『走る楽しさとは何か』ダイハツ・コペンが若かりし頃の高揚感を思い出させてくれた

  • ダイハツコペン2台

今回お話を伺ったのは、2010年式の初代ダイハツコペン(L880K型)と2016年式の2代目コペン ローブ(LA400K型)の2台体制でカーライフを楽しんでいるコペキチさん52歳。

これまでは日産のスポーツカーである、シルビアや180SX、R32型スカイライン、GT-Rなど、数々のクルマに乗ってきたといいます。

そして、日産GT-Rに乗っていたときに足車として購入したのが初代コペンであり、それからはコペンの魅力にどっぷりハマり、GT-Rを手放すと同時にコペン ローブを増台したのだと教えてくれました。

初代コペンを愛車に迎え入れてから今年で約5年目に突入したと話すコペキチさん。そこにはどのようなストーリーがあったのでしょう。

今回は、コペン×コペキチさんのお話です。

――愛車としてコペンを意識しだしたきっかけは何だったのでしょう?

実は、元々はコペンのことをまったく知らなかったんですよね。

元々乗っていたGT-Rのミーティングに行ったときに、たまたま近くでやっていたコペンのミーティングを見かけたことがあって、すごく楽しそうな雰囲気で気になったんです。それで、試しに1回乗ってみたいなっていう気持ちが芽生えたんですよ。

ちょうどそのくらいのタイミングで、GT-Rの走行距離をあまり伸ばしたくないという理由でセカンドカーを探していたため「じゃあ購入してみよう!」と思ったのが始まりでした。

  • ダイハツコペン初代

――コペンは最初セカンドカーだったんですね!

そうなんです。約5年前、初めてシルバーのAT車のコペンをオークションで購入して、屋根を開けて走ってみたらびっくりしちゃって(笑)。「ゴーカートみたいでめちゃくちゃ楽しいじゃん!」って感動したんです。コペンはルーフのオープンが電動でできて、それもコペンを選んだ理由のひとつなんですよ。

しばらくノーマル仕様で走っていたのですが、約3年経ったころ、自分でクルマをイジってみたくなって、エアロや足回りのパーツ、オーディオまわりなども自分で装着したりしていたら、もうすっかり楽しくなっちゃったワケです。

――SNSを見てもどっぷりハマっているのが伝わります(笑)。

おっしゃる通りです(笑)。あの車重の軽さにターボエンジンで、さらにマニュアルモードにするとすごく楽しかったんですよ。それと、アクセルを床まで踏み込めるっていうのが衝撃でした。コペンって非力なので、ベタ踏みしても法定速度内で走れるんですよ。「あ、これこれ、楽しみってこれだよな」って、若いころを思い出すような感覚でどっぷり浸かっちゃいました。

――走りはコペキチさん的にどストライクだったわけですね!デザイン面はどう感じましたか?

  • ダイハツコペンフロントビュー

フロントから見てもリアから見ても同じデザインっていうのがおもしろいなと思いました。ですが、やっぱり自分はターボエンジンっていうのが気に入ったのだと思います。「この小さい車体でターボ積んでんの?」っていう……。見た目も好きですが、やっぱり私はエンジンを見ちゃいますね。

  • ダイハツコペンリヤビュー

――自分の感性にぴったりハマるクルマって最高ですよね! 他にもコペンの気に入った部分ってありましたか?

コペンって部品も安いですし、少し手を加えただけで変化が分かりやすいっていうのも気に入りました。あと、何よりも仲間が多いっていうのはよかったです。コペンを購入してからSNSで新しくアカウントを作ったところ、一瞬で仲間が増える感覚というか、乗っている人が多いんだなっていうのは本当に日々思います。おかげさまでミーティングなどにも度々参加していて、楽しくやっています!

  • ダイハツコペンリヤビュー@ミーティング

――コペンのオーナーさんたちとの交流も楽しまれているんですね!

  • ダイハツコペンフロントビュー@ミーティング

おもしろいなと思ったのが、コペンのオーナーさんって女性が多いというか、ミーティングに行くと、老若男女の多くの方々がいらっしゃるんです。オフ会の雰囲気も柔らかくて、話題も尽きないですし、その感覚は初めてだったので結構衝撃でした。私の嫁さんも参加したことがありまして、コペンのミーティングはお菓子交換とかもあって、穏やかで話しやすいね!って言っていました。そういうのも踏まえて、クルマ初心者の人たちにも胸を張ってオススメできるクルマだと思います。

――コペキチさんの普段の乗り方はどんな感じなのでしょう?

