【WRC2021】第2戦初日、WRC初開催の冬季ラリー・フィンランド初日 地元のロバンペラが総合3位につける

  • 69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

2月26日(金)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦アークティック・ラリー・フィンランドが、フィンランド北部のロヴァニエミで開幕。積雪路で2本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(ヤリスWRC 69号車)が総合3位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合9位につけました。

WRC第2戦として当初予定されていたラリー・スウェーデンが新型コロナウイルスの影響により中止となり、代替のスノーイベントとして、アークティック・ラリー・フィンランドがWRCとして初めて開催されることになりました。ラリーのサービスパークが置かれるロヴァニエミは北緯66度33分と北極圏の入り口にあり、森林地帯に展開するステージは降り積もった雪によりラリーにとって理想的なスノーコンディションになりました。

金曜日は午前中にシェイクダウンが行われ、午後から競技がスタート。ロヴァニエミから約80km東に離れた森林地帯で、今大会最長のステージとなる全長31.05kmの「サリオヤルヴィ」を2回走行しました。午後3時過ぎにスタートした1本目のステージで、ロバンペラは途中まで誰よりも速いペースで走行していましたが、ジャンクションでコーナリングラインがワイドに膨らんで雪壁にはまりタイムロス。それでも3番手タイムを記録しました。そして、午後6時半過ぎに暗闇の中で始まった2本目のステージでは2番手タイムを刻み、首位と20.4秒差の総合3位で初日を走りきりました。

開幕戦ラリー・モンテカルロで優勝し、ドライバー選手権のリーダーとしてステージに1番手で出走したオジエと、選手権2位につけ2番手で出走したエバンスは、1本目のステージで路面の「雪かき役」を担うことに。軟らかい雪に覆われた路面でタイヤのグリップを十分に得られず、エバンスは2ステージ連続の5番手タイムで総合5位に留まり、オジエはさらに大きく遅れ総合9位で1日を終えました。しかし、出走順がデイ1よりも後方となるデイ2は、全ステージの合計距離の半分以上を占めるため、両選手には挽回のチャンスが十分にあります。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、トップと38.8秒差の総合7位につけています。

詳細はこちら:https://toyotagazooracing.com/jp/wrc/release/2021/rd02-day1.html

アークティック・ラリー・フィンランド デイ1の結果

順位 ドライバー/コ・ドライバー チーム タイム
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ ヒュンダイ i20クーペ WRC 31m50.7s
2 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル ヒュンダイ i20クーペ WRC +16.2s
3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン トヨタ ヤリス WRC +20.4s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ ヒュンダイ i20クーペ WRC +29.8s
5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン トヨタ ヤリス WRC +32.0s
6 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ フォード フィエスタ WRC +34.5s
7 勝田 貴元/ダニエル・バリット トヨタ ヤリス WRC +38.8s
8 オリバー・ソルベルグ/セバスチャン・マーシャル ヒュンダイ i20クーペ WRC +45.9s
9 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア トヨタ ヤリス WRC +49.8s
10 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン フォード フィエスタ WRC +1m05.8s

(現地時間2月26日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

チームコメント

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>

期待していたようなスタートにはなりませんでした。今日は気象条件が我々にとって少し不利に働いてしまったようです。気温が0度を超えると路面の雪がかなり柔らかくなり、そうなると遅いスタート順で幅広くラインが刻まれた道を走る方が、より高いグリップを得られるからです。もし、今日よりも10度くらい低いフィンランド北部の本来あるべき気温だったならば、出走順が早かったとしても、これほどタイムロスしなかったと思います。セブとエルフィンはそのような理由でタイムを失ってしまったのです。カッレは不運にも雪壁に当たってしまいましたが、スピードはかなりありました。明日は、今大会もっとも重要な1日です。新しいステージもあり、通常よりもタイム差がつきやすいと考えられるので、我々にはまだチャンスがあると思っています。

1号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)

<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)>>

とても困難な1日となり、理想的なスタートをきることができませんでした。今晩は、もう少しトップに近い位置につけたかったというのが本音です。ドライビングについては良いフィーリングでしたが、タイムは良くありませんでした。もし気温が低ければもっと良かったのかもしれませんが、残念ながら今日は今年初めてプラスの気温になってしまい、出走順が1番だった我々の助けにはなりませんでした。路面の雪はとても柔らかく、かなり不利なコンディションでの走行となり、2回目の走行でも状況は好転しませんでした。明日もトライを続け、何ができるのかを確かめたいと思います。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>

自分にとっては悪いスタートではありませんでした。たしかに出走順は早くベストな条件ではありませんでしたが、1回目のステージはクリーンに走ることができましたし、2回目も暗闇の中でそこそこの走りができたと思います。同じステージの1本目と2本目では、轍が多く刻まれ、滑りやすい雪が散らばるなど路面コンディションが大きく変わっていて、とても大変でした。今日の最大の目標は、明日の出走順を少しでも良くすることでしたが、それをひとまず達成できたので、明日はできる限り順位を上げられるように頑張りたいと思います。

カッレ・ロバンペラ

<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>

最初のステージはハードに攻め、序盤はとても良かったのですが、ジャンクションでミスをしてラインが膨らみ、雪壁に突っ込んでしまいました。もう少しで走り抜けられたのですが、結局バックで脱出することになりました。2本目のステージは雪の下から未舗装路が露出しているようなコンディションで、強いアンダーステアを感じるなどセットアップが最適でないことは序盤からわかっていました。その結果フロントタイヤが傷み、終盤はとても苦労しました。総合3位につけているとはいえ少し残念なスタートになってしまいましたが、明日までにセットアップを改善して、戦い続けられると信じています。

明日のステージ情報

競技2日目となる2月27日(土)のデイ2は、サービスパークの東側で3本のスノーステージを、日中のサービスを挟んで各2回走行します。6本のSSの合計距離は144.04kmと3日間で最も長く、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は455.57kmとなります。

[ガズー編集部]