トヨタ ヴォクシーの特徴は顔だけでない、清水草一がポイントをチェック

2022年1月の発売以来、世の注目を集めている新型「トヨタヴォクシー」。自動車ライター清水草一もこのクルマに興奮しているひとりだというのだが、一体どのような点が気になるのだろうか?

私は正直、ミニバンにはあまり興味がない。それは「個人的に所有する予定が皆無」という意味だが、新型ヴォクシーはちょっと違う! 買う予定はないけれど、興味津々だ!

なぜなら新型ヴォクシーの顔が、あまりにも強烈だから! 自分が買う可能性はゼロでも、売れ行き絶好調のヴォクシーにつき、ごく近い将来、街を歩いているだけで、いくらでも目に飛び込んでくるはず。無関心でいられるはずがない!

最初に写真で見た新型ヴォクシーの印象は「ホラー」でした。同じトヨタの「アルファード」や「ヤリス」ともまったく違うエグさを感じた。アルファードは「究極の威嚇」、ヤリスは「毒虫」。しかし、ヴォクシーは「ホラー」、つまり空想上の恐怖である。最も近いのはエイリアンでしょうか?

ところが実物のヴォクシーは、思ったほどホラーではありませんでした。写真だとグリル内の網目(?)が光り浮き上がっているように見えたけれど、実物はそうでもなく、ただ“真っ黒い大きな口”に見えたので。口(グリル)がデカいクルマには、もう目が慣れているから、全然問題なく受け入れられてしまいました。正直、もっとエグくしてもらいたかった! 怖いもの見たさが止まらない! これがホラー映画ファンの心理なんですね。

顔を除くと、ヴォクシーはひたすら誠実かつ、きめ細かにつくり込まれたミニバンです。それは装備に一番表れています。なかでも3つの「からくり構造」には大感心です。

左側スライドドアに付けられる「ユニバーサルステップ」は、スライドドアと(電動モーターなどを介さずに)連動させることで、わずか3万3000円で実現。これは安い! バックドアをどの角度でも止められる「フリーストップバックドア」も狭い駐車場ではとっても便利で、コロンブスの卵的! この2点、今回の試乗車には付いてなかったのですが、購入を検討されている方は要チェックです。

トドメは、3列目シートのワンタッチはね上げ機構だ。正真正銘のワンタッチではね上げて固定できるんだからビックリ! 装備でここまで感心させられるなんて、すごいクルマだぜヴォクシー!

(文:自動車ライター・清水草一)

[GAZOO編集部]

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