第12話 ジャガーXJ…軽くて丈夫! アルミボディーのクルマ特集
スチールにガラス、プラスチックなど、自動車づくりに使われる素材はさまざま。今回の特集では、アルミニウムのボディーを採用することで性能向上を追求した、世界の名車を紹介します。
ジャガーXJ
メルセデス・ベンツSクラスやBMW 7シリーズなどと市場を争う、ジャガーのフラッグシップサルーンであるXJ。1968年に誕生した初代から数えて7代目となるコードネームX350は2003年にデビューした。
最大の特徴はリベットと接着剤によって組み立てられたオールアルミ製のモノコックボディー。ボディーサイズが先代よりひとまわり大きくなっているにもかかわらず、ホワイトボディーの重量は先代のスチール製のものに比べ約40%減の295kgという軽量化を達成。3.5リッターV8を積んだXJ8 3.5の車重は1680kgで、ライバルのメルセデス・ベンツS350より約100kg、BMW 735iより200kg以上も軽かった。いっぽう、ボディーのねじり剛性は先代比で約60%高いとうたわれていた。
パワーユニットは3.5リッター、4.2リッター、4.2リッタースーパーチャージャー付きという3種のV8と、軽量化の恩恵により新たに加えられた3リッターV6で、V6搭載車には久々に「XJ6」の名称が復活。2004年にはホイールベースを125mm延長した、主としてショーファードリブン向けのロングホイールベース版がV8搭載車に加えられた。2009年に登場した次世代XJ(X351)は、過去7代の痕跡を内外装からほぼ消し去ったため、X350は結果的にクラシックな味わいを残した最後のジャガーサルーンとなった。
[ガズー編集部]