ARTA チーム無限、初勝利! ~SUPER GT 第5戦in鈴鹿~

夏が終わった…と言いたい所だけど、レースも熱いし気温も暑い。みなさま、バテていませんか?酷暑の2連戦。他のカテゴリーもある方はもっと連戦だと思いますが、ほんと大変で現場で集中力が途切れそうになりました。いや途切れまくっていました。情けない…。

鈴鹿サーキットは、午後になるとピットビルが日陰を作ってくれるので助かりましたが、パドック側に出るとカンカン照り。それでもほんの少しだけ、ほんとに少しだけ前の週より楽な現場でした。

夏が終わるのは、さみしいものですがこれからのシーズン、ますますモータースポーツ、盛り上がって参りますのでよろしく!では、振り返ります。

自分予想(終わってしまったレースですが)

シーズンも折り返し、ここまで戦績の良いヘビー級の上位車は、リストリクターも絞られている為ここでの勝利は難しい。

前戦もランキングトップで臨んだ3号車Niterra MOTUL Zは、サクセスウェイトもある中で、あれだけのパフォーマンスをして優勝しましたが、さすがに今回優勝は厳しいかなと。ただ、プロ中のプロのニスモさんのクルマですから侮れませんね。

  • 36号車 TGR TEAM au TOM'S

同じく36号車au TOM'S GR Supraもタイトル争いに加わっているのですが、サクセスウェイトを鑑みるとここも厳しくて当然。でも昔っからどんな状況でもトムスはしぶといです。

  • 100号車 TEAM KUNIMITSU

Honda陣営、NSX-GT鈴鹿サーキットラストランとなる第5戦。100号車STANLEY NSX-GTは、前の週のスーパーフォーミュラで負傷した牧野任祐選手が、日曜日のみの走行となり少し心配しました。

背中に痛みがあるとおっしゃってましたが、牧野選手側の気持ちで行くと走れることが良かったのかなと。代役参戦になると、これまたいろいろ大変な訳で間に合って良かったです。予選も山本尚貴選手が、しっかりQ1を突破してくれたので、それもタイトル争いに繋がっている気がします。

んじゃ、どこが来る? …ここはARTAの2台と39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraが来そうと予想。

レースが終わって結果が出てしまってから記事を書くと、結果に合わせたように思う方もいるかもしれませんが、ARTAはHondaのホームコースでそろそろ来るだろうと思っていました。きっと私だけじゃないはず、そう思うのは。

それだけの力があるのに、取りこぼして来てますしね。今回は、オレンジの方の8号車が来るかなと予想していました。

  • 野尻智紀選手・大湯都史樹選手が駆る8号車

今季のARTA チーム無限は2台体制で共にエース。無理やり何か「差」なるものを探すとなると、8号車にスーパーフォーミュラを2連覇している「令和のカリスマ 野尻智紀選手」がいるので、そちらが先に勝利するかな、と2台に差をつけた予想を立てていました。

39号車は、ここのところ何か吹っ切れた速さがあります。中山雄一選手の成長が著しいようにも思います。関口雄飛選手がトムスから移籍した際、サードの近藤尚史チーム代表が、「チャンピオン関口から中山が学ぶことでチーム作りも進んでいくでしょう」とおっしゃっていて、それがようやくカタチになって来たのかなと思います。

レースは、関口選手がひとりで引っ張るスタイルを昨年取っていましたが、変わって来ました。これは大きな変化ですね。

戦略も落ち着いて来たのかも。今季迎え入れた柏木エンジニアのもと、バタバタした雰囲気が消えたようにも感じます。まあ、新しいチームと言えばそうですし、伝統あるチームと言えばそれもそうですが、こちらも取りこぼした分を取りに来ると思います。

日産陣営23号車MOTUL AUTECH Zは、前戦で前々戦に関するペナルティを受けましたが、今回は何も背負うものがありません。開幕戦の速さを見ると、今季のポテンシャルは昨年よりもかなり上がっているのでしょうね。

開幕戦は、まったく乗らずに予選アタックした松田次生選手がポールポジションを獲得していました。ドライバーって、当たり前ですがカラダで覚えているんですね。素晴らしいしかなかったです。今回は、再び得意の鈴鹿でどうなるのかと。

  • 64号車 Modulo Nakajima Racing

ヨコハマタイヤ、ダンロップタイヤ、状況によって一気にパワーを発揮します。参戦台数が少なくて大変だけれども、開発は近年しっかり進んでいるように見えます。

もちろん、私の場合、走ってみないとわからんというのが正直なところだけど、伸びしろがすごいので期待を込めます。64号車Modulo NSX-GTもホームコースですから楽しみです。

予選振り返り

16号車 福住仁嶺選手・大津弘樹選手/ARTA

8号車ARTA MUGEN NSX-GTの大湯都史樹選手の予選アタックが痺れましたね。あのパワフルな走り。魅せたなあ…。総路外走行でタイムが抹消にはなってしまいましたが。

