「三菱アウトランダーPHEV」を解説します 竹岡 圭

新型「三菱アウトランダー」のプラグインハイブリッドモデルに備わっている、特筆すべき機能とは? 同モデルに詳しいモータージャーナリスト竹岡 圭が、わかりやすく解説する。

もうね、ハッキリ言いましょう! 新型アウトランダーのPHEVは買いです! 本音を言うと、私だってお財布と駐車場に余裕があれば、買いたいくらいですもん。

というのも、三菱自動車には長年、超過酷な現場で培ってきた技術と実績とノウハウがあって。それをギュッと詰め込んでつくり上げたのが、新型アウトランダーPHEVだからなんです。

通称“パリダカ”と呼ばれたころのダカールラリーにおいて、「日本車で日本人ドライバーによる総合優勝」を成し遂げたのは、三菱の「パジェロ」でした。それから長年ダカールラリーに挑戦を続け、何度も勝ち抜いて……なんてお話は、もはやするまでもありませんよね。2007年には伴走のサービスカーだった「デリカD:5」も完走した、というエピソードもありました。このデリカD:5は実は先代アウトランダーがベースだったりするのですが……。おっとっと、話がそれかけました。今回はその話はちょっと脇に置いておきましょうね。

新型アウトランダーにはまず、そうやって三菱がパジェロで培ってきた「目的地に無事たどり着いて、生きて帰ってこられるか!?」というAWD技術がある。そしてもうひとつが、世界ラリー選手権(WRC)を制してきた「ランサーエボリューション」で鍛えた技術です。

WRCは舗装路(ターマック)のステージもあれば、未舗装路(グラベル)のステージもあります。アスファルト、コンクリート、泥、砂、雨、氷、雪、etc……と、あらゆるタイプの路面が待ち受けておりまして、しかもクルマがジャンプするくらいアップダウンしていたりと、メチャクチャハードなシーンの連続です。そこをぶっ飛んでいくわけですから、「どんな路面でも安定して速く駆け抜けられるAWD技術」が必要。三菱はそれを長年進化させたきたというわけなんですね。

この過酷なダカールラリーとWRCの現場で培ってきたそれぞれのAWD技術に、近年では「i-MiEV」で育んだEVの技術を組み合わせることになるのですが……。このモーターの出来がいいからって、「前後に積んで、AWDのSUVにしちゃえばいいのでは?」という発想力のすごさ。軽規格のi-MiEVとSUVのモーターを同軸で考えるって、なかなかできないことだと思います。

そんな自由な発想力を基に、それぞれの英知を結集させて生まれたのが先代のアウトランダーPHEV。今回の最新モデルでまた進化を遂げて、走りにはより一層磨きがかけられたのはもちろん、例えばガソリン満タンなら一般家庭の約12日分に相当する電力を賄えるとか、さらにその電力を住宅に供給できるとか、可能性も広がっています。もうこれ一台あればどこへでも行けるし、なんでもできちゃうじゃないですか。一家に一台あれば、これほど心強いクルマって、ほかに見当たらないと思います。いろんな意味で最強の一台。あぁ、欲しいなぁ~。

(文:モータージャーナリスト・竹岡 圭)

[GAZOO編集部]

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