【FDJ 第2戦】現役最年少WRC王者ロバンペラ、異次元の走りで完全制覇!日本のドリフト競技に初参戦で衝撃デビュー
カッレ・ロバンペラは22歳のラリードライバー。2022年の世界ラリー選手権(WRC)で最年少年間王者にに輝いた新星でありスーパースター。そんな彼がWRCの合間を縫って急遽来日し、5月20日から21日まで福島県で開催された「FORMULA DRIFT JAPAN(FDJ)」第2戦エビス西コースにトヨタ『GRカローラ』を駆って初参戦。
そして予選・決勝ともに優勝という、とんでもない結果を残して、日本のドリフト競技のシーンに鮮烈なデビューを飾った。スムーズかつダイナミックな走りで、会場に訪れた観客だけでなく関係者でさえ驚きの走りを見せつけた。
そんなロバンペラの素顔に触れるべく、今回のFDJ参戦についてインタビュー。その走りの秘密に迫っていく。
◆“ドリフトが大好き!”と笑顔を見せる、クルマ好きな若者としての顔
カッレ・ロバンペラはフィンランド出身のラリードライバー。WRCドライバーであり、WRCでの勝利経験を持つハリ・ロバンペラを父に持ち、6歳からクルマを運転してきたというサラブレッド。2019年のWRC-2プロで年間チャンピオンを獲得。
さらに2020年にトヨタのワークスチームである「TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team」に加入し、WRCへ本格的な参戦を開始。そして2022年には年間6勝をあげて、史上最年少のシリーズチャンピオンに輝いた。また、史上初のWRC親子勝者でもある。
そんなロバンペラだが、実は根っからのクルマ好きでドリフトも大好きだという。プライベートでドリフト競技に参戦していることでも知られていた。「今回はTGRから声を掛けてもらって、FDJに参戦することになりました。ドリフトはラリーについで2番目に好きなモータースポーツ」と話す。
エビスサーキットはドリフトでは聖地的な場所だが、印象を聞くと「実はエビス祭りで3回走ったことがあります。海外でも僕の友人では”エビスサーキット”に行ってみたい、という人も多く有名なコースでもあります。今回の西コースのレイアウトだと1コーナーが難しい。アウト側までしっかり寄っていかないといけないけど、そこでアクセルを抜くのが難しいところですね。アウト側の1つ目と2つ目のゾーンが狭いので難易度が高いです」
「ちなみに北コースも好きですし、南コースの名物だったジャンプも好きでした。時間があるときには、日本のドリフトDVDなどを見ていました」という。
20日に行われた予選では午前の予選1本目はウエット路面だったが、89点でトップタイをマーク。午後の予選2本目はドライ路面になり、ライン得点は満点かつアングルとスタイルも非常に高得点をマークして、97点を獲得。2本の走行から高得点で順位が決定する予選で、いずれもトップで予選通過を果たした。
今回マシンメイクからメンテナンスまでを行うクスコレーシングも、ロバンペラのドライビングレベルの高さを感じるという。具体的には“特に細かい姿勢コントロールが凄い”とのこと。そもそも現代のドリフトでは右足でのアクセルコントロールはもちろんだが、左足でのブレーキによる車速と荷重のコントロールが重要。
アクセルを踏んだままブレーキをわずかに踏むことで、荷重をフロントに移して姿勢を変えたりをする。多くの選手はそれを行っているのが、走行する車体を見ればわかることが多い。しかしロバンペラは微細な荷重のコントロールをしているので、車体は極めてスムーズに走り抜けていく。
さらにサイドブレーキによってリアタイヤにのみブレーキを掛けて、細かく角度やトラクションのコントロールをしていく。とにかくその細かさが桁違いなのだ。
実際データロガーを見てもアクセルを踏んでいる量と時間が長い。通常ドリフトしながら向きを変える「振り返し」のときには、アクセルを戻して向きを変えて再度アクセルを踏むが、ロバンペラはほぼアクセルを戻さずにブレーキを使って振り返しをしているという。
