第6話 ディーノ206GT…軽くて丈夫! アルミボディーのクルマ特集
スチールにガラス、プラスチックなど、自動車づくりに使われる素材はさまざま。今回の特集では、アルミニウムのボディーを採用することで性能向上を追求した、世界の名車を紹介します。
ディーノ206GT
早世したエンツォ・フェラーリの長男の愛称であるディーノを冠した、フェラーリのロードカーとしては初の6気筒エンジン搭載車にして、初のミドシップ車。1950年代からコンペティションマシンに使われたV6エンジンの開発にディーノが携わっていたことから、V6はディーノユニットと呼ばれており、それを積んだレーシングスポーツもディーノを名乗っていた。フェラーリ製ながら206GTのブランドはディーノで、エンブレムにもFerrariの文字や跳ね馬の絵柄はない。
いくつかのプロトタイプを経て、1967年に市販開始。伝統にしたがいピニンファリーナがデザインしたボディーは総アルミ製で、コックピットの背後に最高出力180PSを発生するアルミ製の65度2リッターV6 DOHCエンジンを横置きする。もちろんパワーでは12気筒フェラーリに及ばないが、美しいスタイリングと日本の5ナンバー規格におさまるコンパクトで軽量な車体、ミドシップレイアウトがもたらす俊敏なハンドリングが魅力だった。
そもそも206GTのエンジンは年産200基以上、2リッターまでという当時のF2用ベースエンジンの規定に合わせて排気量が決定された。そのためフィアットの協力を得てエンジンを生産し、デチューン版を積んだフィアット・ディーノも市販化した。無事に規定をクリアし、2リッターの縛りから解放されたため、1969年にはエンジンを2.4リッターに拡大したディーノ246GTへと発展。ホイールベースが延長されたボディーはスチール製となり、エンジンも鋳鉄ブロックに変更されたため、車重は206GTの900kgから1080kgへと増加してしまった。
[ガズー編集部]
軽くて丈夫! アルミボディーのクルマ特集
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