新車の輝きを取り戻そう!シュアラスターのエバンジェリストに教わるボディケアのしかた
購入したころはピカピカに輝いていたクルマも、長く乗っていれば輝きは鈍くなり、ツルツル感も失われます。私たちが自分の手で、輝くボディを復活させることはできるのでしょうか? 全国で洗車講習会を開催する、カーケア用品メーカーのシュアラスターにお話をうかがいました。
歴史と品質を認められた カーワックスを始めとするカーケアメーカー
まずはシュアラスターというメーカーについて。1947年にアメリカのカリフォルニア州で、植物由来の天然素材「カルナバ蝋(ろう)」を主成分とするカーワックスの製造を開始し、1949年より「シュアラスター」の名称で本格的な販売を始めます。企業としての設立は1955年。カルナバ蝋ワックスの品質が高く評価され、一時期は80%ものシェアを達成したとか。
日本での展開は1970年代に入ってから。現在は四輪、二輪(バイク・自転車)用のコーティング、ワックス、シャンプーなどの洗車用品や、ガソリンとオイルの添加剤を販売しています。
そんな中、「愛車をケアする方法が分からない」というオーナーに向けた洗車講習「カーウォッシュマイスター」を全国で開催。東京都品川区にある都内最大級のセルフ洗車場「カーウォッシュ大井」では、毎週木・金・土曜に無料洗車相談会を行っています。洗車講座では洗車に精通した講師(エバンジェリスト)から、「愛車を長く、きれいに維持するための方法」を学ぶことができます。
新車時の輝きを取り戻すことは……可能です!
率直に「新車時の輝きは取り戻せますか?」とうかがったところ、「可能です!」との頼もしい返答をいただきました。ケアには気を付けるポイントがあり、これをおさえながら洗車、鉄粉除去、汚れ除去、仕上げを行うことで、見違えるほど美しくなるそうです。では、具体的なポイントを見ていきましょう。
ボディの輝きを奪い、ツルツル感を損なう原因は、大気中のチリやホコリ、花粉の付着、鉄粉の付着、水アカなどが考えられるそうです。
「チリ、ホコリ、花粉は常に大気中に舞っています。そこに雨が降ってボディにくっつき、乾いて固着。これが繰り返されるイメージです。さらに、クルマを走らせれば、排ガスなどの油汚れもボディに付着します。それがチリやホコリを覆い、より強固な汚れに……。また、ブレーキダストなどの鉄粉がボディに付着することで、塗装面の平滑化が保てなくなるため、輝きを失うことが考えられます」(シュアラスター)
手洗いで洗車をしたことがある人ならば、ボディに固着してしまった汚れや水アカ、鉄粉がなかなか落ちないのを経験しているでしょう。これらを除去するには、“順を追って処理すること”が大切なのだそう。
ケアの手順は5ステップ
チリや花粉、鉄粉、水アカといった汚れは、一度に除去するのではなく、各工程に分けて洗い、除去します。進めるべき手順は、以下の5ステップになります。
ステップ①水洗い
除去する汚れ:チリ、埃、花粉
↓
ステップ②シャンプー
除去する汚れ:水洗いで落ちなかったチリ、埃、花粉と油汚れ
シャンプーでは、ボディ表面の汚れを泡で洗い流します。水だけで行うと、砂などでボディに傷をつけてしまうので、必ず泡立ちのいいシャンプーを使用しましょう。
↓
ステップ③ネンドクリーナー
除去する汚れ:鉄粉
専用のネンドを使って鉄粉を除去することで、鉄粉の酸化によるくすみや錆を防ぎます。
↓
ステップ④クリーナー
除去する汚れ:ここまでの工程で落ちなかった汚れや水アカの除去と小傷のケア
シャンプーでは落ちなかった水アカなどの頑固な汚れや、ドアノブに残った爪傷はクリーナーで落とします。③、④のステップで鉄粉や水アカを落としてボディ表面を平滑化すると、ステップ⑤の仕上げでボディの艶が見違えるほど変わります。
↓
ステップ⑤コーティングやワックスで塗装面を保護
せっかくキレイになったボディも、そのままではすぐに汚れが付着してしまいます。コーティングやワックスで保護することで艶と輝きが増し、きれいな状態を長く維持することができます。
「ケアに力は必要ありません。各ステップで落とす汚れが違うので、順を追って行うことをおすすめします(シュアラスター)」
ケア(洗車)を行うには、適した気象条件や場所があります。冬場ならばボディ表面が凍らないよう気温の変化が少なく暖かい日、夏場ならば炎天下でボディが熱されない早朝や夕方、あるいは直射日光から逃れられる場所になります。可能であれば「風のない曇りの日」が一番おすすすめです。
それでは、先程の手順をもとに、具体的なケア方法をご紹介します。
●ステップ①水洗い
まずはたっぷりの水で、ボディに付着している砂やホコリを洗い流します。水洗いはボディの温度を下げる役割もあります。ボディの上から下へと流すよう、入念に行ないましょう。砂やホコリが残っていると、次のステップでボディに傷を作る要因となります。