◆クスコレーシングが仕上げた最強のトヨタ『GRカローラ』、HKS製パーツで武装
エンジンは3.4L+ターボで約800~900psを発揮。トヨタ製の2JZエンジンをベースにHKS製のチューニングパーツで3.4L化し最強ともいわれるパッケージだが、大パワーを絞り出すためには大きなターボチャージャーは欠かせない。そうなるとどうしてもアクセルを踏んでからタービンが回って、エンジンに過給するまでには時間が掛かる。いわゆるターボラグが発生するのだ。
それを解消するためにアクセルOFF時にもタービンを回す「アンチラグシステム」が装備されている。だがそのセッティングがなかなか難しい。効きすぎるとアクセルOFFなのに加速してしまうし、効きが弱いと意味がない。
そのセットアップが絶妙なのだが、ロバンペラのように常に右足でアクセルを踏んでタービンを回し続けていれば、いつでも欲しいパワーを得ることができる。エンジンパワーと姿勢を左右の足で絶妙にコントロールできるからこそ、あれだけ精度の高い走りがいつでもできるのだ。
また、足元に装着されるのはヨコハマタイヤの「ADVAN NEOVA AD09」に、ホイールはADVAN Racing「RS-DF」をマッチング。エアロパーツはレーシングドライバー佐々木雅弘氏の手掛けるGROW Design製で、GRカローラのワイドな造形を活かしつつ、ワイド&クリーンなスタイリングに仕上げられた。
◆予選も決勝もスムーズすぎる走りで見事に優勝!完全勝利で全員の度肝を抜いた
決勝トーナメントでも常に完璧な走りで文句なく勝利を重ね、最終的に決勝戦にも勝利。予選でトップ、決勝でも優勝という偉業を初参戦にして達成してしまった。
決勝トーナメント前には「先行(リード)走行はスピードに対して集中していきたいが、それほど心配はありません。後追い(チェイス)走行が重要でしっかりと前に付いていきたい。そのスピードが重要だと思っています」と話していたロバンペラ。
しかし結果としては今回の参加車両の中で誰よりも後追いで前走車両に迫り、ギリギリの距離を保って追走していて見事に優勝を収めた。初走行のコースにシェイクダウン直後のマシン、初参戦となるFDJと初めて尽くしのなか、落ち着いた走りで勝利してしまう。
WRC王者なら当然なのかもしれないが、22歳のカッレ・ロバンペラの底知れない実力と可能性を感じる週末となった。
そして予選・決勝ともに優勝という、とんでもない結果を残して、日本のドリフト競技のシーンに鮮烈なデビューを飾った。スムーズかつダイナミックな走りで、会場に訪れた観客だけでなく関係者でさえ驚きの走りを見せつけた。
そんなロバンペラの素顔に触れるべく、今回のFDJ参戦についてインタビュー。その走りの秘密に迫っていく。
◆“ドリフトが大好き!”と笑顔を見せる、クルマ好きな若者としての顔
カッレ・ロバンペラはフィンランド出身のラリードライバー。WRCドライバーであり、WRCでの勝利経験を持つハリ・ロバンペラを父に持ち、6歳からクルマを運転してきたというサラブレッド。2019年のWRC-2プロで年間チャンピオンを獲得。
さらに2020年にトヨタのワークスチームである「TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team」に加入し、WRCへ本格的な参戦を開始。そして2022年には年間6勝をあげて、史上最年少のシリーズチャンピオンに輝いた。また、史上初のWRC親子勝者でもある。
そんなロバンペラだが、実は根っからのクルマ好きでドリフトも大好きだという。プライベートでドリフト競技に参戦していることでも知られていた。「今回はTGRから声を掛けてもらって、FDJに参戦することになりました。ドリフトはラリーについで2番目に好きなモータースポーツ」と話す。
