得意分野の協業によって生まれる新しいクルマのカタチ…ジャパンモビリティショー2023

自動車メーカーのホンダと、スマートフォンや家庭用ゲーム機などエレクトロニクス分野を得意とするソニーグループが手を組んで作り上げた電気自動車メーカー『AFFELA(アフィーラ)』のプロトタイプが初公開されて話題となったのは2023年はじめのこと。

フロント部分やインパネに装備されたディスプレイを自由なデザインに変えられるなど、従来の『クルマ』が持つ固定概念や価値観とは一線を画す存在といえるだろう。
10月28日(土)から一般公開日がスタートする『JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)』には、AFFELAプロトタイプをはじめとするさまざまなカタチの『次世代モビリティ』が展示されている。

そんな新しいクルマのカタチを作り上げていくうえで、ひとつのキーワードとなるのが「得意分野を活かした協業(コラボレーション)」ではないだろうか。

たとえばバッテリーメーカーから電気自動車メーカーへと発展したBYDが今回のモビリティショーで展示している『Denza D9』は、メルセデス・ベンツとの合弁会社によって製作されたハイエンドミニバン。
「2列目シートに乗る人を重視して作り上げた」ということで、インテリアの質感やデザインはもちろん、独自の『DiSus インテリジェントボディコントロールシステム』によって、快適な乗り心地を実現しているという。

  • 2022年8月に中国で発売開始された『D9』は累計販売台数10万台を超える人気車種

    2022年8月に中国で発売開始された『D9』は累計販売台数10万台を超える人気車種

どこがどちらのメーカーの技術によるものとは言えないそうだが、ボディサイドラインは『流星』、ヘッドライトは『隕石』などデザインコンセプトを宇宙や星に喩えているあたり、スリーポインテッド・スターを象徴とするメルセデスとの共通点を感じさせる部分と言えるのではないだろうか。

そして、そんな新たなカタチを作り上げるためのパートナーを“オープンに募集している”コンセプトカーも。それがダイハツに展示されていた軽乗用BEV『me:Mo(ミーモ)』だ。
「Me(わたし)」と「More」を組み合わせたネーミングというこの車両は「自動車メーカーであるダイハツが、できるだけシンプルでコンパクトなクルマを作り上げてオープンソース・ハードウェアとして情報公開するので、多種多様なカスタマイズを楽しんでほしい」というのがコンセプト。
実際に展示されている車両は、樹脂を使ったデザインや3Dモデリングを手がける『新工芸舎』によってカスタマイズが施されていた。

  • 車両設計データを公開することで、自由にパーツを作ることが可能

    車両設計データを公開することで、自由にパーツを作ることが可能

  • 新工芸舎がデザインした樹脂パーツでカスタムした『me:Mo』

    新工芸舎がデザインした樹脂パーツでカスタムした『me:Mo』

  • ブースに展示されたさまざまなデザインの内外装パーツ

    ブースに展示されたさまざまなデザインの内外装パーツ

『ダイバーシティ』『多様化』というキーワードがさまざまな分野で広がる時代、今後もアッと驚くような組み合わせによってクルマやカーライフの新しい楽しみ方が増えていくことに期待したい。

[GAZOO編集部]