【新型プリウス】スポーティーなデザインの内外装を森口将之が解説

フルモデルチェンジで驚くほどスタイリッシュなクルマへと生まれ変わった「トヨタプリウス」。外観の注目ポイントと、車内での印象について森口将之がリポートする。

2022年11月に、通算5代目となる新型プリウスを写真で見て最初に思ったのは、「使いにくくなってはいないだろうか」ということだった。でも結論から先に言ってしまえば、そんなことはなかった。

新型は先代より全高が40mmもダウンした。実は先代も、2代目や3代目より20mm低くなっていたので、2世代で一挙に60mmも低くなったことになる。近年のモデルチェンジで、寸法がこれほど激変するのは珍しい。

でも個人的には納得している。今はSUVがトレンドになっていて、ファミリーユースはそちらでカバーできるからだ。つまり、ハッチバックやセダンはパーソナルカー寄りにしてもいい。すでに「マツダ3ファストバック」がこの路線になっているけれど、新型プリウスもその流れに乗ってきたと判断している。

真横からのプロポーションは、ディテールではなくシルエットで見せているところに好感を抱いた。日本はクルマに限らず、細部にこだわるデザインが多い。きめ細かい民族性を反映したものだと思っているが、ヨーロッパでは「遠くから見て美しいかどうか」を大事にするという話を聞いたことがある。新型のスタイリングはヨーロッパ的といえるかもしれない。

逆にフロントとリアは、プリウスらしさより、今のトヨタらしさを強調していると思った。とりわけリアは、これまでのプリウスは縦長のリアコンビランプを伝統としてきたので、新型でもアイデンティティーとして縦長を受け継いでほしかったのだが。

心配していたパッケージングは、冒頭に記したように問題なし。ドアの開口部にこそ制約はあるものの、ホイールベースが50mm延びたおかげもあって、身長170cmの僕が後席に座ると、ひざの前には十分なスペースがあり、頭上にも手のひらが入るだけの空間は確保されている。

車内でも伝統と決別した部分はある。これまでインパネ中央奥にあった横長のデジタルメーターは、メーターとセンターディスプレイが分けられ、前者は電気自動車の「bZ4X」を思わせる造形になっているのだ。これは、トヨタの電動車としての統一感を強調する方針によるものかもしれないけれど、プリウスがトヨタの電動車を代表する存在から、数ある電動車のひとつという位置づけに変わりつつあることが伝わってきた。

(文:モータージャーナリスト・森口将之)

トヨタ プリウスに関する記事

他の試乗記情報はこちら