12台入りBOXも発売予定!人気を博したカプセルトイ「1/64 サンバーコレクション」の魅力とは?

スバル・サンバーと言えば長年、RR(リヤエンジンレイアウト)に4輪独立サスペンションを採用し、そのメカニズムや走行性の良さから、同じRRのポルシェになぞらえて「農道のポルシェ」と呼ばれ、長く愛されてきた軽トラック/バン。2012年に6代目の生産を終了し、7代目からはダイハツ・ハイゼットのOEMモデルとなりましたが、その伝説は今も「おもちゃ」の世界で生き続けています。

プラモデルメーカーの青島文化教材社(アオシマ)は、今年の2月から6代目サンバーのカプセルトイ「1/64 サンバーコレクション」として展開。11月には12台入りミニカーBOX「1/64 サンバーコレクション(12個入BOX)」の発売を予定しています。そこで、アオシマの企画開発担当である佐野真里緒さん、平賀大貴さんに、商品化の狙いや製品の魅力を聞きました。

親しみやすいクルマだからこそのカプセルトイ化

軽トラックであるサンバーは、スポーツカーやスーパーカーなどと比べると、一見“パンチが弱そう”に思えます。しかし、普段、見慣れている馴染み深いクルマだからこそ、サンバーは商品化に向いているのだそうです。

「クルマのカプセルトイを作るときに弊社が大事にしていることは、“親しみやすさ”です。実は、以前にサンバーのプラモデルも作っており、それがとっても好評でした。その経緯もあり、“お仕事の相方”と呼ばれ愛されているサンバーを手のひらサイズで再現したかったのです」(佐野さん)

カプセルトイもBOXのミニカーも、1999年から2012年まで販売されていた6代目サンバーをモデル化したもの。長きにわたり愛された「親しみやすさ」を意識した車種として、これ以上ないものだったわけですね。

「作りがいい!」とSNSで話題に

親しみを重視した狙いが功を奏し、購入したユーザーがブログやSNSで情報を発信することで製品としての知名度も上がっていったそう。同時に、実車の雰囲気に近づけたアオシマの努力もユーザーに響き、さらに反響は大きくなっていきます。

「特に宣伝はしていなかったのですが、内装にもこだわりました。すると、ミニカー改造をするお客様から『内装もすごい!』とSNSで取り上げていただくなど、反響がありました」(佐野さん)

内装だけでなく、シャシー(下回り)もよく作り込まれており、「前輪に伸びるプロペラシャフトが再現されているから4WDだとわかる」といったコメントもユーザーからあったようです。

開発にあたって苦労した部分を聞くと、「荷台についている鳥居なども、細く再現しつつ折れないような構造にすることが大変でした」と佐野さんは教えてくれました。また、荷台の部分が「平」「段ボール付き」「シート付」と、3種類あることについては「小物で遊んでほしいという願いがありました」とのことです。

ミニカーBOXでは質感をアップ

カプセルトイ版のカラーバリエーションは5種類でしたが、11月に発売される「1/64 サンバーコレクション(12個入BOX)」は、6色☓2タイプの全12種。ダンボール4個もしくは荷台用シート1個が付属する内容となっています。このBOX版で特に注目したいのは、カラーリングへのこだわりです。

「カプセルトイでは、コストの関係で成型色(塗装していないプラスチックの色)でした。成型色でも色の再現は可能ですが、BOX版ではより実車に近いメタリック調のカラーを出すことで、カプセルトイとの差別化を図りました。実車に設定のないカラーも製作し、カラフルなラインナップになっています。色ごとにサンバーのさまざまな表情を楽しんでいただければと思います」(平賀さん)

サンバーといえば、発売50周年を記念して2011年7月26日に発売され、伝説的な人気を博した「WRブルー リミテッド」という特別仕様車があります。このカラーリング自体はカプセルトイのときにもラインナップされていましたが、今回のBOX版ではさらにメタリック感が増し、より実車に近い印象を受けました。

なお、「1/64 サンバーコレクション(12個入BOX)」が発売される11月には、カプセルトイで新たに「1/64ジムニー SJ30」の展開が予定されているそうです。ジムニーの中でも、1980年代に発売された「SJ30」をモデル化するところに、アオシマのこだわりが見えますね。

▼株式会社 青島文化教材社
住所:静岡市葵区流通センター12番3号
Webサイト:http://www.aoshima-bk.co.jp/

(取材・文:斎藤雅道 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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