エビスサーキットはドリフトでは聖地的な場所だが、印象を聞くと「実はエビス祭りで3回走ったことがあります。海外でも僕の友人では”エビスサーキット”に行ってみたい、という人も多く有名なコースでもあります。今回の西コースのレイアウトだと1コーナーが難しい。アウト側までしっかり寄っていかないといけないけど、そこでアクセルを抜くのが難しいところですね。アウト側の1つ目と2つ目のゾーンが狭いので難易度が高いです」
「ちなみに北コースも好きですし、南コースの名物だったジャンプも好きでした。時間があるときには、日本のドリフトDVDなどを見ていました」という。
20日に行われた予選では午前の予選1本目はウエット路面だったが、89点でトップタイをマーク。午後の予選2本目はドライ路面になり、ライン得点は満点かつアングルとスタイルも非常に高得点をマークして、97点を獲得。2本の走行から高得点で順位が決定する予選で、いずれもトップで予選通過を果たした。
今回マシンメイクからメンテナンスまでを行うクスコレーシングも、ロバンペラのドライビングレベルの高さを感じるという。具体的には“特に細かい姿勢コントロールが凄い”とのこと。そもそも現代のドリフトでは右足でのアクセルコントロールはもちろんだが、左足でのブレーキによる車速と荷重のコントロールが重要。
アクセルを踏んだままブレーキをわずかに踏むことで、荷重をフロントに移して姿勢を変えたりをする。多くの選手はそれを行っているのが、走行する車体を見ればわかることが多い。しかしロバンペラは微細な荷重のコントロールをしているので、車体は極めてスムーズに走り抜けていく。
さらにサイドブレーキによってリアタイヤにのみブレーキを掛けて、細かく角度やトラクションのコントロールをしていく。とにかくその細かさが桁違いなのだ。
実際データロガーを見てもアクセルを踏んでいる量と時間が長い。通常ドリフトしながら向きを変える「振り返し」のときには、アクセルを戻して向きを変えて再度アクセルを踏むが、ロバンペラはほぼアクセルを戻さずにブレーキを使って振り返しをしているという。
◆クスコレーシングが仕上げた最強のトヨタ『GRカローラ』、HKS製パーツで武装
エンジンは3.4L+ターボで約800~900psを発揮。トヨタ製の2JZエンジンをベースにHKS製のチューニングパーツで3.4L化し最強ともいわれるパッケージだが、大パワーを絞り出すためには大きなターボチャージャーは欠かせない。そうなるとどうしてもアクセルを踏んでからタービンが回って、エンジンに過給するまでには時間が掛かる。いわゆるターボラグが発生するのだ。
それを解消するためにアクセルOFF時にもタービンを回す「アンチラグシステム」が装備されている。だがそのセッティングがなかなか難しい。効きすぎるとアクセルOFFなのに加速してしまうし、効きが弱いと意味がない。
そのセットアップが絶妙なのだが、ロバンペラのように常に右足でアクセルを踏んでタービンを回し続けていれば、いつでも欲しいパワーを得ることができる。エンジンパワーと姿勢を左右の足で絶妙にコントロールできるからこそ、あれだけ精度の高い走りがいつでもできるのだ。
また、足元に装着されるのはヨコハマタイヤの「ADVAN NEOVA AD09」に、ホイールはADVAN Racing「RS-DF」をマッチング。エアロパーツはレーシングドライバー佐々木雅弘氏の手掛けるGROW Design製で、GRカローラのワイドな造形を活かしつつ、ワイド&クリーンなスタイリングに仕上げられた。
◆予選も決勝もスムーズすぎる走りで見事に優勝!完全勝利で全員の度肝を抜いた
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しかし結果としては今回の参加車両の中で誰よりも後追いで前走車両に迫り、ギリギリの距離を保って追走していて見事に優勝を収めた。初走行のコースにシェイクダウン直後のマシン、初参戦となるFDJと初めて尽くしのなか、落ち着いた走りで勝利してしまう。
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