第11話 BMW Z8…軽くて丈夫! アルミボディーのクルマ特集
スチールにガラス、プラスチックなど、自動車づくりに使われる素材はさまざま。今回の特集では、アルミニウムのボディーを採用することで性能向上を追求した、世界の名車を紹介します。
BMW Z8
1999年に登場した高級かつ高性能な2座ロードスター。1997年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカーのZ07を市販化したもので、デビュー直後に公開された映画『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』にボンドカーとして登場したことで話題を呼んだ。
モチーフとされたのは、1956年にデビュー、美しさと生産台数252台という希少性で語り継がれるロードスターの507。Z8の2座オープンボディーは、BMWとしては初めてアルミスペースフレームを採用し、パネルもすべてアルミ製。サスペンションにもアルミが多用されるなどして、車重は1585kgにとどまった。レザーを多用したインテリアも507に通じるレトロなデザインでまとめられていた。
BMWの哲学に従って前後重量配分50:50を達成すべく、バルクヘッド直前に積まれたパワーユニットは、M5(E39)から移植された総アルミ製の4.9リッターV8 DOHC。400PS、51.0kgf・mのパワーとトルクを、やはりM5と共通の6段MTを介して後輪に伝え、0-100km/h加速4.7秒というハイパフォーマンスを発揮した。日本国内価格は1650万円だった。
[ガズー編集部]