【WRC2022】第11戦 ラリー・ニュージーランド 22歳のロバンペラが史上最年少チャンピオンに輝く

  • カッレ・ロバンペラ

2022/9/29-10/2、10年ぶりの開催となる南半球のスムーズ・グラベルラリー、WRC第11戦ラリー・ニュージーランドが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(69号車)が優勝し、WRC史上最年少記録でドライバーズタイトルを獲得した。これまでWRCの最年少チャンピオン獲得記録は、故コリン・マクレー氏が1995年に樹立した27歳と109日であったが、22歳のロバンペラは、その記録を5歳以上も縮めた。
また、総合2位にはセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス(1号車)が入り、GR YARIS Rally1は1-2フィニッシュを達成した。

DAY1
全長1.78kmのターマックステージは、直前に一時的に降った雨により濡れていたが、徐々に乾き、出走順によってコンディションが大きく変化していく中、出走順が早かったオジエは総合8位、エバンスが総合5位、ロバンペラが総合6位を記録。勝田は、GR YARIS Rally1最上位の総合4位につけた。

DAY2
金曜日から本格的なグラベルステージがスタート。合計6本のステージの距離は158.56kmと、今大会の全ステージ距離の半分以上を一日で走行。今シーズンのWRCで最長のデイとなった。
ステージの周辺では夜中から断続的に雨が降り続いたため、路面は全体的に湿り気を帯び、一部路面はかなり濡れた状態に。ステージ開始後も雨は降ったり止んだりを繰り返し、一日を通して不安定な天気であった。
ロバンペラは、出走順トップでステージを走行。路面が乾いていて滑りやすいセクションでは、砂利を掃き飛ばしながら走るなど不利な条件での戦いとなったが、総合4位で走破、また、エバンスが総合2位に、オジエが総合3位に、それぞれ順位を上げた。

DAY3
土曜日は天気予報通り、朝から雨が降り続き、風も強く吹く荒れ模様の天気となり、グラベルステージは、全てウェットコンディションとなった。
この日、3本のステージを各2回走行する合計距離88.28kmのステージが予定されていたが、午前中3本目のSS10は、最初の数台がフィニッシュした時点でアクシデントによりキャンセルとなった。
22歳の誕生日を迎えたロバンペラは、雨で難しいコンディションとなったステージを自信を持って攻め、2本目のSS9、再走ステージのSS11、SS12でベストタイムをマークし総合1位に、オジエはベテランらしい安定した走りを続け、総合2位に順位を上げた。
なお、首位に立っていたエバンスは、クルマにダメージを負い、勝田貴元は、コースオフにより、共にリタイアとなった。

DAY4
合計距離31.18km、2本のステージを各2回走行する最終日。断続的に弱い雨が降り、路面は全体的に湿った状態であった。
ロバンペラは、オープニングのSS14と、ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージでベストタイムを記録し、今シーズン6回目の優勝を決めると共に、ボーナスの5ポイントも獲得した結果、2戦を残してドライバーズタイトルを決定。
また、約3ヶ月ぶりにWRCに復帰したオジエが総合2位でフィニッシュし、チームはロバンペラとオジエが獲得したポイントにより、マニュファクチャラー選手権におけるリードが81ポイントになった。

<豊田 章男 (チームオーナー)>
今週はカッレに“おめでとう!”を3つ伝えたいと思います。
ひとつ目は22歳の誕生日おめでとう!
ふたつ目はラリー・ニュージーランド優勝おめでとう!
みっつ目は2022年のドライバーズチャンピオンおめでとう!

スペイン、日本と残り2戦ありますが、今までの11戦の内6勝してのチャンピオンは本当にすごいことだと驚いています。先日、記者の方に「なぜカッレは強いのか?」と聞かれ、とっさに出てきた答えは「彼はドーナツが好きだから」でした。パワーステージでもドーナツ・ターンを楽しんでいた君の姿が目に焼き付いていたから出た言葉でしたが、運転することをいつも楽しんでいるからこそ強いんだと思っています。GRヤリスラリー1を楽しんで運転してくれて、そしてチャンピオンになってくれて、本当にありがとう。今度、どこかで一緒にドーナツを楽しみながら、お祝いできる場がもてるといいなと思ってます。

カッレを支えたコ・ドライバーのヨンネにも感謝しています。コ・ドライバー・チャンピオンおめでとう! 横に座るカッレだけでなく、チーム全体をも盛り上げて支えてくれている君の姿をベルギーで見かけました。マニュファクチャラーズ・タイトル獲得まで、今までどおりチーム全体の雰囲気づくりも頼みます。

久々にGRヤリスに乗ってくれたセブも、運転を楽しめたからこその結果だと思います。チームのために走ってくれて、そしてタイトルに向けて貴重なポイントを取ってくれてありがとう!

エルフィンと貴元も、チームのために攻めてくれた結果のコースオフでした。スペインでも日本でもこのまま一緒にマニュファクチャラーズ・タイトルを目指していきましょう!

こうして4人のドライバーが思いっきり走れた裏には、前回ギリシャでの悔しさからチーム全員が気持ちをしっかり切り替えてくれたこともあると思います。

また、10年ぶりのWRC開催を力強く盛り上げてくれた、トヨタ・ニュージーランドのみんなの応援の力もあったと思います。今回の勝利に力を尽くしてくれたみんなに、心から感謝します。最高の週末をありがとうございました!

4台8人の選手たちが、あと2戦、すべての道を気持ちよく走り切れるようチーム全員で引き続きがんばっていきましょう!

ヤリ-マティ代表、よろしくお願いします!

トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男

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