トヨタ社員の愛車ミーティングに潜入

愛知にあるトヨタ博物館で愛車ミーティングが開催された。参加しているのはトヨタ自動車に勤務している社員で、この愛車ミーティングは、トヨタ自動車の公認団体「翔の会」が企画したものだ。

どのような車が参加し、どんな雰囲気なのだろうか。GAZOO編集部として、社内のクルマ愛の強さをチェックする絶好の機会。社員の愛車に対する熱い想いをお伝えします。

そもそも「翔の会」って何だろう

「翔の会」の活動目的は、さまざまなバックグラウンドを持つ多くの仲間と出会い、その仲間と世の中に役立つことに繋げ、参加したメンバーのキャリアのプラスとするためだ。そのため、テストコースの走行会や異業種交流会、バックヤード見学や著名人の講演などが開催され、業務に直接役立つイベントが多いそうだ。

社内公認団体が、愛車ミーティングみたいなイベントを開催したのは聞いたことがない。

「翔の会」幹事の隅氏
「私の調べた範囲でも、翔の会で愛車ミーティングを開催したことはないと思います。車の会社なんですから、車好き同士で愛車の話をしたいはず、だから開催したかったんです」。

車好き同士の交流は、仕事においても、人間関係の構築、新たな気づきなど役立つことは多いはずだ。

トヨタ車だけ集まるの?

参加した車は、全部で49台。多くの車種が集まり、バラエティーに富んだこだわりの愛車たち。しかも半分は他社の車という状況、「皆、車好きねー」と思わずつぶやいてしまった。

イベントは、車談義と、幹事が参加者の車を訪問し、お話をするという内容。皆さんインタビューでは、愛車自慢のネタで盛り上がり、時間が足りなかったようだ。
また、コロナ対策のため、Teams(Web会議ツール)を活用していたのが印象的だった。

参加車両

メーカー 車種
トヨタ AE86、86(ZN6)、GR86、GRヤリス、ヴィッツ、MR2、ソアラ、スープラ(80)、アリスト、トヨタ1600GT、スターレット
スバル BRZ、WRX、インプレッサ
日産 フェアレディZ、GT-R
三菱 ランサーエボリューション
マツダ ロードスター、アテンザ
ダイハツ コペン、エッセ、ミゼットⅡ、タント
外国車 ロータスエリーゼ、ケイマン、ボクスター、BMW M3、アルファロメオ147

編集部が気になった愛車とそのオーナーたち

■ダイハツ エッセ

可愛い顔をしているが、中身はオオカミ。オーナーの浅野さんはAE86を2台乗り継ぎ、FRセリカを3台乗り継いできた。その後の16年間は、このエッセが通勤とジムカーナの相棒だそうだ。

軽量でパワフル、そしてルノーのシュペール・サンクのイメージに近いのが、お気に入りの理由。車を見ると、細部に細かい仕掛けが施されている。白いモールのようなものが貼ってあるが、風切り音対策だそうだ。リアのホイールは、ぱっと見は鉄チンだが、立派なアルミホイール。
そしてどこなく全体のパネルの色が違う。ジムカーナに参戦しているため、パネルはほぼ全て交換しているそうだ。
とことん利用してもらえているエッセは、幸せな車だ。ちなみに、保有はエッセ1台ではなく、ファミリーカーとしてノアも保有しているそう。

■トヨタ 86

白い86(ZN6)からでてきたのは、お母さんと小学生ぐらいの女の子2人。しかも、後席から降りてくる姿がさまになっている。あまりにカッコいいので、お話を伺いました。

オーナーのさなえさんいわく、「愛車は86だけ」とのこと。女の子2人は双子で、お子様が生まれてからは、86にチャイルドシートを2台つけていたとのこと。86で子育てをしてきたのだ。赤ちゃんを乗せたり降ろしたりするのは、どんなに大変だったのだろう。

さなえさんの愛車遍歴は、アルテッツァ(1GのAT車)、80スープラ(MT車)、そして86。「今日は、皆の車が見たくて来ました」という、クルマ大好き女性。
FRのスポーツカーを運転するためなら、クーペとチャイルドシートの組み合わせの苦労もいとわない。ただただ驚かされた。
そういえば、愛車ミーティングにはワンボックスがいない。

■80スープラ

8年前、職場の上司に当時の中古車市場価格で愛車を譲ってもらったスープラ。その金額は伏せるが、現在は中古車市場が高騰し、大手中古車サイトの最低価格は当時の10倍ほどの価格になっている。上司に感謝しなくては…。

新入社員でカローラフィールダーを購入し、その後4代目レガシー(BP)を購入したとのこと。これで、車を走らせる楽しさを知ってしまった。その後、スープラを愛車に迎え入れてからは、年間に3回ぐらいはサーキットに走りにいくこともあるそうだ。

最近はコロナの影響もあり、年に1回程度になったとのこと。サーキット走行は、油脂系(エンジンオイルとブレーキオイル)を交換するぐらいで気軽に臨んでいるそう。車もコツコツ育てており、よく見ると上側のパネルはきれいで、下側は普通という感じ。費用の都合上、上側だけ塗りなおしたとのこと。盗難に気を付けつつ、80スープラライフを楽しんでください。

MR2

若いころから、車で山道を走るのが好きだったオーナー。愛車歴は、FFスポーツカーのシビック、92レビン、プジョー307に乗り、その後3SGEのアルテッツァを2台乗り継いできたそうだ。アルテッツァを愛車としている頃に“ミッドシップを運転したい、欲しい!”となったそうで、その後1年かけて現在の愛車、MR2を見つけた。

MR2を見せていただくと、赤いボディーがすごく綺麗。赤色は紫外線によって、白化しやすいため、こんなにも艶々としている車体には滅多にお目にかかれない。オールペンをしているそうだ。リトラクタブルヘッドライトで車高が低く、美しいデザイン。
「このスタイリングが大好き!次の車は無さそうです」という笑顔が印象的だった。ちなみにファミリーカーは別に所有されているとのこと。

■ロータスエリーゼ

ライトウェイトスポーツを突き詰め、無駄なものを排除したスパルタンなボディーと内装。この車のオーナーは、今回の愛車ミーティング幹事、隅氏だ。

彼のカーライフは、数か月おきにロータスのオーナーズミーティングの開催、時々サーキットに走りにいく、の繰り返し。特に、富士スピードウェイで行われるロータスの公式オフ会は、全国からロータスファンが集まり、久々の再会を懐かしんだり、ネット上でつながっていた人たちとの初めての出会いがあったりと楽しいそうだ。

“走るエリーゼ“を自称しているだけあって、エリーゼの自慢ポイントは、サイドステップにこびり付いたタイヤカス。最後に、エリーゼで通勤しているのか聞いてみると、通勤はスバルのサンバー(軽トラ)。何故軽トラ所有かというと、バイクもやっているからとのこと。風を感じて走ることが好きな幹事さんでした。

(文、写真:GAZOO編集部)