実にイマドキなホンダ シビックタイプR(竹岡圭)
シビック タイプRと聞くと「FF最速モデル!」とか「ニュルブルクリンクで記録更新!」とか、そんなフレーズが浮かぶ方も多いのではないでしょうか? 確かにこれまで、FF最速ハッチバックとして1、2を争う戦いをずっと繰り広げてきましたからね。2023年4月20日には、FF車としての過去最速ラップ(ホンダ調べ)となる7分44秒881を記録したことが発表されたばかりです。
シビック タイプRという名前を聞くと、基本3ドアのまぁるいホットハッチが最初に頭に浮かびますが、時代の変遷とともに、5ドアだったりセダンだったり、さまざまな変化を遂げてきました。
特に衝撃だったのが、先々代のシビック タイプR。見た目もそうですが、足まわりがビックリするほどハードで、フラットな路面のサーキットならいざ知らず、一般道だとまるでキツツキになったんじゃないか? と思うくらい、激しく頭を揺すられた覚えがあります。
実はそのとき、後席に人を乗せて、ほんの2~3kmの距離を一般道の流れに乗ってゆっくり走っていたのですけれど、途中で「駅まで行ってもらおうかと思ったけど、ちょっと寄り道していくから、そこで降ろしてくれる?」と言われてしまいました。後で伺ったところによると、後席の乗り心地がたまらなくハードで、歩くよりも疲れちゃうから降りたかったというのが本音だったそうです(笑)。
その次の世代のシビックは、乗り心地もずいぶんとしなやかになり、ワインディングロードを安定して速く走るには素晴らしいセッティングになっていて感動したのですが、今度はデザイン的にかなりハードでこれまたビックリ。
そしてその両方のバランスを上手に昇華させたのが今回の新型シビック タイプRという感じがします。全体的にインパクトが強すぎないところが、今の時代に合っている気がするんですよね。なんだかんだで派手めなリアスポイラーが装着されていたりしますが、これが運転席からミラー越しにはまったく気にならない絶妙な高さで設置されているんです。今回のビックリは、ここかもしれませんね。
乗り味は、タイプRという名前を裏切らない程度に、より大人びた感じで“しれっと速い”フィーリングでまとまっています。どんなシチュエーションでも乗れるタイプRの誕生というところも、実にイマドキです。
(文:モータージャーナリスト・竹岡 圭)
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竹岡圭さんがホンダ シビックタイプRの気になるところを教えてくれます。
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