初代ハイエースやEV化されたランクル60など 旧くて新しい注目のクルマたち…ジャパンモビリティショー2023
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レストアによって蘇った初代ハイエースの後期モデル。
次世代モビリティを紹介しているJAPAN MOBILITY SHOW2023(ジャパンモビリティショー)では、自動車メーカーが最新のコンセプトカーをお披露目される一方、会場の至るところでレストアされた旧車の展示も目にすることができる。中にはダイハツやマツダといった自動車メーカーも、その歴史を紐解くといった意味で大々的に並べることもあり、日本の自動車文化の変遷を追うことができるのはこのショーの見どころのひとつではないだろうか。
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ハイエースの歴史とともにトヨタ車体が製造した車両を年表で紹介
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初代ハイエースには3人、6人、9人、15人乗りがラインアップされ、9人乗りワゴンは当時のクラウンと同価格帯という高級車だった
トヨタ車体が展示していたのは1971年式トヨタ・ハイエース。このクルマはハイエース誕生50周年を記念した2017年に1度レストアが施された車体。元々はパーツの欠品もある不動車をベースに、社内の有志によって作業が行われたという来歴がある。しかしレストア完了から5年が経過したところで、再び細かいサビが発生するなどコンディションの低下が目立つようになってきた。そこで今回のジャパンモビリティショーに合わせてさらにクオリティアップを図り、なおかつ各部パーツなども年式に合わせたものに変更し完全修復を行ったそうである。
ハイエースは初代から現行モデルにいたるまでトヨタ車体が製造を担当しているが50年以上も前に発売された初代モデルともなると写真や正確なデータも残っておらず、細かい装着パーツの違いなどはイベントで情報を収集しながら作業を進行。その甲斐があって製造時とほぼ同じクオリティでレストアが完了している。今回の作業ではボディのリフレッシュだけでなく、年式に合わせたフロントグリルやシートなどの内装にも手を入れたということ。特にシートは当時のパターンに近いビニールレザーを使用して作り替えているほど力を入れているそうだ。
また、車体の仕上げも当時のフォルムを重視して再現。現代の製造現場ではストレートに造形するレインガーターは、オリジナルの形状に合わせて曲線を作りながら成形しているとのこと。現代の技術でピシッと作り替えてしまうのではなく、細部までハイエースの原点を見直すことで若い人材育成にも貢献しているのである。
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ボディの再修復とともにフロントグリルも後期モデル用に交換された
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シートは表皮や素材、デザインも考慮して当時の雰囲気を演出している
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シートは表皮や素材、デザインも考慮して当時の雰囲気を演出している
トノックス×フレックスが手掛けたのは往年のフォルムに最新のパワートレインを組み合わせるのが『コンバージョンEV ランドクルーザー60』。ベースとなったのはサビでボロボロになってしまっていた1982年式トヨタ・ランドクルーザー[FJ60]だ。
まずボディをフレームから下ろし、同時にボディパネルなどは全て分解しながら、腐食によって開いてしまった穴などを全て修復してフルレストア。この車体に96Vの交流モーターを搭載し、ドライブトレインはランクルのノーマルを利用することで4WD機構を生かしEV化。現在のところ通常の鉛バッテリーを搭載しているが、最終的にはバッテリーをリン酸リチウムイオンタイプに換装して航続可能距離は200kmを想定しているそうだ。
車体製造や特装車の架装専門メーカーのトノックスと、ランクルやハイエースを中心に車両販売を行うフレックスがタッグを組んだこのプロジェクト。車体の人気は今も色褪せないにもかかわらずNOx規制によって都市部ではその走りを楽しむことができないという難点を克服し、これからも長く付き合っていくための試みとして大きな注目を集めていた。なお、『コンバージョンEV ランドクルーザー60』は今後フレックスでの販売も予定されているそうなので楽しみだ。
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サビで朽ち果ててしまう直前だったランクル60をフルストリップしてレストアを敢行
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重量級の車体を軽快に走らせるためにモーターはパワフルな交流96Vがチョイスされた
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マツダブースに展示されていたのは新車クオリティまで修復されたNAロードスター
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ダイハツブースに展示されるのは1977年に発売した初代ダイハツ・シャレード[G10]
<文 撮影:渡辺大輔>
[GAZOO編集部]
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