アメリカではどんなクルマが売れているの? 日本とはまったく違う新車販売ランキング2020

10年ほど前まで、世界最大の自動車マーケットとして君臨していたアメリカ合衆国。たくさんのクルマが販売され、世界の自動車文化に影響を与える地域であることは、中国にトップを譲り世界2番手となった今でも変わりはありません。

そのアメリカ国内の新車販売台数は、日本の約3倍となる1450万台。果たして、どんな車種が人気なのでしょうか? ランキング上位10台をカウントダウンでチェックしてみましょう。

10位:トヨタのピックアップトラック「タコマ」

  • トヨタ・タコマは23万8806台を販売(写真:トヨタ自動車)

10位はトヨタの「タコマ」。車名を聞いてすぐにイメージできる人は少ないかもしれません。北米で展開しているピックアップトラックだからです。トヨタのピックアップトラックというと、日本でも販売している「ハイラックス」を連想しがちですが、タコマはそれよりもひとまわり大きく、全長は5.4~5.7m!

しかし、驚くことにアメリカのトヨタのラインナップではこのタコマですら“最大のトラック”ではありません。全長5.8~6.3mとさらに大きなピックアップトラックの「タンドラ」もあります。このサイズ感がまさにアメリカン。

9位:こちらもピックアップトラックの「シエラ」

  • ピックアップトラックはトレーラーを引っ張るのにも大活躍(写真:GM)

「GMC」はトラックやSUVを展開するGM(ゼネラルモータースのブランド。9位にランクインした「シエラ」は、そのピックアップトラックです。全長5.8mとサイズは大柄。25万3016台を販売しました。
アメリカでは、10位と9位に続けてランクインするほど、ピックアップトラックが売れているのです。

8位:ホンダ「シビック」セダン&ハッチバック

  • 老弱男女問わず幅広いユーザーから人気があるシビック(写真:本田技研工業)

ホンダシビック」も、アメリカで大人気。1973年から現地販売され、根強いファンがいるロングセラーカーです。ボディタイプは日本で売っているハッチバックやかつて販売していたセダンのほか、アメリカ専用モデルとしてクーペも用意。多くの人に支持されています。2020年は26万1225台を販売。

7位:アメリカといえばSUV!シボレー「エクイノックス」

  • アメリカンSUVだけど車体サイズは大きすぎないエクイノックス(写真:GM)

アメリカといえば、SUVの国。もちろん、ランキングトップ10にも多くのSUVが含まれています。昨年、27万994台を販売したシボレー「エクイノックス」は、全長4.65mと、日本車でいえばトヨタ「RAV4」と同じぐらいのサイズのクルマ。

2017年から販売されている現行モデルは排気量1.5Lの4気筒ターボと、意外に小さなエンジンを搭載する仕様も設定。今やアメリカのSUVだからといって、大きな車体に大きなエンジンばかりとは限らないのです。

6位:セダンの最上位は「カムリ」

  • アメリカでは、一般的にセダンにはスポーティな雰囲気が求められる(写真:トヨタ自動車)

アメリカでも「セダン離れ」といわれていますが、6位にセダンがランクイン。29万4348台を販売した、トヨタ「カムリ」です。日本でも販売している車種ですが、日本向けは排気量2.5Lの直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドだけの展開なのに対し、北米では排気量3.5LのV型6気筒エンジンを積むモデルも用意。理由はもちろん、アメリカでは大排気量ガソリンエンジンに根強い人気があるからです。

5位:こちらも日本でおなじみホンダ「CR-V」

  • アメリカではスポーティな雰囲気を強めたデザインの仕様も用意するCR-V(写真:本田技研工業)

日本でも販売しているホンダのSUV「CR-V」は、アメリカで5位に入る大人気モデル。2020年には、33万3502台を販売しました。北米では当初はガソリンエンジンだけの設定でしたが、マイナーチェンジを受けた2020年春から、日本と同様にハイブリッドも選べるようになっています。

4位:「RAV4」がアメリカでもっとも売れたSUVに

  • トヨタRAV4は世界各地で販売され、グローバルでは年間約100万台を販売する(写真:トヨタ自動車)

新車販売ランキングでは4位ですが、43万387台を販売してSUV販売のトップに輝いたのがRAV4。日本でも人気のSUVですが、アメリカでも大きな支持を得ています。パワートレインはガソリンエンジンとハイブリッド&プラグインハイブリッドで、ガソリンエンジンは排気量2500ccと排気量が大きいのが日本向けとの違いです。

実は、このRAV4が2020年のアメリカ合衆国におけるSUVのトップセラーであると同時に、もっとも売れた乗用車でもあります。また3位、2位、そして1位が残っているのに4位のクルマが“もっとも売れた乗用車”なんてちょっと不思議ですよね。その理由は、なんともアメリカらしいのです。

3位、2位、そして1位は、あのジャンル!

それでは、3位から2位、そして1位と続けて発表しましょう。

3位: RAM「ピックアップ」
2位:シボレー「シルバラード」
1位:フォード「Fシリーズ」

いずれも日本では正規販売していない車種なので、どんなクルマなのかイメージが浮かばないかもしれません。実は、いずれも同じタイプのクルマ。ピックアップトラックなのです。

  • 3位のRAMピックアップ。全長6mに迫る大きな車体はトップ3台に共通(写真:ステランティス)

  • 力強い顔つきが特徴のシルバラード(写真:GM)

  • 2020年にアメリカで販売台数トップとなったF-150(写真:フォードモーター)

上位3台がトラックというだけでも驚きですが、さらにスゴいのが販売台数。3位のRAMピックアップは56万3676台、2位のシルバラードは58万6675台、そしてトップのFシリーズは78万7422台も売れたのです。4位で乗用車トップのRAV4は43万87台でしたから、Fシリーズはその2倍弱も売れたということ。その販売規模に驚くしかありません。

ちなみに、日本で2020年にもっとも売れた乗用車は、軽自動車のホンダ「N-BOX」で19万5984台。アメリカでは、トラックがその4倍も売れているというわけ。国の人口が違うとはいえ、アメリカでのピックアップトラック人気はすごいですね。まさに、“ところ変われば品変わる”です。

2020年の新車販売ランキングから見えてくるもの

  • アメリカでのピックアップトラック人気はゆるぎない(写真:フォードモーター)

こうしてアメリカの新車販売台数ランキングを見て実感するのは、「セダン離れ」が進んでいるとはいえ、それらもまだまだ多く売れているということです。また、かつて人気ジャンルだったミニバンは、今ではすっかりマイナーな存在となってしまったことも、ランキングから見えてきます。ミニバン自体はいくつかのメーカーから発売されているものの、最高位は12万2648台を販売した「グランドキャラバン」の37位です。

一方で主流になっているのが、SUV。トップ10のうち7位と5位、そして4位に入っているのですから、勢いがありますね。そんなSUVも、日本人のイメージからすると意外なのがサイズ感。ランクインしているモデルは、いずれも車体全長が4.6m程度と、日本でも「ミドル」といわれるサイズです。

「アメリカのSUV」と聞くと大きな車体のモデルをイメージしがちですが、意外にも実際に売れているのは大きすぎないモデルであることがわかります。そして、なにより驚くのは、やはりピックアップトラック人気でしょう。乗用車よりもトラックのほうが人気車種になるなんて、日本の常識からすると考えづらいですが、それがアメリカなのです。

(文・写真:工藤貴宏/写真:トヨタ自動車、GM、本田技研工業、ステランティス、フォードモーター /編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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