「バンライフ・ステーション」は車中泊を長期でできる“住める駐車場”

新たなライフスタイルとして注目を集めている「バンライフ」は、キャンピングカーなどで車中泊をし、特定の住居に留まらず、あらゆる場所へ移動しながら生活するというスタイル。2021年2月から始まった「バンライフ・ステーション」は、こうしたバンライファーに向けた「住める駐車場」を提供するサービスです。

車内+水回り=バンライフ・ステーション

バンライフ・ステーションは、車中泊スポットのシェアサービスやキャンピングカーのカーシェアサービスを展開しているCarstay株式会社が、新たに開始したサービス。

利用者は、シェアハウスや民宿などバンライフ・ステーションとして登録されている敷地内の駐車場に自身のクルマを“動く部屋”として停め、その敷地内にあるトイレやシャワー、キッチンといった水回りなどを自由に、場所によってはリビングやワークスペースなどを使用することができます。

自分のクルマを就寝などのプライベートスペースとして利用し、それ以外の生活に必要となる共有スペースを利用できる、自身の部屋を一軒家に持ち込み拡張するというイメージです。

  • バンライフ・ステーションには3台の“動く部屋”が停まっていることも

利用期間は2週間からの長期利用のみとなっていることや、生活に必要となる快適な空間や設備を利用できることが、オートキャンプ場などとの違いで、料金は1カ月あたり約2万円が相場。これに加え、場所によっては光熱費などが実費としてかかります。2021年2月15日現在、全国13カ所に展開。

バンライファーは不便を強いられていた

各地に水回りや電源が使えるオートキャンプ場は沢山ありますし、Carstayでは「カーステイ」という1~2泊程度の短期利用向けの車中泊スポットを提供するサービスを提供しています。そんな中、新たにバンライフ・ステーションを始めたのには、どんな理由があったのでしょうか?

バンライフと能登での田舎暮らしを堪能しながら生活するというCarstay広報の中川生馬さんにお話を聞きました。

「車中泊ユーザー向けのサービスを展開する中で、長期間バンライフをする本格的なバンライファーが増加傾向にあると実感していました。日本のインフラは豊かで、綺麗で充実した施設ばかり。また、治安もいいですし、絶景スポットもたくさんあります。しかし、短期間のアウトドアや旅を目的とした施設はこれまでも多くありましたが、長期にわたって家のように快適空間を利用できる車中泊スポットはありませんでした」(中川さん)

  • 自宅を売却しキャンピングカーに“住む”本格バンライファー秋葉さん夫婦は3カ月間、能登のバンライフ・ステーションに滞在した

「バンライファーは、常に『今夜はどこで車中泊しようか』『今日はどこの温泉に入ろうか』『どこでバッテリーを充電しようか』『どこで長時間仕事をしようか』と、日々“転々”とし、場所を“探す”という悩みを抱えています。私自身、バックパッカーでありバンライファーでもあるので、この悩みはよくわかりました。せっかくバンライフという新たなライフスタイルは生まれたにもかかわらず、これでは“バンライフ疲れ”してしまう人がでてきてしまいます。一時的でも、長期間でも、時間を気にせず、滞在できる“癒しの車中泊スポット”が各地に必要なのです」(中川さん)

こうした背景から、バンライファーの快適な生活をサポートするサービス実現を目指して、2019年12月に石川県穴水町で最初の“住める駐車場”バンライフ・ステーションをオープンしたそうです。実際にサービスを開始すると、多くのバンライファーから反響の声が寄せられたと言います。

「バンライファーからは、家の共有スペースや水回りが自由に使える点はもちろん、長期滞在が可能である点を評価していただいています。心置きなく長期利用できる場所が求められていることを認識するきっかけとなりました」(中川さん)

また、サービスを開始すると、バンライフ・ステーションの使い方や、バンライファーの暮らし方がさまざまで、改めてバンライフの広さを知るきっかけになったとも言います。

「自宅に帰らず、年間のほとんどを車中泊で過ごすというバンライファーもいますが、リモートワークで一定期間、自然が多い環境で仕事をしたいという方や、全国各地のさまざまな現場を飛び回る大工さんなど、ひとくちにバンライファーといっても、実に多彩であることがわかりました」(中川さん)

バンライフ・ステーションは「増やさなければいけない」

「現在は全国13カ所に設置していますが、まだまだ多くのバンライファーが、各地にバンライフ・ステーションを求めていると実感しています。また、最近ではバンライフを始めたばかりの若い人や仕事で全国を回るようなバンライファーも増えていて、インフラ次第でバンライフが新たな生活スタイルとして定着すると考えています。これから増えてくるバンライファーのためにも、ステーションはまだまだ増やさなければいけないと感じています」(中川さん)

ありそうでなかった新しいコンセプトで生まれた“住める駐車場”バンライフ・ステーション。テレワークやワーケーションが当たり前になっていくと、本格的にニーズが生まれてくるのはこれからなのかもしれません。

(取材・文・写真:西川昇吾/写真:Carstay株式会社/編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

コラムトップ

注目キーワード

#86#BRZ#GRヤリス