【トヨタ WRC】第3戦初日、ラリー・メキシコがグアナファト市街地で開幕 選手権リーダーのエバンスが総合2位につける

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

3月12日(木)、2020年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦ラリー・メキシコが開幕。メキシコのグアナファト市街地で2本のスーパーSSが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(ヤリスWRC 33号車)が総合2位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(17号車)が総合6位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合8位につけ、ヤリスWRCは全車が順調にデイ1を走り終えました。

WRCではヨーロッパ圏外でのテストが禁じられているため、朝10時から始まったシェイクダウンは、選手とチームにとってクルマの最終的な仕上がりを確認する大切な機会になりました。全長5.51kmのグラベルコースは、実際に競技で使われるステージにとても近い路面コンディションで、1番手で出走したエバンスは最初の走行で2番手タイムを刻み、4回目の走行でベストタイムを記録。また、オジエは3番手タイム、ロバンペラは4番手タイムを刻むなど、全ドライバーがポジティブにシェイクダウンを走り終えました。

その後、夜8時過ぎから華やかなセレモニアルスタートに続き、グアナファトの中心部で全長1.12kmの市街地ステージが2本行なわれました。かつて銀鉱のために掘られた暗い地下道も走行するステージは道幅が狭く、舗装路の一部は濡れて滑りやすく、距離は短くともトリッキーなSSとして知られています。前戦ラリー・スウェーデンでの優勝によりドライバー選手権で首位に立ったエバンスは、連続してSS2番手タイムを刻み、首位と1.1秒差の総合2位につけました。また、オジエとロバンペラも堅実な走りで2本のステージを走破し、ラリー初日を走破しました。

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<<ラリー・メキシコ デイ1の結果>>

1 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 1m56.6s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +1.1s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1.9s
4 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +2.0s
5 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2.3s
6 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +2.5s
7 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタ WRC) +4.0s
8 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +4.0s
9 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォード フィエスタ WRC) +4.6s
10 オリバー・ソルベルグ/アーロン・ジョンストン(フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)+6.4s

チームコメント

<<カイ・リンドストローム (スポーティング ディレクター)>>
今晩の最初の2本のステージを問題なく走り終え、明日からの本格的な戦いに全車が駒を進めたことを嬉しく思います。今朝のシェイクダウンは上手くいき、ドライバー達はクルマとセットアップに満足していました。明日金曜日のステージに、エルフィンは出走順トップという新たなるシチュエーションで挑みますが、今朝のシェイクダウンで良いタイムを刻んだことは、大きな励みになるでしょう。

17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)

<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 17号車)>>
素晴らしい雰囲気の中、ラリーのスタートをグアナファトで迎えるのはいつだって特別です。現在、世界が直面している状況を考え、今朝はあまり明るい気分になれませんでしたが、それはひとまず忘れラリーに集中するつもりです。クルマの感触は良く、自分自身のフィーリングも悪くないので、きっと大丈夫だと思います。

17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>
これほど多くの観衆が集うセレモニアルスタートは他になく、本当に素晴らしい雰囲気でした。すぐに2本のステージを走らなくてはならないため、セレモニーを心から楽しむことはできなかったかもしれませんが、それでも素敵な経験でした。2本のステージで2番手タイムを刻み、上々のスタートを切れたと思います。今朝のシェイクダウンでは、1番最初の走行時から良いフィーリングでした。クルマの感触も非常に良く、全体的に満足のいく内容でした。とはいえ、とても長く厳しいイベントなので、トラブルなく全力を尽くして戦わなくてはなりません。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>
ラリー・メキシコ最初のこのステージはいつも特殊で、トンネルの中の道はトリッキーです。2本目は良い走りができたと思いますが、1本目からそう走るべきでした。シェイクダウンでのクルマのフィーリングは素晴らしく、プレイベントテストで仕上げたセットアップも良かったと思います。全体的にフィーリングは良く、グラベルのステージを走るのが楽しみです。このクルマでのグラベル経験は十分とはいえませんが、好きな路面ですし、走れば走るほどフィーリングは良くなっています。この週末は多くの困難に直面すると思いますが、本当にテクニカルで難しいステージなので、とにかくミスなく走ることが目標です。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

次回のイベント情報

競技2日目となる3月13日(金)のデイ2は、サービスパークを基点に12本のSSが行なわれます。グアナファト周辺に展開する山岳地帯が主舞台の「エル・ショコラテ」、「オルテガ」、「ラス・ミナス」は、新たに加わった市街地ステージ「パルケ・ビセンテナリオ」を挟んで各2回走行。続いてレオンのレーシングサーキットで2本のスーパーSSが、1日の最後にはサービスパークのすぐ近くで全長0.73kmのショートステージが行なわれます。12本のSSの合計距離は132.86km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は394.03kmとなります。

[ガズー編集部]

WRC 2020 第3戦 ラリー・メキシコ レース記事

  • 第3戦初日、ラリー・メキシコがグアナファト市街地で開幕 選手権リーダーのエバンスが総合2位につける
    第3戦初日、ラリー・メキシコがグアナファト市街地で開幕 選手権リーダーのエバンスが総合2位につける
  • 第3戦2日目、オジエが3本のベストタイムを刻み首位に立つ エバンスは総合3位、ロバンペラは総合5位につける
    第3戦2日目、オジエが3本のベストタイムを刻み首位に立つ エバンスは総合3位、ロバンペラは総合5位につける
  • 第3戦最終日、オジエが今季初優勝、メキシコ通算6勝目を飾る エバンスは総合4位、ロバンペラは総合5位でフィニッシュ
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