  • ダイハツコペンローブ

主には通勤で使用していて、気分によって初代か2代目かどっちかのコペンに乗っていくという感じです。休日も乗ることが多く、コペンのイベントに行くときには、嫁さんの都合が合えばそれぞれコペンに乗り込んで、2台で一緒に乗っていくみたいな感じで使用することもあります。嫁さんはAT車が好きなのでレッド&ブラックの2代目コペンに乗ってもらって、自分はシルバーの初代コペンに乗って行くことが多いですね。もう、ほぼ毎日乗っているんじゃないかな。

  • ダイハツコペンローブ室内

――2台体制にしているのは何か理由があるのでしょうか?

本当は2代目コペンの購入時、初代を手放そうかなって思ったのですが、なんか手放せなくなっちゃって(笑)。初代コペンって4気筒だったり、2代目コペンローブとは違うデザインの良さがあったりするんですよ。結局、どちらも良さがあるっていうのと、嫁さんも結局使うだろうということで、2台体制で楽しんでいます(笑)。

  • ダイハツコペンローブ@サーキットイベント

――奥様も乗られているのもすごく素敵ですね。ちなみに、一番印象的なコペンとの思い出を聞いてもいいですか?

鈴鹿サーキットのイベントでしょうか。その時は前日に台風が来ていたんですよ。高速道路が通行止めになって、私は沼津から乗って次の富士ICで下道に降ろされたのですが、めちゃくちゃ渋滞してしまい……結局、早朝に出発したのに到着したのが13時になってしまいました。「サーキットで走れる」っていうイベントだったので、道中は「何としてでも行きたい!」という気持ちで一杯だったのを覚えています(笑)。

――コペキチさんってとてもエネルギッシュですよね!(笑)

そうなんですかね(笑)。さすがに体はヘロヘロだったけど、結局イベント自体はとても楽しくて、オーナーさんたちと交流もできて堪能したんですけど(笑)、辛いことから楽しいことまで経験した濃厚な一日で、思い出になっています。

  • ダイハツコペンリヤイメージ

――ところで、コペキチさんはコペンに乗るようになってから何か変わったことってありましたか?

コペン専用のブログを始めたことでしょうか。

ブログ自体は元々書いていたのですが「コペン専用のも作ってしまえ!」と思って始めたんですよ。

――何かきっかけがあったのでしょうか?

コペンについて詳しく書いている人をネットで調べると、当時はあまりいなかったんですよね。

いたとしても「このパーツを付けました!終わり!」みたいな感じのページしかなくて、だったら自分が参考になるブログをやってみようと思ったんです。「ここが知りたいんだよ!」っていう部分が自分だったら分かるし、説明できるかなって思って。それでちょっとでも参考になれば良いなという思いでずっとやってきました。

おかげさまで、オフ会にいくと「ブログ参考になりました!」って言ってくださる方々がいて、それがめちゃくちゃうれしくて! 本当に制作者冥利に尽きますね。

  • ダイハツコペン@杓子峠

――今後ブログでは何を伝えていきたいですか?

SNSを見ると、これからコペンを買う若い人が結構多いことに気づいたんですよね。そういう子たちが見てくれて、ちょっとでもカスタムを始めるきっかけになってくれたらいいなって思います。それと、コペンを買う前にブログを見て「楽しそう!」となり、コペン購入のキッカケになってくれたらうれしいなと密かに思っています。

――めちゃくちゃカッコ良いです! コペンとのカーライフは、今後どのように過ごされていく予定ですか?

私の年齢的に、クルマにはあと10年も乗れれば良いかなと思っているので、乗れるうちはずっとコペンに乗り続けていきたいです。

それと、60歳のタイミングでコペン2台で北海道へ嫁さんと一緒に旅行をすることが今の目標です。「あの広い道を走ってみたいね」って結婚したときから嫁さんと話していたんですよ。

  • ダイハツコペンローブと桜

――お話をお聞きしていると、コペンはかなり特別な存在になっているんじゃないかなと予想しているのですが、どうなのでしょうか?

本当にそう思いますし、私の生活の一部ですね。最近はいかにコペンのイベントに参加できるかを考えて仕事も合わせている状態なんですよ(笑)。イベントがとにかく多いので、なるべく多く、行けるイベントは行きたいです。大阪で大きいイベントがあるので、身体が動くうちに参加することも目標ですね。

  • ダイハツコペン洗車風景

取材の途中、「コペンとのカーライフで一番幸せな瞬間は?」と聞くと「洗車のとき」と答えたコペキチさん。コペンのカスタムから整備まで、自身でできる範囲であれば何でもやってきたコペキチさんにとって、洗車という時間は、不調や故障に気付ける瞬間でもあり、何より、いちばん好きな時間なのだと教えてくれました。

初代コペンの「最小のボディに最大の夢を」というコンセプトは、コペキチさんが若かりしころに感じた情熱を思い出し、再びクルマに夢中になったように、たくさんのオーナーへ届いているのだろうなと思います。

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コペキチさん

(文:秦 悠陽 写真提供:コペキチさん)