スーパーカー好きにはたまらない空間! supercar × café Ficata
北海道札幌市、市民に親しまれる藻岩山の裾野近くに、美しく磨き上げられたスーパーカーが常時展示されているカフェがあります。「supercar × café Ficata(フィカータ)」は、クルマ好きにはもちろん、女性にも人気のカフェ。「supercar × café Ficata」のオーナーであり、有限会社恒志堂・代表の佐藤元春さんにお話を聞きました。
スーパーカーの魅力を独り占めせず多くの人と分かち合うために
――こちらのカフェを始めようと思ったきっかけは?
もともとスーパーカーが大好きで趣味で集めていたのですが、もっと多くの方に見て触れてもらいたいと思い、始めました。これまで、スーパーカーの所有者で、ご自分のクルマを他の人に見せたり、触れさせたりという方は少なかったんですね。東京モーターショーなどでもよくスーパーカーが展示されていると思うのですが、運転席に座ってみるために1~2時間並んで待つのがざらです。それならば、クルマ好きな人が気軽にスーパーカーに触れられる場所をつくって喜んでもらいたいと考えました。
もう一つの大きな理由は、自分のモチベーションアップのためです。実は、こちらには弊社の本社事務所もありまして、事務所や応接室からもカフェからと同じようにガレージのクルマたちが見えます。自宅に帰ってもなかなか趣味に没頭する時間を取れるわけではない。でも、毎日8時間くらいは仕事をしていますよね。それであれば、職場に好きなクルマがあった方が、刺激をもらえますから。ガレージハウスならぬガレージオフィスという形ですね。Garage Life(ガレージライフ)というガレージに特化した雑誌の表紙・特集で取り上げられたこともあります。
この建物の2階から上は賃貸マンションになっているのですが、ガレージ、カフェ、オフィスそして、マンションを一緒にすることで、来てくれるお客さんや入居者の皆さんにも喜ばれ、自分も気分よく仕事ができるようになりました。
クルマの名前をつけたメニューや実際にクルマに触れてもらえるイベントも
――こちらはオープンして何年目になるのですか?
2013年10月にオープンしていますので、7年と半年ほどになりますね。
――クルマは入れ替えになるのですか?
常に7台展示していますが、全部で40数台のクルマを所有していますので、夏場には随時入れ替えをして、いろいろなクルマを見ていただけるようにしています。ここは本来4~5台を展示するスペースなのです。でも、少しでもたくさんのクルマを見てほしくて、びっしり置いています。
――カフェの中からクルマが見られるわけですが、クルマの近くに行って撮影したり、運転席に座ってみたりはできますか?
ガレージを開けて、クルマに直に触れてもらえるイベントは不定期に行っていますね。それから、地方創生にも力を入れているので、北海道内のイベントやお祭りなどには声がかかれば、積極的に参加しています。カフェとしての出店とともにクルマを持っていきます。これまで、北見市、士別市、余市町、小樽市などあちらこちらに行っています。今も、スケジュールさえ合えばできるだけ行きますよ。
――お客さまは、やはり男性が多いのですか?
そうとも限らないのです。クルマを目的にいらっしゃるのは男性が多いですが、カフェとしても地域に定着してきていますので、女性や年配のお客さまがドリンクやランチを目的に来てくださいます。男女の比率でいくと、6:4くらいでしょうか。
――佐藤さんおすすめのメニューは?
私は個人的にフレッシュスムージーが好きなので、ブルーベリーやラズベリーを使ったオリジナルのスムージーはおすすめです。それぞれクルマの名前がついているのですよ。
幼い頃の夢を現実に。そして、今の子どもたちにも夢を
――クルマは小さい頃から好きだったのですか?
小学校入学前からミニカー集めが大好きで、当時から、スポーツカーやスーパーカーを中心に集めていました。ちょうどスーパーカーブームのギリギリ最後の方の世代でして。本物を見ることはなかなかできなかったので、スーパーカー図鑑などを真剣に見ていましたね。そして、たまにデパートの屋上などにスーパーカーの展示会がやってくると、喜び勇んで見に行きました。その頃から、いつかは自分もスーパーカーのオーナーになって乗ってみたいと憧れを持っていました。
でも、さすがに高校生・大学生になってくると、その夢にあきらめが出てきました。どうしても現実が見えてきますから。その後はサラリーマンとして8年ほど勤めていましたが、やはり、あきらめきれなかったんです。そこで、スーパーカーを手に入れるには、まずは資産を築かなければならないと考え、自分でビジネスをおこし、仕事に集中するようになりました。
――ちなみに、今、展示しているクルマはどのくらいの価格なのですか?
だいたい4,000~5,000万円くらいですね。マクラーレンセナが1億1,000万円。
――おお! それほどクルマをたくさん所有できるくらい頑張ったということですね。一番お気に入りのクルマは?
よく聞かれるのですが、全部が一番です。私はクルマの造り手を尊重しているので、優劣はつけたくない。全部好きだからこそいろいろなタイプのクルマを集めているわけです。
――子どもの頃の夢が実現しているのですね?
そうですね。カフェの反対側はマンションのエントランスになっているのですが、実はガレージを臨む窓は、床から90cmから120cmの高さで開けてあります。これはちょうど、小学生がジャンプしたり背伸びしたりしなくてもガレージの中のクルマが見られる高さなのです。大人が見るには低い位置ですが、まずは小学生の子どもたちに喜んでもらいたいという思いで作りました。友達を連れてきて自慢するかのように一緒に見ている姿を見かけるとうれしく思います。
――その中から自分もこんなクルマに乗ってみたいという子が現れるかもしれませんね。
「自分もこのクルマを買いたい!」と本気で思って、将来ものすごい活躍をする人間になってくれるかもしれない。そういう意味でも、気軽に本物に触れられる場をつくり続けたいと思っています。
素晴らしい名車の数々と子どもの頃の憧れを着実に実現してきた佐藤さんの力強さに圧倒されました。これだけのクルマが常時そろっている場所はなかなかなく、カフェには全国からクルマ好きが訪れるそうです。札幌に来た際はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
<取材協力>
supercar × café Ficata
https://ficata.jp/
https://koshido.co.jp/
(取材・文・写真:わたなべひろみ/編集:奥村みよ+ノオト)
[ガズー編集部]
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