炎天下にも負けない熱き愛車愛! トヨタの愛車ミーティング潜入取材 Part2

  • トヨタ翔の会主催愛車ミーティング@トヨタ博物館

愛知県長久手市にあるトヨタ博物館で行われた、トヨタ自動車の社内公認団体「翔の会」による初の愛車ミーティングイベント。トヨタ関係者のミーティングながら、半数はトヨタ車以外の愛車が参加。

オーナーそれぞれが愛車への思い入れがたっぷりで、イベント中に行われた全車を1台ずつ紹介していく企画では、オーナーの話が止まらず、お決まりの「時間が足りないから後半は巻きで」という状況も。

熱中症になってもおかしくないほどの炎天下にもかかわらず、それぞれの愛車について楽しそうに語るほど、オーナーのみなさんのクルマ好きさがあふれるオフミーティングとなった。

前回のエッセ、86、スープラ、MR2、ロータスエリーゼに続き、3台の愛車とオーナーをご紹介しよう。

スバル・BRZ

  • スバル・BRZ

トヨタ自動車に入社して3年目というゆうさん。小学生の頃に見ていたWRCに参戦するスバルに憧れ、本当はWRXが欲しかったそうだが予算的に厳しかったことと、コンパクトなFRスポーツカーに魅力を感じ、ゆうさんが大学生の時にBRZを購入。

このクルマ、実は最初は家族のクルマとして購入したという。クルマをよく運転するお母さんがマニュアル車しか運転したことがなく、オートマ車は怖いということで、当然のようにMT車が選ばれた。そしてゆうさんが就職するのにあわせて、BRZも一緒に愛知県に来たのだという。

「スバリスト」ということで当然のようにWRブルーパールをチョイスしたBRZ(Sグレード)には、こだわりのカスタムも。
ホイールはこちらもWRCのイメージからOZをチョイス。その奥に見えるブレンボのブレーキシステムはGDB型インプレッサWRXのものを流用している。
足回りにはザックス+STIスプリングのサスキットをインストールし、2017年に購入した後に発売となった「STI Sport」を目指しカスタムも進めているという。

そんなBRZでオートランド作手やモーターランド三河など愛知県のショートサーキットでの走行も楽しんでいるゆうさんだが、今後はより大きなサーキットでの走行もチャレンジしていきたいと意気込みを語ってくれた。

  • スバル・BRZの左フロント
  • スバル・BRZの右リアビュー

三菱・ランサーエボリューションⅨ

  • 三菱。ランサーエボリューションⅨ

見るからにレース仕様にカスタムされたこちらのランエボⅨのオーナー緒方和良さんは、全日本ジムカーナ選手権でも活躍した選手で、2016年にはより改造範囲も排気量も大きなSA-3クラスでシリーズ5位に入り、年末に行われるJAFの表彰式に参加したこともあるという。

また2018年のニュルブルクリンク24時間レースに投入されたTOYOTA GAZOO RacingのLEXUS LCのエンジニアリーダーも務めるなど、公私ともにレースにどっぷりな方だ。

学生のころはドリフトに勤しんでいたが、採点競技のあいまいさで自分のドライビングが上手いのか下手なのか分からなくなったことで、就職してからはサーキットでの走行も疎遠になっていたという。

その後たまたま立ち寄ったガソリンスタンドで、同じS13シルビアでジムカーナをやっていた店員さんに誘われ、ジムカーナの道へ。これまであいまいだった勝敗の基準がタイムとして競えるようになったことは、緒方さんの「突き詰めることが好き」という性格にもマッチしていたようだ。

S13シルビアで始めたジムカーナだが、全日本に参戦するにあたり車両規定への適合やよりパワーを求めGDBのインプレッサに乗り換え、その後このランエボⅨに。

  • 三菱。ランサーエボリューションⅨの運転席
  • 三菱。ランサーエボリューションⅨの右リアビュー

現在は全日本のシリーズは追わず、地方戦にスポット参戦する程度だという緒方さんだが、自身の経験を活かしトヨタの社内でジムカーナの練習会も開催しているという。
トヨタ自動車部の他、同じ部署やジムカーナつながりで声をかけ60人ほどの人が参加するとのことだが、最近は自分が走ることよりも走る楽しさを伝えていくということにも力を入れているという。

今年はサーキット走行会の開催を考えているということだが、トヨタ自動車の中でもクルマ好きの輪がいろいろなカタチで広がっていっていることが感じられた。

マツダ・ロードスター

  • マツダ・ロードスター(NA)

「20代、30代は毎年何かを買っていた」というくらい、自ら「クルマバカ」「バイクバカ」と名乗るほど乗り物が大好きだというかわちゃんさん。
これまでの愛車歴はシルビア(S15)、フェアレディZ(Z33ロードスター)、MR2(AW11)、スプリンタートレノ(AE101)、フォルクスワーゲンのクロスゴルフ、アウディA5などなど。
また、その当時に話題となった技術を搭載しているクルマを選ぶこともあり、ガソリン車としては日本初の「超-低排出ガス(★★★)」認定を受けたブルーバードシルフィや、ダウンサイジングターボの先駆けとなるアウディA3、またひとつ前のクルマにはクリーンディーゼルのアテンザワゴン(GJ型)などに乗ってきたそうだ。

しかし、純粋にクルマを楽しみたいという想いが出てきたということで、以前から気になっていたロードスター(NA型 Vスペシャル)に乗り換えたという。

そのロードスターの感想を「楽しいの一言です! 自分で操っている感じが好きですね」というかわちゃんさん。ABSやエアバッグもないピュアなハンドリングを堪能しているようだ。

  • マツダ・ロードスター(NA)の運転席
  • マツダ・ロードスター(NA)のエンジンルーム

カスタムもお金をかけずに、自ら手で行うのがかわちゃんさん流。
ホイールはタンカラーの本革シートの色に合わせて自ら缶スプレーで塗装。ハンドルカバーやシフトブーツは刺繍によるお手製。さらにタブレットやドリンクホルダー(自転車用のものを流用)なども自由な発想で取り付けている。

そしてエンジンルームの遮熱板用のパーツとして利用しているのは、家庭で油料理などをする際に使うレンジフード! 200~300円ながら、ちゃんと効果もあるそうだ。

このロードスター以外に通勤用の軽自動車に加え、バイクでは800CCのドゥカティ・スクランブラーと、カスタムベースとして楽しむ125CCのホンダ・グロムもお持ちで、取材中も終始乗り物が大好きという雰囲気があふれ出ていた。

職場を離れれば、自分の好きなクルマで、自分の世界を楽しむ。そしていろんなクルマで楽しんだいろいろな経験が職場にフィードバックされることで、「もっといいクルマづくり」が進んでいっているのだろう。

(文、写真:GAZOO編集部 山崎)