作業服専門店を営むオーナーがたどり着いたカーライフ。GRスープラは“人生のご褒美”

  • GRスープラ左前7:3

午前6時30分、街が目を覚まし始めるころ。シャッターを上げる音が響き、作業服専門店を営む「TAKU」さんの一日が始まります。

早朝から営業するのは、朝早く働く人たちのリズムに寄り添いたいという想いから。そんなTAKUさんの愛車は、2024年に新車で迎え入れたトヨタ GRスープラ RZです。

今回は、仕事と家族に誠実に向き合いながら、愛車との時間を大切にしているTAKUさんとGRスープラのお話です。

  • GRスープラリヤビュー

――SNSを拝見していると、毎日元気で楽しくお仕事されている印象です

機能性とデザインにこだわった作業服や作業用品をご提供することで、安全で快適に、気持ちよく仕事に向かっていただきたいという思いがあります。

お店をやってて良かったと実感するのは、お客様から「欲しいものばっかり置いてる」とか「つい目移りしちゃって、何を買いに来たのか忘れた!」といった声をかけてもらえたときですね。

  • GRスープラのオーナーさんが営む店内の風景

――素敵です!そんなTAKUさんがクルマ好きになったきっかけを教えてください

現在、僕は50代なのですが、クルマに興味をもったのは20歳くらいのときですね。バイクが好きだったのですが、車内で音楽を聴いたり友達と遠出する といった、クルマならではの楽しさに目覚めていきました。

――これまでどんなクルマに?

最初は、中古で購入した日産 パルサーでした。アルバイト代を貯めてアルミホイールを替えたり、カロッツェリアのオーディオを入れたりと、自分なりのカスタムを楽しんでいました。友達と遠出もしました。岡山県から石川県や和歌山県あたりまで出かけることもありましたね。

パルサーの次は、ホンダ プレリュードに乗り換えました。当時は彼女(今の奥様)とドライブデートをよくしていて、彼女は日産 シルビアに乗っていたんです。2台をローテーションで乗っていたのは、今思えばちょっと贅沢でした。二人で出かけた神戸旅行も思い出深いです。

その後は、家族が増えてトヨタ クレスタに乗り換えました。家業を継ぐことになってからは、荷物がたくさん積めるトヨタ ビスタアルデオ。走行距離は年3万キロ近く、トータルで20万キロ以上乗った相棒でしたね。

  • お店前の駐車場に止まるGRスープラ

――家族旅行へもたくさん行かれたんですか?

店と家の往復ばかりで遠出する機会があまりなかったです。それでも、子どもたちが小学生の頃は、夏休みになると鳥取県に出かけていましたね。浮輪を乗せて準備していたワクワク感を思い出します。

道中通過する「蒜山高原」や「大山」のあたりは、景色が美しくて運転も楽しいんです。いつも泊まっていた「皆生温泉」の宿から見える日本海は、やっぱり地元の瀬戸内海とは違う色をしていて癒されました。

あれから子どもたちも大人になって「あの頃、山陰以外にも行きたかった」と言われてしまいますが、クルマで一泊二日の旅をするにはちょうどいい鳥取がいまでも好きですね。

――多忙な毎日のなかで、ご家族との時間を大切にされていたことがわかります

その後もヴィッツ、ウィッシュ、プリウス、ロードスター(NC)と乗り継いできました。なかでもプリウスは、初めてのハイブリッドで「燃費がめっちゃいいのに、走りもいい!」と感動しました。

  • プリウス

とても気に入っていましたが、後から装着したTRDのエアロが低くて段差に神経を使うようになり、ハリアーZハイブリッドに乗り換えました。このクルマが人気あるのがわかりますね。道具としての頼もしさと所有する喜びが両立してる感じです。

――ロードスターにも乗られていたのですね。これまでの愛車たちとは趣の違うクルマですが?

これまでの愛車は、どちらかというと家族や生活のためのクルマが多かったですね。いっぽうでロードスターは、結婚後に初めて自分のために選んだクルマでした。荷物はあまり積めない。それでも良いと思えたのは、非日常を求めていたからだと思います。8年間乗りました。

ロードスターに乗り始めた頃は、公私ともにしんどい時期が重なり、気持ちのバランスを取るのが難しい時期でした。そんななか、休日にドライブする時間がストレスを発散できる時間だったんです。いま振り返ると、ロードスターは趣味のクルマである以上に「支え」だったのかもしれません。

  • マツダ・NCロードスター

――特別な1台だったんですね。ロードスターとGRスープラはいずれもスポーツカーですが違いはいかがですか?

