トヨタ ノア試乗 走り、乗り心地、操安性を竹岡圭がチェック

シートアレンジや収納といった使い勝手の良さだけでなく、ステアリングを握った際の運転感覚や後席の乗り心地も優れているのが、新型「ノア」の特徴。どのように“良い”のか、竹岡 圭がリポートする。

ミニバンに一番大切な性能、なんだと思いますか? 私は「どの席に座っても快適に過ごせること」。これだと思っています。

だってね、ミニバンを選ぶ一番の理由って、同じ空間で、大勢で、仲良く移動したいからですよね。となると、乗っているすべての人が快適に過ごせなければ、仲良く楽しく♪というわけにはいかないじゃないですか。そう考えると、最低限求められるのは、すべての席での乗り心地の良さとある程度の静粛性、過ごしやすいと感じられる空間の広さ、ということになります。

そしてもうひとつ大事なのが、同乗する大切な人たちを快適に移動させるための、運動性能の良さなんですよね。とはいえ、求められるのが絶対的な速さではないことは、おわかりいただけるでしょう。ドライバーの思ったとおりにクルマが動いてくれるかどうか、これが一番重要だと思います。

例えば、エンジンの出力特性とアクセルペダルの操作感覚にしても、スピードの維持や調整がしにくいクルマは、同乗者の前後の動きが大きくなってしまうし、ハンドルを切った時に思ったとおりに動いてくれないものは、ハンドルを切り遅れたり、切り増したりした結果、横方向や斜め方向の余計な動きが大きくなりがちです。

ドライバーは自分自身が運転しているので、この先にクルマがどう動くのか、あらかじめ把握できていますよね。なので、余計な体の揺すられ感って一番気になりにくいのですが、同乗者は自分でクルマを動かしているわけではないので、動きの方向やタイミングを予知できず、よりクルマが動いているように感じやすくなってしまいます。遊園地のアトラクションならこの予知できない感じが楽しいのかもしれませんが、クルマでの移動となるとそれはまったく逆。余分な動きはできるだけ少ないほうが、皆さん快適に過ごしていただけると思うのです。

そう考えるとミニバンの運動性能って、とっても大事なんですよね。そのうえでの使い勝手の良さ、シートアレンジン性の高さ、ポケットの豊富さ、etc……。そういうことになってくるんだと思います。

(文:モータージャーナリスト・竹岡 圭)

[GAZOO編集部]

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