【動画】ランボルギーニ・カウンタック 25thアニバーサリー 試乗インプレッション 試乗編

強烈な存在感を放つ、往年の名車「ランボルギーニ・カウンタック 25thアニバーサリー」。その走りの魅力について、自動車ライター清水草一が動画でリポートする。

「カウンタック」というクルマは、実際運転するとどうなのか?

私が買ったのは、最終型の「25thアニバーサリー」だ。初期型の「LP400」は軽量かつ軽快だが、アニバーサリーは1680kgという重量級。カウンタックにもピンからキリまであるわけだが、わがアニバーサリーに関して言えば、「ペッタンコな超高性能ダンプカー」みたいなクルマである。

ダンプカーという例えは、重機のように重々しくパワフルに回るV12エンジンをはじめとして、クラッチ、アクセル、ブレーキ、ステアリング、ギア、すべての操作が激烈に重いことに由来している。

一例を挙げると、クラッチ踏力は、私の計測によれば約30kg。「トヨタ86」「スバルBRZ」が約10kgということなので、その3倍だ。古いクルマなので個体差もあるでしょうが、カウンタックの運転は、非常に体力を使う。運転すること自体が格闘である。

ただ、10年前に所有していたアニバーサリーで富士スピードウェイを走った時は、操縦性がいいことに感動した。V12エンジンをミドに置きつつ、トランスミッションを室内に突き出させることで、重量物は見事に車体中央に集められているし、重心も低い。操縦性に関しては、「テスタロッサ」に代表されるフェラーリの12気筒ミドシップ車より、はるかに理にかなっているのだ。

ただ、ブレーキはまったくダメだった。1680kgの車体を、15インチの小さなホイールの中の小さなローターで止めきれるはずがない。10年前のサーキット走行でも3~4周でブレーキがなくなった。

しかしまあ、そんな細かいことは、今はもうどうでもいい。カウンタックは存在がすべて。動かすだけでも難しく(特にバック)、動くだけで感動する。つまり、ただ普通に走るだけで、スーパーな体験ができるのだ。

カウンタックで走っていると、これが地上を走る乗り物の帝王であると感じる。すべての乗用車はもちろんのこと、あらゆる重機よりも、新幹線よりも、リニアモーターカーよりも、カウンタックの存在感は激烈なのである。

(文:自動車ライター・清水草一)

[ガズー編集部]

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