【動画】トヨタ・ハリアーG 試乗インプレッション 試乗編

「トヨタ・ハリアー」の新型に乗ると、どんな走りが味わえる? 2リッターガソリンエンジン搭載車のステアリングを握ったモータージャーナリスト竹岡 圭が、その印象をリポートする。

いまや「SUVじゃないと売れないんじゃないか?」と思われるくらい、さまざまなブランドからたくさんのSUVが登場していますよね。

サイズはもちろん、ガソリン車、ディーゼル車、電気自動車、プラグインハイブリッド車と、パワートレインもさまざま。運動性能の面でもオフロード寄りのもの、シティー派のもの、その中間のものなどいろいろ。デザインについても、最低地上高がしっかりと確保されている、いかにもオフローダー的な車種から、ワゴンをベースにホンの少し最低地上高を上げたモデル、クーペとSUVを融合させたクロスオーバー的なものまで……。こんなにバリエーションが広げられる分野になるとは思わなかったと、あらためて驚かされるほどの成長ぶりを見せています。

今回取り上げる「トヨタ・ハリアー」の初代が登場したのは1997年末のこと。走りだしたのは実質1998年だったでしょうか。それまで存在しなかった新ジャンルのクルマとして、世間を騒がせることになりました。「プレミアムSUV」という新カテゴリーをつくってしまったわけですからね。

SUVにあたるモデルはそれまで、“RV”とか“オフローダー”と呼ばれていたように記憶しています。トラックから派生したような、「このクルマでなら生き残れるか!?」的なクルマばかりだったはずです。荒れた路面をクリアできるように最低地上高が高くて、岩場を越えて行くことができれば、川を渡ることも可能で、砂漠でも困らない、汚れやキズが似合うタフなクルマ。アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークオーバーアングルで語られる世界ですよね。ボディーサイズこそ軽自動車からコンパクトカー、ヘビーデューティーな大型車までいろいろありましたけれど、どれも砂、泥、土、岩、森が似合うクルマで、壊れないことが第一条件! みたいな感じだったと思うんですよ。

でも冷静に考えてみれば、世界的にも「生き残れるか!?」的な使い方をすることはまれなわけで、それなのに流行(はや)ったということは、「デザイン的にカッコイイから……」というニーズなのでしょう。昭和の流行で例えるならば、かつての“丘サーファー”みたいなものでしょうかね。

そのニーズをうまく消化して、世界に先駆けて世の中に送り出したハリアーの先見の明……。今回、デビューから23年の時を経た新型に試乗して、それをしみじみと感じさせられました。

(文:モータージャーナリスト・竹岡 圭)

[ガズー編集部]

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