三菱500・・・リアエンジン・リアドライブの名車特集
今回ピックアップするのは、いまやすっかり少なくなった「エンジンを一番後ろに積むクルマ」。軽自動車からスポーツカーまで、代表的なリアエンジン・リアドライブのモデルを紹介します。
三菱500
1960年にデビューした、三菱自動車が初めて自社開発した量産乗用車。モータリゼーションを推進すべく1955年に通商産業省(現・経済産業省)が発表した国民車構想に対する三菱からの回答で、排気量は500ccだが、当時の規格では5ナンバーの小型車だった。
2ドアのモノコックボディーのリアに空冷直列2気筒OHVエンジンを積んだ、欧州製小型車に通じるシンプルかつ合理的な設計で、居住性や走行性能にはまずまずの評価が与えられた。だが、その簡素で地味なルックスはマイカーのある豊かな生活を夢見る大衆への訴求力に乏しく、またボディーサイズがさほど変わらない軽乗用車と比べ維持費の点で不利なこともあり、セールスは伸び悩んだ。
そうした問題を改善すべく、クロームの装飾をおごり、装備を充実させたデラックス仕様を加えた後、1961年にはエンジンを600ccに増強し、乗車定員を4人から5人に増やしたスーパーデラックスが登場。さらに翌1962年にはボディーに大がかりな化粧直しを施し、車名もコルト(後にコルト600)に改めた。これがコルトの名を冠した最初の三菱車だったのである。
[ガズー編集部]