GT500クラスのポールポジションは16号車ARTA MUGEN NSX-GT。2台が暴れるような気がしたのだけ「アタリ」ということで、黒のボディの16号車が一番時計。

23号車MOTUL AUTECH Zも2位につけました。これ驚きました。冷静に考えると“アリよりもアリ”で予想しても良かったのねえ。まあ私はハズレたということで。うっかりしてましたね。

  • 山内英輝選手・井口卓人選手/R&D SPORT

GT300クラスの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。涙が溢れる山内英輝選手にもらい泣きしそうになりました。

何度もポールポジションの記者会見でお目にかかっておりますが、以前いたチームからの激励、ファンのみなさまの応援をご覧になって、チームメイトの井口選手の姿を見たら涙がこみ上げてしまったそうで、山内選手のお人柄が出ていましたね。

スバルの2人の頑張り屋さんの姿が、人々の共感を得て、応援したくなるドライバーさんだと思う方も多いかと思います。こんな素直に感謝の気持ちが涙となってしまうところも好きですね。

決勝振り返り

  • 左:GT300クラス優勝の小出峻選手・小林崇志選手/TEAM UPGARAGE 右:GT500優勝の福住仁嶺選手・大津弘樹選手/ARTA

GT500クラス、16号車のポールトゥウィンでした。4戦中3戦ミスがありましたと、予選の記者会見で大津弘樹選手がおっしゃっていましたが、優勝に辿り着きました。おめでとうございます。

大津選手と福住仁嶺選手のコンビは、福住選手が2歳年下ではありますが何かこのコンビをリードしていて、お兄さんの大津選手はそれをお兄さんの優しさで包んでいて、微笑ましいです。

お二人ともご結婚されていて、今年お二人ともベイビーが生まれたそう。これもまたパパとしてやる気が出ますね。とても話しやすい彼らは私もつい声をかけてしまいますが、今季お二人でコンビを組む事が出来たこと、とても喜んでいました。そんな中での勝利ですので、ますます喜んでいることでしょう。今後も楽しみにしています。

GT300クラスは、18号車UPGARAGE NSX GT3!開幕戦とで2勝です!おめでとうございます。予選16番手からの優勝。これは「運」も味方につけましたねえ。持っていますねホントに。

GT500クラス2位は、繰り上がって39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra!おめでとうございます。ここは予想で書いた通り、まず良いところでフィニッシュだろうと思っておりましたが、予選で沈んであれ?でした。脇阪寿一監督が何よりも喜んでいることでしょう。

結果が欲しい焦りもふつふつと沸いていたと思いますしね。強いチームにしていってください!スタートラインに立ったと思います。

  • 14号車 TGR TEAM ENEOS ROOKIE

3位に繰り上がりで14号車ENEOS X PRIME GR Supra。今季未勝利であることを忘れていました。勝たないと!それだけです。そうか初表彰台か~。意外というか昨年と勘違いしていたのか私は。後半戦、侮れない1台ですね。

タイトル争いに絡んでおります36号車au TOM'S GR Supra。予選でしっかり最後尾。そして決勝は10位に繰り上がって1ポイントが舞い込みました。ランキング2位ですが、トップの3号車がノーポイントに終わってしまったので、差が4ポイントとなりました。

今後も苦しい戦いを強いられるのに間違いはないのですが、1ポイントでも積み上げることが大事ですから、これはかなり大きいポイントですね。しかも11位フィニッシュで、失格のクルマがあって繰り上がり、ラッキーの1ポイントですから、この良い風を今後も活かしていってください。

3号車の千代勝正選手、高星明誠選手の手強さは変わりなく、予選は10番手でしたからねえ。やっぱ怖いですねこのコたちは。タイトル争いがバチバチでおもしろいです。

そう言えば、なんだか今季チャンピオンカー1号車MARELLI IMPUL Zはちょっと元気がないですねえ。少し気になりますが、次の菅生は得意なサーキットのはずですので期待しておりますよ。まあ、残り3戦となりましたが、優勝すると20ポイント加算ですからまだまだわかりませんね。

立川祐路選手/TGR TEAM ZENT CERUMO

最後に…立川祐路選手!みんながプレッシャーの中で、立川祐路選手を表彰台に押し上げるべく頑張っていました。もうね、予選のQ2はTGR勢で唯一、石浦選手からバトンをつないで立川選手が5番手!TGR勢で唯一ですよ。このリザルト。

引退撤回したらいかがでしょう。いなくなったら、戦力ガタ落ちだと思います。速さがなくなっての引退でもなく、昨年の成績不振の責任を取ってとのこと。もうね、居て欲しいという気持ちしかないです。

前戦のトークショーで、俺に負けたやつは引退と冗談でおっしゃっていましたが、まだ全然速い。引退撤回運動起こしたい気持ちで鈴鹿ラウンドを終えました。嗚呼…。

まずは、ここから最終戦まで走り続けるSUPER GTに注目です!

(写真:折原弘之・大谷幸子、テキスト:大谷幸子)

MORIZO on the Road