優等生セリカと最高のプロデューサーが気づかせてくれた“仲間と走る楽しさ”

  • トヨタセリカ@イベント駐車場

奈良県在住のRyuさんが乗るのは、鮮やかなイエローに全塗装されたトヨタセリカ(ZZT231型)。 実はこのクルマ、高校時代からの親友の存在なしには語れない一台だといいます。かつては亡くなったお祖母様から譲り受けた軽自動車に乗り、クルマにはそこまで強いこだわりを持っていなかったRyuさん。しかし、ある失恋をきっかけに「カッコいいクルマに乗りたい」というスイッチが入りました。

「元気を出せ」と連れ出されたクルマの集まり、親友から送られてきた中古車情報、そして納車後のカスタムまで。強力な「プロデュース」によって作り上げられたセリカとの日々について、Ryuさんに伺いました。

――鮮やかな黄色が目を引きますが、最初からこの色だったのですか?

  • トヨタセリカ色変更前

いいえ、もともとは純正の黒色でした。 20年以上前のクルマなので、どうしても塗装のクリア剥げが目立ってきてしまって「せっかくならカッコよく乗りたい」と思い、昨年(2025年)9月に全塗装しました。

  • トヨタセリカ色変更後

色はかなり悩んだんですが、アクアG'sやFJクルーザー(ともにトヨタ)に使われている純正の黄色を選びました。白や黒が多い中で、悪目立ちせず、でもしっかりと個性が出せる色にしたかったんです。今ではルームミラー越しにリアウィングの黄色がチラッと見えるだけで、テンションが上がりますね。

――そもそも、セリカを購入したきっかけは何だったのでしょう?

  • トヨタセリカと紅葉

実は、当時付き合っていた彼女と別れてひどく落ち込んでいたんです(笑)。 それを見かねた親友が「気分転換に走りに行こうぜ」って、奈良の道の駅“針T・R・S(針テラス)”に連れて行ってくれました。そこで彼や周りの人たちが乗っているカッコいいスポーツカーを見て「自分もこんなクルマに乗りたい!」と素直に思えたのが始まりでした。

そうしたら、彼から「お前に合うのはこれや!」って中古車情報のリンクが次々と送られてくるようになりました。その中にあったのが、愛知県で見つけたこのセリカでした。走行距離も3万キロ台と少なくて、兄と一緒に見にいって即決しました。

――お話を聞いていると、そのご友人の存在が大きいですね。

  • トヨタセリカヘッドライト

そうですね、彼がいなかったら絶対に乗っていないと思います。 高校時代からの付き合いでとにかく世話焼き、僕を自分の好きな世界に引きずり込むのがうまいんですよ。

実はカスタムに関しても、8〜9割は彼のセンスなんです。 例えばヘッドライトのリングライト加工も「これ付けたら丸目っぽくなってカッコいいで」と勧められたものですし、廃番になっているC-ONE製のリアウィングも彼がオークションで見つけてきてくれました。 ウィングの塗り分け(翼端板を黄色、メインを黒)も「レーシングカーの逆を行こう」という彼のアドバイス。優柔不断な僕をぐいぐい引っ張ってくれる、最高のプロデューサーですね。

――実際にオーナーになってみて、セリカはどんなクルマですか?

  • 走行中のトヨタセリカ

一言で言えば「優等生」ですね。 周りの友人たちが乗るGR86(トヨタ)のようなスポーツカーと比べれば、パワーもスピードも敵いません。でも、決して力不足なわけではなくて、視界も広くて運転もしやすい。 納車当日に愛知県から奈良まで一人で運転して帰ったとき、高速道路での安定感や、包み込まれるようなシートの感触に「ああ、自分のクルマを手に入れたんだ」と感動したのを覚えています。

――セリカと過ごすようになって、日常に変化はありましたか?

休日の過ごし方が変わりましたね。以前はインドア派でしたが、今は週末になると親友やその周りの86乗りの友人たちと集まって、写真を撮ったりドライブに行ったりしています。

とくに印象に残っているのは、親友と一緒に静岡まで走ったときのこと。夜明けの富士山をバックに愛車を並べて写真を撮ったとき「好きなクルマに乗るって、こんなに楽しいんだ」と心から思いました。SNSを通じてセリカ乗りの知り合いも増えましたし、あのとき、思い切ってこの世界に飛び込んでほんとうによかったなと思います。

――最後に、これからの夢や行きたい場所はありますか?

  • トヨタセリカフロントホイール

近場なんですが、淡路島に行ってみたいですね。明石海峡大橋をこのセリカで走ってみたいんです。海沿いの道を流しながら、また友人と写真を撮れたらいいなと思っています。

失恋というほろ苦いきっかけから始まったRyuさんのカーライフですが、今では「黄色いセリカ」が生活の中心にあり、その周りにはいつも笑顔の仲間たちがいます。

「僕のカーライフは、ほとんど親友に作ってもらったようなものです」と語るRyuさんですが、その表情はとても充実していました。 頼れる親友と、優等生な相棒。この強力なタッグがあれば、Ryuさんの毎日はこれからも鮮やかに彩られていくことでしょう。

【X】
Ryuさん

(文:小松暁子 編集:平木昌宏 写真:Ryuさん提供)