●ステップ②シャンプー
シャンプーはクリーミーな泡で洗うのがポイントです。希釈タイプは先にシャンプーをバケツに入れてから、シャワーで水を勢いよく入れると泡立ちがよくなります。
泡で汚れを浮かび上がらせながら、上から下へと優しくボディを洗います。力を入れてこするとボディにキズをつけてしまうので注意。ここで落ちない汚れは、あとのステップで落とします。無理に落とそうとせず、なでるような力加減で洗いましょう。なお、再度バケツからシャンプー液を取るときは、スポンジに含んだ汚れをバケツの外に絞ってから行います。
洗い終わったら、ホースでシャンプー液をすすぎ流します。残ったシャンプー液はシミの原因になります。継ぎ目やくぼみといった細部は勢いよく水をあて、しっかりと流しましょう。シャンプー液を流し終わったら、クロスで水滴を拭き上げます。残った水滴が乾くとイオンデポジット(ミネラルなど、水の中の不純物が残って固着する現象)の原因になりますので、拭き残しのないように。
●ステップ③ネンドクリーナー
手ひらや鉄粉確認用のフィルムでボディをなでて、ザラザラとした感触があれば鉄粉が残っている証拠です。鉄粉を除去するには「ネンドクリーナー」を使用します。新品のネンドクリーナーは固く、そのままでは使用に適しません。よくこねて柔らかくし、厚みを1cm程度にして使用します。ネンドが固い場合はぬるま湯につけると柔らかくなります。
常に専用の潤滑剤、あるいは水でボディを濡らしながら、優しくなでるように鉄粉を除去します。30cm四方を目安に縦横交互に施工したら、ネンドクリーナーに付着した鉄粉でキズを付けてしまわないよう、ボディに接していた面を内側に練り込みます。ネンドクリーナーによる作業が終わっても、ボディ表面には浮いた鉄粉が残っているので、これを水で洗い流せば、鉄粉の除去が完了です。
●ステップ④クリーナー
クリーナーは洗浄成分が研磨剤か洗浄溶剤か、また研磨力の強さによって多くの種類があります。愛車にコーティングを施している場合、コーティングに対応したクリーナーを選びます。くわえてボディの塗装色(ホワイトなどの淡色系やブラックなどの濃色系)によっても対応するクリーナーは異なるので、説明書をよく読んでから購入しましょう。
力を入れすぎると傷をつけてしまうので、適度な力で磨きましょう。ルーフ、ボンネット、フェンダーといった具合に、パネルごとに施行すると磨き忘れを防ぐことができます。ひとつのパネルを磨き終わったら、クリーナーが乾く前に拭き残しのないように、クロスで拭き取ります。ムラがないか確認を行ないながら拭き取ると、より良い仕上がりになります。
●ステップ⑤コーティングやワックスで塗装面を保護
キレイになったボディを保護し、艶(つや)を出すコーティングとワックス。コーティングは短時間で施行でき、ワックスは手間を必要としますが、より深みのある艶を出すことができます。
コーティングは配合されている成分によって「親水」と「撥水」があります。親水コーティングは雨による水滴を流れやすくし、撥水コーティングは雨による水滴を水玉にして落とします。コーティングは洗車後のボディにコーティングをスプレーして、拭き上げるだけで施行できるという手軽さも特徴です。
ワックスは一般的に、「固形」「半練り(乳化)」「液体」という3つのタイプ(性状)があります。固形ワックスは艶と保護力に優れ、半練りワックスは塗り込みや拭き取りが比較的楽にでき、研磨剤が含まれているので汚れや浅い傷などを取り除くという効果が期待できます。液体ワックスはスプレーして拭き上げるだけという手軽さが、それぞれの特徴。固形ワックスの場合、スポンジに着けたワックスを薄く、均一にボディに塗布し、ワックスが乾きはじめたらクロスで拭き上げるといった手順で施行します。
ボディの輝きやツルツル感を維持するためには
せっかく新車の時の輝きとツルツル感の戻ったボディ。このコンディションを長く維持するには、汚れの固着が弱いうちに再度、ケアを行うこと。しつこい汚れが少なければ手間は少なく、かかる時間も短く済みます。汚れの付着具合によって変わりますが、およそ1カ月に一度が目安となります。
先に記したシュアラスターの洗車講座では、ボディのケアや洗車に関して無料で質問を受け付けています。「クルマが古く塗装が弱いので、その場合のケアの仕方が知りたい」といった特別な悩みを抱えているのなら、洗車講座に参加し、エバンジェリストに聞いてみてはいかがでしょう。
<関連リンク>
シュアラスター
(文:糸井賢一/協力・画像:シュアラスター/編集:木谷宗義type-e+ノオト)
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