デンソーが運転「採点アプリ」を開発。その先に見据えた想い
「yuriCargo(ゆりかご)」という名のアプリが登場しました。これは、デンソーが開発した運転をスコアリング(点数化)するアプリで、法人向けの提供を予定しているものです。“運転をスコアリング”とは、一体どういうことなのでしょうか?
どうしたら安全運転を意識してもらえるのか?
yuriCargoは、スマートフォンに搭載されたGPSや加速度センサーから、急ブレーキ、急ハンドル、急加速、速度超過、スマホ操作といった運転状況を判断し、各項目を点数化。運転状況の総合点を算出して、ドライバーのスコアを伝えてくれるもの。
ドライブ距離やスコアの改善回数、運転の振り返り率といった、ミッションが課されたりアプリ利用者でランキングを競ったりといった、ゲーム性も備わっています。運転中の操作は必要なく、鞄の中やドアポケットなどにスマートフォンを入れておくだけでOKです。
yuriCargoを発案したデンソー デジタルイノベーション室の黒田健史さんは、「交通事故の7割は安全運転義務違反で、個人の不注意が主な原因、というデータを見たのが開発のきっかけだった」と言います。
「自分の子どもが保育園に行くようになり、小さな子どもが巻き込まれる事故のニュースを意識するようになりました。事故原因の大半が不注意だと知ったときは、衝撃でしたね。それで、普段から安全運転を意識するためにはどんなことが必要だろうかと考え始めて、yuriCargoへとつながっていきました。現在は企業や法人団体を中心にアプリ利用の展開を考えています」(黒田さん)
黒田さんの発案をもとに、運転をスコアリングすることで「普段から安全運転を意識してもらおう」をテーマとして開発がスタート。当初は、車載機やナビにスコアリング機能を搭載する案もあったそうですが、最終的にスマートフォンアプリとする案が採用されました。
「新たに車載機やナビを開発すると、ユーザーに導入コストがかかってしまい、利用するハードルが上がってしまいます。より多くの人に気軽に使っていただくには、誰もが肌身離さず持ち歩いているスマートフォンがいいと思いました。また、スマートフォンアプリにすることで、ゲーム感覚でスコアを高めてもらうというのも狙いです。楽しみながらスコアを高めることは、楽しみながら安全運転を意識することにつながると考えています」(黒田さん)
実際にyuriCargoをスマートフォンで立ち上げると、月間のランキングが表示されたり、特定条件をクリアすることで取得できるメダルが存在したりしていて、「もっと高得点を狙いたい」と思うゲーム性の高いものとなっています。
実際にyuriCargoを使ってみた!
では、使ってみるとどうなのか? 約1週間にわたってyuriCargoを使用してみました。
yuriCargoのスコアリングは、営業車両に装着されているデジタルタコグラフのロジックをベースとしていて、同乗者に不快な振動(G)を与える運転をすると減点されていく方式。筆者の場合、幹線道路での信号待ちからの再発進時や、流れに乗るための加速時に「急加速」の減点を多く受けてしまいました……。
実際に使用してみると、「できるだけ減点のないように」と、いつも以上にG変化を起こさない運転を意識するように自然となっていることに気づきました。点数化によって、自分の運転を客観視できるのは、今までにない新鮮な体験です。幹線道路がなく、速度域が低い街中を中心とした短距離移動では100点を記録することもできましたが、最終的に平均85.3点という結果となりました。
データの蓄積を交通安全に生かしたい
yuriCargoが目指すところは、個々人の安全運転への意識を高めることだけにとどまりません。その先にある“データ化”も大きな目標のひとつです。
「どのようなシチュエーションで減点が多いのかといったデータを蓄積させることで、危険な箇所をデータ化したいと考えています。現在は、その第一段階として法人様向けにサービス目指している段階ですが、いずれは一般のユーザーさんにもご利用いただきたいと思っています。yuriCargoをベースに交通安全に貢献することがビジョンです。」(同室、石田晋哉さん)
まだまだyuriCargoは成長途中。これからどんなアプリに進化して、私たちの交通安全に役立っていくのでしょうか。法人向けだけでなく、一般向けのリリースが待ち遠しいですね。
▼yuriCargoに関するお問合せ先
https://www.yuricargo.com/
(取材・文:西川昇吾/写真:株式会社デンソー、西川昇吾/編集:木谷宗義 type-e+ノオト)
[ガズー編集部]
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