性格は結構違いますね。ロードスターはゴーカートの感覚に近く、交差点を曲がるだけでも楽しいライトウェイトスポーツでした。どちらかというと、自分だけで運転を楽しむタイプのクルマだと思います。

いっぽうで、GRスープラは「GT」な感じ! 乗り心地も穏やかですね。奥さんが隣に乗ってくれるようになったんですよ(笑)。でも、スポーツモードに切り替えると一気に性格が変わって、キレのある走りになる。スイッチひとつで非日常に変わる感覚があって、そこもとても気に入ってます。

  • GRスープラの車内

こうしてお店をやってると、どうしても仕事とプライベートの境界があいまいになってしまいます。なので、GRスープラに乗ることで「今日は休みだからちゃんとリフレッシュしよう」と脳にスイッチを入れてくれる。オフに切り替えてくれる存在ですね。

――癒しの存在ですね。では、改めてGRスープラとの出会いをお聞かせください

ネットニュースで見たのが最初ですね。BMWとトヨタの協業によってスープラが復活すると知り「おお、スープラが帰ってくるのか」と驚きました。でも当時は発売まで時間があったので、そこまで意識していませんでした。「変わったデザインだな」という第一印象でしたね。

――「欲しい!」と思うようになったきっかけは?

実車をイベントで見たとき、完全に心を奪われましたね。画像では伝わらないオーラがあって一目ぼれに近い状態です。他の国産スポーツカーと並んでも、明らかに雰囲気が違う唯一無二のカッコ良さを感じました。サイドからリヤに流れるボリュームのあるグラマラスなラインが好きです。

  • GRスープラ サイドビュー

――納車の日を振り返っていかがですか?

ロードスターを手放してから約1年ぶりのMT車だったので、ちょっと緊張もありました(笑)。でも、注文してからずっと楽しみにしていたので「ついに来た!」という感動が大きかったですね。納車された日は本当にテンションが上がりました。

――初めてのドライブはどこへ?

お気に入りルートのひとつ、岡山ブルーラインを走って道の駅・一本松展望園まで行きました。適度なアップダウンとカーブが続く山道で、GRスープラの走りの気持ちよさを実感できました。

――普段はどんなところへドライブに行かれますか?

定番コースがいくつかあるんですが、ひとつは「児島湾大橋・後閑地区・宇野港」ルート。海沿いを気持ちよく走れて、児島湖に夕日が沈む時間なんかは最高です。もうひとつは「ブルーライン・一本松展望園・牛窓」ルートです。風光明媚な景色が続いて、ちょっとしたツーリング気分が味わえます。近場でもGRスープラで走ると「走りに出たぞ」っていう充実感があるんですよ。

  • GRスープラのエンジンルーム

――そんなGRスープラに乗り始めて変化したことを教えてください

うちのお店に来られるお客様は、クルマ好きな人が多いようです。GRスープラオーナーのお客様もおられて、愛車談義をするようになりました。クルマの話は、お客様との潤滑油になっています!

最近は、店を長女と長男にまかせられるようになって、奥さんと二人で出かける時間が作れるようになりました。昨年の春と秋には、GRスープラで鳥取県の皆生温泉へ行ってきました。このクルマで行くからこそ、昔を思い出すようなワクワク感もあり、時間の流れを感じながらのいいドライブでしたね。これからもいろんなところを訪れてみたいです。

それから、洗車も楽しいです! 洗車は好きで、クルマが綺麗になると心まで綺麗になった気がします。細かいところまでこだわるわけじゃないですが「ウチの子やっぱかっこいいなぁ」と満足しちゃいますね(笑)。

  • 青空とGRスープラ

――すっかり家族の一員となったGRスープラと、これからどんなカーライフを送っていきたいですか?

GRスープラに乗るたびに「ああ、自分なりにがむしゃらにやってきた時間が形になったな」と思います。誰にでも何かひとつ頑張ってきた証ってあると思うんですけど、僕にとってはこのクルマかもしれません。ありがたいなと思っています。

GRスープラと走り続けるために「まだまだ頑張ろう」と思える。僕にとってこのクルマは、モチベーションそのものです。もちろん、長く乗り続けていくために点検や整備にも気を配っていきたいです。

最後に伝えたいことがあります。国産スポーツカーが少なくなっていた時代に、こんなすばらしいクルマを世に送り出してくれたモリゾウさんへ。

「本当にありがとうございます。楽しんでいますよ!」

  • GRスープラと鳥居と海

愛車に乗るたび、「がむしゃらにやってきた時間が形になった」と感じるTAKUさん。GRスープラは、自分自身と向き合ってきた時間を象徴する存在でもあるのかもしれません。

走り続けるその先に、どんな景色が待っているのでしょうか。TAKUさんとGRスープラのカーライフは加速を続けていきます。

(文:野鶴美和 写真:TAKUさん提供)