見納めのカラーリングと最後の日 ~スーパーGT最終戦~

見納め…

100号車RAYBRIG NSX-GTのカラーリングの見納めは、正式にアナウンスがありましたから、しっかり心と目に刻んだ方は多いはず。

メインスポンサーであるスタンレー電気のブランド「RAYBRIG」が終了となるためとのこと。26年間もチームを支えてきたブランドですし、モータースポーツ界ではクルマの名前をブランド名でそのまま呼ぶことも多いので、非常にさみしく感じます。ファンの方も「レイブリックが勝ったね」なんて言い方しますよね。認知度高いですからね。このチャンピオンカーは動態保存される時がくるのかな。その時はこのカラーリングなのかな?新しいカラーリングかな。また戴冠すればそれも大切になるしと、そんな事は私が気にすることじゃないですね。お疲れさま!と言いたいところですが、来季も同じクルマで戦いますのでカラーリングも楽しみにしたいと思います。

カラーリングだけで言えば、見納めという目線で見ると、どうもこのクルマだけではなさそうです。さみしいけどね。取材をすすめていくと色々見えてきました。
今、来季に向けてチームの営業さんもスポンサー獲得に忙しい時期だと思います。コロナ禍でもそのままスポンサーを継続してくださるのか、企業の業績によってはスポンサーから撤退したりと来季影響は必ず出てくるはずです。

スーパーGTファン(この書き方で良いかな)としては、スポンサー企業に勝手に親近感を覚えたりで、去って行かれるとさみしかったりもしますが、こればかりはね。来季に向けての動きは既に始まっているし、当初の予定が変わったりもありますしね。おとなしく発表を待ちます。

最後の日

いつもその姿にほれぼれするトランスポーター。大きな乗り物は夢があるから大好きです。トランスポーターは曲がる時にヘッドと後ろの荷台との連結部(変態かなここに反応するの…)がうねる瞬間が好きなのですが、今はトヨタガズーレーシングのカラーリングを纏っていますが、トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)のモータースポーツ部門TRDのみなさんが使用するトランスポーターを長年運転してこられたドライバーの中山さんがこの最終戦でお別れすることになりましてね。TRDのみなさんが、サプライズでお別れセレモニーをやるとご連絡いただきまして、貴重な場にお邪魔させていただきました。

こちらのトランスポーターは、通常レースウィークに備え、会社まで行って大切な機材やクルマのパーツなどを積みこみ、スタッフのみなさんより先にサーキットに向かいます。現在は、トヨタガズーレーシングのトランポが3台。GRスープラ陣営の陣頭指揮を執るTRDの要塞、シャーシやエンジン担当のスタッフのクルマと部品車。GT3車両のカスタマーレーシング用のレクサスのカラーリングの車両が1台と現場には4台留め置きしています。

GT500クラスのドライバー、各チームのエンジニア、監督などが適宜ここに集いミーティングを行うなど戦いに備える訳です。現場最前線ですね。各チームのピットも各陣営のトランスポーターも。

中に、レーシングマシンは入ってないですからね。全チームのクルマが入っていると思っている方もいると思うのですが、最近は動画配信も多いので、各チームのマシンはそれぞれのチームが運んでいるのも認知されてきましたね。以前はよくコメントで質問を受けましたので書いておきますね。

レースが終わると、TRDのみなさんがレース後まだまだお仕事をして、そのあとサーキットを離れるので、現場出るのは最後ですね、こちらのトレーラーたちは。私、現場から帰るのは決して早い方ではないけど、帰る時見るとまだ部屋の明かりがついていたりすることもありますね。ちらっと見て頑張って~って思いながら帰ったりする時もあります。

これまでもたくさんの技術者の思い一緒に積んで日本全国行ったり来たりしてきた事でしょう。事故なく安全に運んでくださいました。高速道路で運転手さん手を振ってくれたなんて話も。

そうそう、よく話題になるツインリンクもてぎのパドックトンネル。狭いところをすり抜けて行くプロの技がすごいので、その動画もバズる場所として昔から有名ですが、いろんなトランポドライバーさんに聞くと、難易度むしろ低いですよ~とあっさり。プロだわ~。

スーパーGT公式YouTubeで先日、そのトンネルと通過するトランスポーターを取り上げていました。そちらをぜひ見てみてくださいね。タイヤの本数で切り返しが違ったりマニアにはたまらない内容でしたので。

中山さんへTRDから素敵な贈り物がありました。GT500クラスのトヨタ陣営のドライバーさんたち、テストの時にTRDのレーシングスーツを着用する事が多いのですが、同じものをそれもドライバーさんみたいにお名前の刺しゅう入りを贈られていました。これはかなり貴重。TRDのみなさまの御礼がかっこ良すぎだわ。中山さん、21年間お疲れさまでした!

最後だよ~その3があるのですが、これはいろんな思いがあるので、またいつかお届けします。

そのTRDのエンジンを積んだGT500クラスのGRスープラたちを(ランキング順)。

GRスープラデビューイヤーは、残念ながら戴冠ならず。富士ラウンドが4回もあり当初有利と言われたりもしましたが、まあ今年コロナ禍でスタッフの安全とロジスティックを考えると富士開催ばかりとなるのは仕方なく。そして、確かに富士で速かったですが同士討ちが気になるシーズンで、結果残念なことになりました。

まあ、立て直しはチームのみなさんとTRDさんにお任せして、まずは多忙なシーズンお疲れさまでした。来季に向けもう業界は動き始めていますね。私は、スーパーフォーミュラ最終戦を残すのみ。

もうひと頑張りだ!
またね!

(写真:折原弘之 大谷幸子 テキスト:大谷幸子)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road