雪道初心者。知っておくべき13のポイント

急速に冬型の気圧配置が強まり、大雪となる所もあります。不要不急の外出を控えるのがよいですが、どうしても出かけなくてはいけない場合、冬タイヤを装着しチェーンなど事前に準備をしておくと安心です。
ここでは雪道の基本的な運転方法やすべりやすい場所、トラブルをご紹介しますので、改めて確認しておきましょう。

目次
① 雪道の基本的な運転方法
② すべりやすい場所と注意点
③ トラブル


① 雪道の基本的な運転方法

1.急な操作をしない
雪道は乾いている路面や雨で濡れている路面よりも、タイヤのグリップが極端に落ちるため、急ハンドルはNGです。発進時はタイヤがスリップしないよう、アクセルはゆっくりと踏みましょう。また、ムリな追い抜きも急加速を伴うのでNGです。
車間距離はいつもの2倍は保ち、急ブレーキは行わないようにしましょう。

2.エンジンブレーキを上手に使う
最近のクルマはABS(アンチロックブレーキシステム)が標準搭載されているため、雪道でブレーキをかけてもロックはしにくいですが、フットブレーキは多用せず、早めにエンジンブレーキを上手に使い、減速するようにしましょう。

3.事前にブレーキ体験する
走っている路面がどれくらいすべりやすいのかを確かめる方法として、極低速でブレーキを少し強めに踏み、ABSを動作させるというものがあります。これにより、雪道でのクルマの挙動がわかり安心です。ただし、まわりに人やクルマがいない、絶対に事故を起こさない安全な場所で自己責任において行うようにしましょう。

② すべりやすい場所と注意点

交差点、日陰、坂道、カーブ、橋の上、トンネルなど特にすべりやすいところがあります。雪が解けた後に路面が氷になるアイスバーンや、濡れた路面に見えて、実は凍結しているブラックアイスバーンもあるため、見た目だけで判断するのは大変危険です。
ブラックアイスバーンの危険性については、こちら(https://gazoo.com/article/daily/151230.html)でも詳しく紹介しています。

4.交差点はアイスバーンだと思って進入する
交通量が多く信号のある交差点付近は、クルマが発進と停車を繰り返すため、雪が踏み固められて圧雪になっていたり、エンジンの熱で雪が解けて、それが凍結していたりする場合があります。雪がないところ、積もっているところ、アイスバーンになっているところなど、路面状況の変化が激しいため、交差点の通過、右左折する場合は轍に気をつけて慎重に走行しましょう。

5.日陰はアイスバーンだと思って走行する
日陰と日向では雪の状態が異なります。日陰では雪や氷が解けずに残っていて、日向では雪や氷は比較的早く解けるため、濡れた路面になっている場合があります。この濡れた路面は、夜になると凍結してアイスバーンになることもあり、大変危険です。

6.坂道はいつでも停止できる速度で走行する
普段走っている坂道も雪が降ると全く違う「道」になります。ちょっとした勾配でもサマータイヤでは走行不能になってしまいます。下り坂の場合は十分に速度を落とし、いつでも止まれる速度でエンジンブレーキを使いながら下りましょう。SUVやワンボックスなどの車両重量の重いクルマは、坂道での制動距離が特に長くなるため注意が必要です。

7.カーブは十分に減速してから進入する
カーブでは日陰と日向が連続するところもあり、カーブに入る前は乾いた路面でも出たところはアイスバーンなど、路面状況が極端に違うことが考えられます。またカーブを曲がった先に渋滞や障害物があるかもしれません。カーブに入る前には十分に減速して、カーブに入ったらブレーキ操作はしなくても良いように心がけましょう。

8.橋の上はアイスバーンだと思って走行する
橋の上は、風で吹きさらし状態になって全方位から熱が奪われるため、アイスバーンになっていることがあります。橋の前まで凍結していなくても橋の上は凍結していると予測し慎重に走行しましょう。

9.トンネル出口はアイスバーンだと思って走行する
トンネルの出入り口では、解け出した雪が凍結していることがあります。トンネル内は雪がないため、ついついスピードが出やすくなりがちですので、出口に近づいたらスピードを落としましょう。

③ トラブル

雪道の走行では、普段は予想もできないトラブルが起きます。

10.レスキューは直ぐに来られない
積雪地帯以外で雪が降った場合、ロードサービス到着まで時間がかかることがあります。ガス欠、飲み物対策は事前に考慮しておきましょう。また排気管(マフラー)まで雪が積もるような大雪の場合は、車内で待機していて一酸化炭素中毒になってしまうことがあります。排気管の周りの雪を取り除くなど、待機中の二次災害を防ぐよう注意しましょう。

11.雪で視界を奪われる
クルマのフード、ルーフに雪が積もっている場合は、そのまま発進してはいけません。
走行中にフードの雪がフロントウィンドウに被ってしまう、ブレーキをかけたときにルーフに積もった雪がフロントウィンドウに落ちてくるなど、視界が奪われることがあるからです。クルマに積もった雪を落とすには、スノーブラシ(雪かき棒)を使用すると便利です。ルーフの高いクルマでも雪を効率よく落とせます。

12.クルマの凍結
クルマは、ウィンドウ、ワイパー、ウォッシャー液、ドアモール、鍵穴、パーキングブレーキ、軽油など多くの部品が凍結します。ワイパーの凍結を防ぐには駐車時にワイパーを立てておきます。凍ったウィンドウを急いで融かそうとしてウィンドウにお湯をかけてしまうと最悪割れてしまうので絶対にやめましょう。

ウィンドウウォッシャー液は、凍結対策として濃度を高くしておくと良いでしょう。軽油は温度が下がると凍結します。そうなるとエンジンが始動できません。そのため寒冷地の軽油は凍結しにくくなっていますが、東京などでは入手が困難なため、ディーゼルエンジンのクルマは気をつけてください。軽油の種類については、こちら(https://gazoo.com/article/daily/141201.html)でも詳しく説明しています。

13.スタッドレスタイヤは劣化する
古いスタッドレスタイヤを使っている人は注意してください。スタッドレスタイヤは一般的に3~5シーズンは使えますが、ゴムの劣化による硬化、タイヤのトレッド摩耗により、雪道や凍結路で性能を発揮できないため、タイヤの状態やタイヤの溝の使用限界を事前にチェックしておきましょう。

(補足)
大雪時は緊急措置として全車両チェーン装着規制がありましたが、行政指導で罰則はありませんでした。しかし、国土交通省は平成30年12月14日、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府・建設省令第3号)の一部を改正し、新たなチェーン規制を公布、施行しました。
この規制は、「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の規制標識を新設し、大雪時はチェーン装着車のみ通行可能とするものです。大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときに実施され、スタッドレスタイヤを装着している車にもチェーンが必要になります。未装着の場合は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることもあります。

国土交通省 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令の公布について
(http://www.mlit.go.jp/common/001265122.pdf)

チェーン規制についてQ&A
(http://www.mlit.go.jp/road/bosai/fuyumichi/tirechains.html)

※行政指導とは
国土交通省などの各行政機関が、企業や国民等特定のものに対して出す、指導や勧告、助言のことです。その指導範囲は、各行政機関の任務や所掌事務とされています。あくまでも「指導」であり、強制力はありません。

普段雪が降らない地域に住んでいる雪道初心者の方は、雪の予報が出ているとき、降雪後は運転を控えたほうが良いです。それでも運転をしなければいけない場合は、道路状況を予測し、時間に余裕をもち、急のつかない運転に心がけてください。

[ガズー編集部]

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