トミカが生まれて50年!半世紀で変わったこと、変わらないこと
2020年に50周年を迎えた、トミカ。歴代の製品を見ていくと、新しくなるほどより精巧に作られていることがわかります。では、具体的にどんな部分が進化してきたのでしょうか。タカラトミーでトミカのマーケティングを担当する安 栄治さんに伺いました。
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トミカ マーケティング担当の安 栄治さん
変わったことその1:安全性の向上
トミカのターゲットは今も昔も変わらず、子どもたち。だからこそ、いつの時代も重視されるのが「安全性」です。例えば、トミカにはサイドミラーがついていません。これは、細かな部品が突き刺さったりしないよう、配慮されているから。また、素材も変化しています。
「安全面の進化のひとつとして、例えばウイングなどの出っ張っている部分が柔らかくなったことが挙げられます。かつてはダイキャスト製で固い部品が使われていましたが、今では手でギュッと握りしめたときでも曲がりやすい材質となっており、安全性が向上しています」(安さん)
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右)10年前、左)2018年発売商品。10年前はリアのウイング部もダイキャスト製になっているが、最近は柔らかい材質に変更。手で押すとしなる
たしかに、触ってみるとウイング部分が柔らかくなっていることがわかります。あわせて、日本玩具協会の安全基準にあわせた、細やかな安全性の向上も行われているそうです。
変わったことその2:印刷技術の向上
過去のトミカをみると、デザインはごくごくシンプル。でも、今のトミカは細かなロゴまで再現されています。この変化の裏には、印刷技術の向上がありました。
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米粒大のフェラーリエンブレム。細かいロゴがきれいに印刷されているのは、技術が向上したから
「この50年間で印刷技術が向上し、細かなディテールも再現できるようになりました。例えば、印刷したものの上に、再度デザインを重ねるといった方法は、1970年代にはありませんでした」(安さん)
ほかにも、マスク型を使用した、塗装する技術も向上し、クルマの細やかな塗分けにも対応できるようになっています。
「特に近年は凝った塗装になっていますね。メーカーさんのこだわりたい部分に応えるようにしています。ただ、細かすぎるとコストもあがるので、450円(税別)という手に取りやすい価格の中におさめるためのバランス感覚も大切にしながら開発しています」(安さん)
トミカは大人の嗜好品ではなく、子どもたちのためのもの。お小遣いで買える範囲で、どこまでこだわれるかを追求しているのですね。
変わらないこと:経年劣化しにくいダイキャスト製
モノとしてのクオリティが進化している反面、ずっと変わらないこともあります。それは、経年劣化しにくいダイキャスト製という点。50年前のトミカも、普通に保管していれば今もほとんどその形状を保っているものが多いはずです。
子どもが遊んで楽しいと思ってもらえるために、ドアが開いたり、ハシゴが伸びたりと、車種にあったアクションが楽しめるのも変わらない特徴です。今、新たに購入したトミカも、大切に保管すればさらに半世紀後、子どもたちに引き継ぐことができるんですね。
変わったこと番外編:「トミカビル」もパワーアップ
トミカと一緒に変化を続けてきたのが、トミカ発売翌年の1971年に登場した「トミカビル」。立体駐車場をイメージして作られており、初代のエレベーターは手動、スロープを走らせたり、給油ごっこができたりする仕様になっていました。でも、トミカ50周年となる2020年に登場した「トミカビル」は、大人もワクワクするほど豪華に!
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新しいトミカビルは50周年特別仕様
「ダブルアクショントミカビル」と名づけられ、今の時代に合わせてガソリンだけでなく、EVのスタンドも。大きく広げられる変形ギミックや、電動・手動切り替え可能なエレベーターなど機能が充実。よりトミカを使った遊び方が広がります。
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今の時代に合わせてEV充電も可能に。EV車のトミカと組み合わせて遊べる
トミカの最大駐車数は30台。家にあるトミカをずらり並べれば、圧巻です。プレゼントにも喜ばれそうですね。
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ずらりと並ぶトミカは圧巻! 上段に並ぶのは、現代の技術で蘇った初期のトミカの再発売モデル
ほかにも50周年限定商品も多数発売されています。最新商品と子どものころ買ったトミカを見比べて、技術の進歩を体験してみてください。
<関連リンク>
トミカ
https://www.takaratomy.co.jp/products/tomica/
トミカ 50th ANNIVERSARY|トミカ|タカラトミー
https://www.takaratomy.co.jp/products/tomica/sp/50th/
(取材・文・写真:ミノシマタカコ/編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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