アルピーヌA610ターボ・・・リアエンジン・リアドライブの名車特集
今回ピックアップするのは、いまやすっかり少なくなった「エンジンを一番後ろに積むクルマ」。軽自動車からスポーツカーまで、代表的なリアエンジン・リアドライブのモデルを紹介します。
アルピーヌA610ターボ
1956年にリリースされたルノー4CVベースのA106に始まり、ラリーで大活躍したA110、GT的な性格を強めたA310など、一貫してリアエンジンのスポーツカーをつくり続けたアルピーヌ。その系譜のしんがりを務めたのが、1991年にデビューしたA610ターボである。
端的に言えば1985年に登場したV6GT/V6ターボのバージョンアップ版で、アルピーヌ伝統のバックボーンフレームを主体とするシャシーの剛性を大幅にアップ。その後端に積まれるPRVエンジン(プジョー、ルノー、ボルボの共同開発)由来のV6 SOHCターボエンジンは、V6ターボの2.5リッターから3リッターへと排気量が拡大され、最高出力250psを発生。2+2のFRP製ボディーは、V6ターボでは固定式だったヘッドライトがリトラクタブル式になり、印象を変えた。
最高速度265km/h、0-100km/h加速5.7秒という、ライバルと目されたポルシェ911に勝るとも劣らないパフォーマンスと、フランス車らしい良好な乗り心地を併せ持つ個性的なスポーツカーとして評価を得たが、1995年に生産終了。その後、ミドシップに転換した新型A110が2017年に登場するまで、アルピーヌブランドは休眠状態となる。
[ガズー編集部]