを機にWRX STIを買っちゃおうって決めたんです。

――そういった経緯だったんですね! 普段はWRXをどのように乗っているのでしょう?

  • スバル・WRX STIのフロント

私と同じクルマ好きの人たちとツーリングに行く時とか、WRX限定のオフ会に参加する時に乗るのがメインですね。というのも、最近はWRXを大切にしたいという思いが強くなっちゃって、月に1回乗るか乗らないかくらいの使用頻度になっているんです。

インプレッサに乗っていた時は、よくサーキットへ走りに行っていたのですが、WRXでは、酷使するのがどうも怖くてね。

――頻繁に乗っていないのが何だか意外です!

乗るのは時々なんだけど、その際は全力でWRXを楽しむように心がけていますよ! やっぱり走らせてなんぼのクルマだと思うので、保管だけじゃ面白くないとも思いますしね。

――でも、それだけ愛着があると「もっと乗りたい!」と思っちゃいそうですが……

  • スバル・WRX STIの右サイド

もちろんそうなのですが、“大切にしたいし愛着があるから、頻繁には乗りたくない”っていう結論になったんですよね。

普段、WRXに乗らない時は、日焼けしないようにカバーをかけて保管をしているのですが、そのお陰で購入から5年経った今でもエクステリアのコンディションも保てていますし、総走行距離は2万kmくらいに収まっているんですよ。

もう生産されていないクルマ、そしてEJ20エンジンでもあるので、極力、今のコンディションを保ちたいのが現状の気持ちですね。

――5年間WRXに乗られてきた中で、印象的な出来事はありましたか?

出来事というか、驚いたという意味で印象に残っているのは、雪道を走った時に安定感をすごく感じたことですね。さすがスバルだなって思ったのと同時に、スバル車を選んで良かったと強く思いました。

他にも、埼玉県から四国へ旅行に行った時、パワーがあるので高速も楽々走れて、難なく旅ができたのがうれしかったです。そういうWRXの能力が発揮できる瞬間は、すごく記憶に残っていますね。

  • スバル・WRX STIと雪景色

――あらまんさんはWRXでオフ会などにも行くのでしょうか?

オフ会も好きでよく行きますよ!それでいうと、WRXに乗るようになって、クルマ友達が増えたのもありますね。このWRXはVAB型なのですが、同じ型式に乗っている人たちとの交友関係が新たにできたのが、自分にとってすごく良かったですね。

――そういった新たな交流をどのように楽しんでいますか?

ただ単に、スバル車オーナーと喋るのも好きだし、どういうカスタムをしているのかを見て勉強できるのが楽しいんですよ!

ちなみに、今履いているホイールは、よく一緒にオフ会に参加する人のホイールと同じ物なのですが、こういう「めっちゃカッコ良い!」と思えるパーツに出会えるのも良いですよね。このホイールはデザインがすごく好みで、今でもずっと気に入っているんですよ。

  • スバル・WRX STIが履くアドバンホイール

――“楽しさを感じる瞬間”って、他にもありますか?

実は、この取材前もWRXでドライブしてきたのですが、やっぱりワインディングロードを走っている時は楽しいと感じますね。WRXの良さを1番実感できる瞬間だと思っています。

そういった、走行を楽しむ時は必ずルーフを開けて走るのですが、開けた時の開放感とWRXのパワフルさを同時に感じられるのが何とも最高で。この感覚は他のクルマで感じるのは難しいと思いますし、WRXならではの楽しさだと思っています。

  • スバル・WRX STIのサンフール
  • スバル・WRX STIの運転席

――WRXのあるカーライフをまるごと楽しまれているんですね! WRXとの付き合い方は、今後も変わらなそうですか?

大切に乗っていきたい気持ちはずっと変わらないと思います。カスタムに関しては、どこまでやろうかなっていうのは悩んでいますが、ノーマルの良さを崩さない程度にイジっていくのだろうなと思います。

――今振り返ってみて、あらまんさんにとってWRXはどういう存在になりましたか?

ベタだけど“大切な相棒”になっていますね。大切に思うが故に、乗る機会は少なくなっちゃっていますが、WRXの存在が自分のモチベーションにも繋がっているのだなと日々感じます。

今は屋外の駐車場にカバーをして止めているのですが、ゆくゆくはWRXのためにガレージを作りたいです。今はまだ現実的な話ではないのですが、引き続き維持するために最善を尽くしていきたいです。

  • スバル・WRX STIと桜並木

WRXを購入後、実はサーキット走行のために足回りやメーターをカスタムして準備していたというあらまんさん。そんな中、心境に変化があったのは、WRXが替えのきかないクルマだと、次第に感じていったからなのだと思います。

月に1度という乗り方を聞き、周りからは「勿体無い」と言われ、時には「本当に好きなのか」と問われることもあったそうです。

でもクルマの愛し方は人それぞれ。会社に行く前は必ずといっていいほど、WRXの存在を確認する習慣があるのだと教えてくれましたが、正にその行動こそが、WRXへの愛の証明になり得るのではないでしょうか。

(文:秦 悠陽 写真提供:あらまんさん)