パドック裏ウォーク その1 ~富士SUPER TEC 24時間レース 現場レポート~
パドックを歩いているとドライバーさんたちに遭遇しますが、私が普段担当するプロフェッショナルなカテゴリーと趣が若干ですが違いました。いつもドライバーやチームの様子に非常に気を遣いながら取材をしますが、このカテゴリーでは容易にお話を聞かせてくださる感じ。かと言って、こちらも図々しく振舞ってはいけないのだけれどね。レースが始まる前は、特に気軽にお話してくださいましたよ。
- (いきなり芸能人オーラ全開の脇阪寿一選手のひなたぼっこ風景:写真私撮影)
脇阪寿一選手をピット裏で発見。ひなたぼっこ中でした。他のカテゴリーならあり得ない光景だなと思いますね。こんな事をしていたら、サイン攻めで気が休まる暇はないだろうと。しかし、ここは違った。人気がないとかそういう話ではない。ピットが寒いからということでこのスタイルでしたが、何よりご本人心地よさそうよね。サインや写真のお願いもゆるく対応だと想像。
- (ブレてる写真ですみません…。私撮影)
彼は、スーパー耐久シリーズ戦である昨年の富士SUPER TEC 10時間レースでST-TCRクラスにも参戦しましたが、今回も第4ドライバーとして、フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI TCRをドライブしました。このエントリー、もちろんレースも頑張って欲しいけれど、その存在自体が盛り上げになると感じますね。チームは、前述の昨年のレースでST-TCRクラス優勝を遂げ、メーカーから大きな信頼を得た模様。そんな話を脇阪選手がしてくれましたが、モータースポーツで勝つことで得るものは大きいと感じました。参加型レースは勝つことだけではないですが、プロが参戦していたらおのずと自分のやるべき仕事と責任もあるだろうしね。今回は、リタイアが残念でした…。ファイト!
そして、この機会に取材できることを考えていたら、脇阪選手がヒントを授けてくれまして、私、ST-3クラスでトヨタ・マークX GR SPORTを駆る服部尚貴選手のところへと向かいました。いつか聞いてみたかった話を伺いに…。
服部尚貴選手は、スーパーGTではレースディレクターとしてレースをジャッジするお立場なのですが、ドライバーとしてジャッジされる側、ドライバーとして走っている際は何か違うのだろうかと、どんな心境で走っていらっしゃるのかを脇阪選手からのヒントをもとに伺ってみましたよ。
服部尚貴選手「絶対なんかしちゃいけないと思っていますが、今日は久しぶりに、4輪脱輪をしてしまいました。タイムは採択されないのですがね。スーパーGTの際は、やる側のことを頭にいれてレースコントロールをするというのは非常に大事だと思います。そこを意識してジャッジメントをしないと、感覚も信頼も離れていくと思うんです。サーキットもどんどん変わってきて、縁石が広くなっていたりと変わっていて、そのような状況はしっかり走って経験しないとダメだと思うのです。この場合はこうなる…と、経験を踏まえてレースコントロールをすることが必要だと思っています。」
「86/BRZのレースにも参戦していますが、スーパー耐久と一緒で、絶対にクルマ同士の接触でペナルティをもらっては絶対いけないと思っています。これは絶対にやりたくないですね。ですので、レース中に寄って来られたら、涙をこらえ引く…。そんな感じです。」
「今年から、レースディレクターとして、田中哲也選手(ST-Xクラス参戦中)も現場にいます。やはりドライバーですので、なぜこうあたるのか…という事に理解があります。安心して任せていますし、悩む時はみんなでしっかり考えています。」
「レースの経験プラス中立な目でレースを見られるということは大事で、そんな方がいたら紹介してください(笑)。自分は、スーパーGTでは既に現役ではないけれど、クルマの構造も変わり走り方も変わって来ています。カテゴリーは違えど、できるだけプロとしてサーキットで走って、レースコントロールの為というよりも、日本のモータースポーツに貢献する為に、もう少し現役で走っていたいですね!」
ん、最後の言葉が全てに繋がりましたね。良かったお話聞けて。そして、ST-3クラスでポールトゥウィン!クラス優勝も遂げました。おめでとうございます!
中年の星、はっちゃんにも寿一にも、もう少しモータースポーツ業界を背負ってもらおうと思った富士でした…。
(その2に続く!)
(写真:折原弘之・大谷幸子 / テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
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[ガズー編集部]
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