【東京オートサロン2019】8年の歳月を費やして理想形の9割まで到達!新車レクサス1台分のカスタムフィーで仕上げた究極ミラ
エキゾチックカーからスポーツカー、旧車さらには軽自動車までありとあらゆるカスタム車両が集まる『東京オートサロン』。日本最大のカスタムカーショーであり、世界3大カスタムカーショーにも数えられるこの会場には、出展台数900台を超える車両がひしめき合い、メーカーやショップによる最新のスタイリングが披露される。そんな会場内にはデモカーばかりではなく個人オーナー所有の車両も数多く出展されているのだ。そんな個人所有のカスタムマシンの中でも、独特な存在感を発揮していたのがトオルさんの2000年型L700ミラである。
ダイハツが製造販売していた軽自動車『ミラ』。1980年から昨年まで38年もの間製造され、その時代によって様々なオーナーに愛されていたモデルだ。特に2代目のL70型からはTR-XXがラインアップされ、アルトワークスとともに軽カースポーツのブームを牽引していたほど。さらに5代目となるL700型ではクラシック風フォルムのミラジーノが投入され、新たにカスタムファンからの注目も集めた。
そんな中でもトオルさんが選んだL700は豊富なカスタムパーツが揃う人気のモデル。そのパーツの豊富さゆえにカスタムにも手を出しやすく、その深みにはまりこんでしまうキッカケとなってしまったというわけだ。
20代の頃はスポーツカーで走りを楽しんでいたものの、子育てが忙しくなる30代は趣味のクルマからは距離をおいていたトオルさん。子供も手がかからなくなった40代になると、好きなようにクルマいじりができるようになり、心機一転カスタムへと足を踏み入れていったという。
その時に購入したのが街乗り用のL500ミラだったのだが、そのモデルがあまりにもパーツが少なかったことから、1年ほどでL700に乗り換えを決意。車両の買い替えとともに、L500時代に溜まっていたフラストレーションは一気に爆発し、第一段階としてターボエンジンへの換装というハードメニューを敢行したという。
ハードなカスタムを行うとその分クルマへの愛着は深くなる。L700への愛情を一気にフルチャージしたことでさらなる高みを目指すようになり、各地のイベントに足を運ぶようになることで『自分のクルマに足りないもの』も考え始めるようになっていったそうだ。
もちろん足りないものはパーツとして用意されていることが多く、はじめのうちはそれらのカスタムパーツで満足を得ていたという。
しかし、徐々に市販されているパーツでは満足できなくなってしまうのはカスタム好きの性(さが)というもの。8年の間に自分の求める理想が見えてきたことから、ワンオフオーダーによるコーディネイトへとカスタムスタイルが変化していった。
特にバンパーをはじめとしたエクステリアは、ベースとなるエアロに他のエアロから部分的にパーツを組み合わせるワンオフメイクで造形。特徴的なラグトップはベバスト製のキットをベースに、ボディカラーに合わせたピンクのレザーを使用することで開放感とスタイリングの両立を図っている。
さらに前置きインタークーラーやオイルクーラーをセットして冷却性能を高めたエンジンにはNOSを追加。ノーマルで64psの最高出力は100psオーバーまで引き上げられている。
もちろんエンジンパワーは数値的な飾りではなく、実際に走って楽しめるように足まわりもしっかりとセットアップ。日常の通勤から各地のイベント遠征まで、気兼ねなく活用できるように仕上げられているのだ。
こうして現在では「購入時のまま残っているのはフレームとマニュアルミッションのみ」というから、その力の入れようは“ハンパない!”のひと言。これまでかけたコストも軽く新車のレクサスLSが買えるほどだという。
車両本体価格がリーズナブルで税金などランニングコストも安いという手軽さもあって、絶好のカスタムベースとして親しまれてきた軽自動車。トオルさんのミラはその小さなボディにもかかわらず東京オートサロン会場でも際立った存在感を発揮し、足を止めてカメラを向ける来場者も後を立たなかった。
(テキスト:渡辺大輔 写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
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