【WRC2023】第4戦 エバンスが今シーズン初勝利を獲得。ロバンペラは総合4位、オジエは総合5位でフィニッシュ。(クロアチア・ラリー)
2023/4/20-4/23、非常に難易度の高いフルターマックラリーとして知られているWRC第4戦クロアチア・ラリーが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン(33号車) が今シーズン初勝利を収め、WRC通算6勝目、チーム加入後5回目の優勝となった。
また、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン(69号車)が総合4位で、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ(17号車)が総合5位でフィニッシュし、勝田貴元/アーロン・ジョンストン(18号車)は、総合6位でラリーを終えた。
DAY1
クロアチアの首都ザグレブで、合計8本、距離130.18kmの3日間で最長のステージが行われた。
出場を予定していたアイルランド人ドライバーのクレイグ・ブリーン氏が、ラリーを前に逝去されたため、サービスパークは深い悲しみに包まれ、ラリー関係者はブリーン氏に敬意と哀悼の意を表した。
競技は朝からスタート。午前中のステージはドライコンディション、午後は一時的に雨が降り、一部の路面は濡れていたり、湿っている状態であった。
結果、エバンスが総合2位に、オジエが総合5位に、ロバンペラが総合8位につけ、4台目のGR YARIS Rally1で出場の勝田貴も、総合6位となった。
DAY2
4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。合計8本のSS、距離は116.60km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は793.98kmという長い一日となった。
天気は好天に恵まれ、路面は概ねドライコンディションであったが、一部水溜まりや湿ったセクションがあり、路肩の泥が舗装路面に掻き出され非常に滑りやすいコーナーも多くあった。
この日、GR YARIS Rally1は7本のベストタイムを記録し、エバンスが総合1位にポジションアップ、オジエが総合4位に、ロバンペラが総合5位に、それぞれ順位を上げた。
DAY3
サービスパークの北側エリアで、2本のステージを各2回走行。合計4本、距離54.48kmのSSが行われた。
前日に続き天気は良く、路面は全体的にドライコンディションであったが、湿っているセクションや、掻き出された泥で非常にトリッキーなコーナーもあった。
エバンスは、確実性の高い走行を実施し、2021年のラリー・フィンランド以来となる優勝を果たし、また、2014年から2018年にかけて、ラリー前に逝去されたクレイグ・ブリーン氏のコ・ドライバーを務めたコ・ドライバーのマーティンは、WRC初表彰台を獲得。エバンスとマーティンは、表彰台に立ったラリーの仲間たちと共に、今回の結果をブリーン氏に捧げた。
なお、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終の「パワーステージ」では、ロバンペラが2番手タイム、オジエが3番手タイム、勝田が4番手タイムを記録。その結果、ドライバー選手権ではオジエとエバンスが同ポイントでトップに並び、
ロバンペラは1ポイント差の3位となった。
また、マニュファクチャラー選手権は、今大会ブリーン氏が所属していたチームとの連帯の意味も込めて、ロバンペラとオジエの二人のみを登録。TOYOTA GAZOO Racing WRTは29ポイント差で首位を守った。
<<豊田 章男 (TGR-WRT会長)>>
先日、我々の強力なライバルであり大切な仲間でもあったドライバーを失いました。亡くなったクレイグ・ブリーン選手、そのご家族、チームの皆様に哀悼の意を表します。
今大会は、全てのラリー仲間たちがブリーン選手のことを想いながら走っていたように感じます。そのような大会で、ブリーン選手のかつてのコ・ドライバーであったスコットが、表彰台の一番高いところに立てたこと、良かったと思います。スコットおめでとう。
エルフィンも、スコットの笑顔をブリーン選手に見せてあげてくれてありがとう。そして、エルフィン自身は、久しぶりの優勝!本当におめでとう!2021年のフィンランド以来の優勝です。ずっと苦しんでいたエルフィンの最後の1ピースが、ようやくはまったのだと思います。エルフィンの笑顔、最高でした。
ブリーン選手は「運転を楽しむことの大切さ」について、よく話されていたそうです。今回のエルフィンは、きっと心から運転を楽しめていたから、あの笑顔だったのだと思います。ラリーが好きで、運転を楽しもうとする我々にとって、今回の事故は、本当にショックで痛ましい出来事でした。今後、こんな悲しいことが起きぬよう、やれる限りの対策を、我々は必死に考えて実行していかなければならないと思います。
走るクルマの音や匂いや迫力、ドライバーたちのドラマ…、ラリーは本当に人々の心を動かすスポーツだと思っています。そんな感動を、これからもモータースポーツの現場からお届けしていきたい。そのためにも我々は、もっといいクルマづくりを続けてまいりたいと思います。
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