記憶に残る最終戦、GT300クラスと幻のサインボード ~2020年スーパ―GT最終戦~

どのシーンを切り取ろうかと考えつつ、移動取材執筆、移動取材執筆、移動移動移動で今になってしまいました。スーパーGT最終戦は、GT500クラスは本当に最後の最後にドラマチックな展開が待っていて、勝者にとっても敗者にとっても壮絶、大団円かつ残酷な幕切れという誰も予想のできない締めくくりとなりました。

GRスープラファンは、No powerのル・マン24時間中嶋一貴選手(このコラム読んでくださる方はわかっていると思って書いています)に匹敵したかな?あの時は世界中のル・マン24時間ファンがその光景に衝撃を受けたかな…。現地にいた30万人もの方も驚かれ、肩を抱かれて去っていく中嶋選手をただただ見つめるだけだったように思います(テレビで見た印象だけど…)。

レースの神様(神様とか魔物とかいう言葉は大嫌いですが)は、こんなシナリオを書くんだね…と解釈しないとやってられない悲劇でしたね。まだもうひとつトップカテゴリーの最終戦が残っているので、どんな結末になるのか心待ちにしたいと思います。では、わたし目線で振り返ります。

GT300クラス激戦でしたね!

GT500クラスの結末に隠れそうでしたが、忘れてはいけません。56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-R戴冠!おめでとうございます!決勝で抜いて抜いてタイトルを勝ち取りました。GT300クラスは、GT500クラスでもサプライヤーとして君臨するブリヂストンタイヤが強すぎる中、ヨコハマタイヤが栄冠を勝ち取りました。そこにも注目。あ、批判ではないからね~。ブリヂストンタイヤのスーパーGTのモータースポーツ活動は、みなさんご存じのように華々しい戦績を残して来ています。ですので、クラスは違えど経験値含め強みは到底ありますよね。GT300クラスにもサプライヤーとして参戦し、タイトルを獲っています。そんな中での他メーカーの頑張りも評価したいですね(上から目線ではない)。

  • 決勝では、65号車LEON PYRAMID AMGの前に出ればタイトル獲得でしたので、レース中抜いたシーンは熱かったですね

    決勝では、65号車LEON PYRAMID AMGの前に出ればタイトル獲得でしたので、レース中抜いたシーンは熱かったですね

今季、56号車は昨年のドライバーさん2人(平峰一貴選手、サッシャ・フェネストラズ選手)が実力で見事GT500クラスにステップアップしたので入れ替え。デビューした昨年から56号車は強く注目の一台でした。そんなチームに抜擢されたのが、JP・デ・オリベイラ(以下、JP)選手と藤波清斗選手でした。藤波選手は、本当に謙虚で好きなドライバーさんです。イメージとしてお兄さんたちにかわいがられるタイプではないかと思います。違ってたらごめんなさい。

そして、大ベテランのJPは、今季めちゃくちゃ生き生きしていて、GT500クラスの時の走りを彷彿とさせる勢いを感じましたよね。獲物は必ずしとめる!必ず抜く!そんな雰囲気で、トップカテゴリーにあがる前、もう15年も昔ですがF3トムス時代のJPは間近で見ていたので感慨深かったです。当時は、中嶋一貴選手がチームメイトでしたね。ピットの中がバチバチでした。古すぎる話題でごめんなさい(笑)。

チャンピオン記者会見で、JPは今年の1月まだシートがなかったというお話をしていました。力量的にはスーパーGTには充分すぎる存在ですが、若手もどんどん育ってきていますから、ベテランドライバーが生き残るのは大変。そんな中でJP復活を示したシーズンで、息の長いドライバーになって行くと確信しました。第二の故郷でますます頑張って欲しいですね。イケメンで見えないけどパパなドライバーの藤波選手も頑張ってくださいね。

開幕戦で52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組)のGRスープラ(JAF GT規定車両)が勝利しましたが、タイヤ交換に時間がかかるので、交換しなくてよいタイヤをブリヂストンさんに作っていただいたと吉田広樹選手が開幕戦の優勝記者会見でおっしゃっていました。それで勝ってしまったという。その後、禁じ手となったラウンドもありましたので、それだけ脅威の戦略だったということですね。これもタイヤメーカーの経験値のすばらしさですね。

写真は、最終戦の優勝記者会見。お二人の会見は、とても良いなあと開幕戦でまず感じました。とても素直に気持ちを吐露し、期待の若手の川合選手もとっても受け答えがスマートで賢そう、何しろ声が良い(そこかっ!)。かぶるドライバーさんがもうひとりおりまして…。それは来年にします。ほんと聞いてて心地よい会見なんですよね。おめでとうございました。会見のコメントは、スーパーGT公式サイトにありますので割愛。

GT3車両は、日産GT-Rが5台、メルセデス4台、ホンダ3台、レクサス3台、ランボルギーニ2台、アウディ2台、BMW1台、アストンマーチン1台、ポルシェ1台が参戦しています。カスタマーレーシングと言って、メーカーのワークス参戦ではなく、GT3を購入いただいたお客様のサポートをするカタチでメーカーが関わっています。国産、海外メーカー、フラットで見られるかな。今後、電気の世の中になって行きますが、スーパーGTがもしガソリン車でこのまま戦ってくれるなら、GT3車両とJAF GT車両を使ってGT500、300のクラス分けなし、ワークス参戦なしの戦いになったらおもしろいなあと個人的に思っています。静かな電気GT車両が出てくるかもしれないけどね。今後のことは誰にもわかりませんが。

DTM(ドイツツーリングカー選手権)とのコラボということで生まれたクラス1規定のGT500クラスの車両は、せっかくホンダさんがミッドシップやめてFRに揃えたけど、来季のDTMはGT3車両で戦うと決まりました。クラス1が必要なくなったということですよね。GT500クラスは、3年で車両を変える規定でしたから、2シーズン後の車両はどうなるんだろうね。少なからず変化はあるんじゃないかと。動向を見守ります。

この臨場感がぐっときます。

ドラマチックなシーンを忘れることができないサインボード…。

100号車RAYBRIG NSX-GTは、最終コーナーまできっと待って今季はタイトルなしと諦めた瞬間の逆転タイトルだったかもしれませんね。サインボードがP2、ポジション2のままです。

対照的に、37号車KeePer TOM'S GR Supraは、チャンピオンボードで出迎える準備をしていた様子。ベテラン越智メカが持ってるの…。まあ、すぐに引っこめたはず。無念のボードとなりましたが、あの場面ではこれは仕方ないよね。これが本当に最後の最後で起こった現実。レースは最後まで何が起こるかわからない、最後まで諦めないということをあらためて学習しました。

きっと幻を振り返る暇もなく、忙しさの中で来年を迎えるかな。いや、今年は12月に入ってからもトップカテゴリーのレースもあるし、コロナ過だし、駆け抜けたシーズンは一旦みんな休んでもらいたいね。休もう休もう。私も冬眠だ!

おまけ…。2003年の菅生ラウンド、シーズン中の戦いではありますが、6号車…チャンピオンカーだからこの年は1号車ですね、エッソウルトラフロースープラと36号車WOODONE トムス スープラ、ファイナルラップの攻防、チェッカーの手前での1号車の逆転勝利を思い出しました。ご存じない方、多い?と思いますが、YouTubeなどで探してみてくださいね。

  • 写真:トヨタ自動車 2003年全日本GT選手権菅生ラウンド

    写真:トヨタ自動車 2003年全日本GT選手権菅生ラウンド

では、また!!

(写真:折原弘之、大谷幸子 テキスト:大谷幸子)

[ガズー編集部]

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