復活の山本尚貴選手、初出場のJuju選手など今シーズンも目が離せない!~スーパーフォーミュラ2024開幕戦 鈴鹿現場レポート~

寒かったね~。3月の鈴鹿サーキットはやっぱり寒かったですが、さてとうとう開幕しちゃいました!と言っても公式テストから短いインターバルでした。

開幕前から話題は尽きないこのカテゴリーですが、現場もとてもにぎやかでしたね。開幕の雰囲気はやっぱりスキです。忙しいけど気分上がりますね。

  • 左から山下健太選手、野尻智紀選手、山本尚貴選手

いつもの時間が戻って来ましたが、メディアへの露出が多いので今後どうなって行くのか、楽しみです。注目してもらわないことにはね。

クルマも開発もドライバーもとてもレベルの高いカテゴリー、日本、アジア最高峰のレースをもっともっと見て欲しいと切に願うばかりです。

SFgoアプリでも見られますよ。まだの方はぜひダウンロードしてくださいね。レースが終わってからもフルでいつでも見られますので。私も本当によく使わせていただいてます。一人の時は、行儀悪いけどダラダラ寝転がって見たり、仕事の合間におやつ食べながら見たりしています(笑)。

レースの事実確認に役に立ってます。ウソは書けないからね。最近感じるのは、レポートなど紙に起こしても見てもらえないんじゃないかと危惧するくらい、さまざまな情報が詰め込んであるんですよね。ぜひ!

そして開幕戦は・・・阪口晴南選手の初ポール獲得、そして決勝チームメイト同士の太田格之進選手と牧野任祐選手のガチバトル、また注目の女子高校生、Jujuちゃんは初レースと、などトピック盛り沢山でした!

  • 声優の水樹奈々さん(写真:日本レースプロモーション)

国歌独唱は声優の水樹奈々さん。これ感動と驚きでした。一昨年のF1でも歌われたそうです。知らなかった…。とにかく自分にとっても最後までサプライズありの開幕戦でした。

もちろん他にも盛り沢山でしたがホント熱かった!厳選したトピックを3つ振り返りますね! たくさんありすぎるので、TGR関連は、TGRコラムに書きます。同じこと書いてもこのスペース大切ですからね。今季ももろもろ分けて参ります。

令和のカリスマ 野尻智紀選手が優勝!

  • 16号車 野尻智紀選手/ TEAM MUGEN

開幕戦の勝者は野尻選手でした。予選3番手で失敗とおっしゃっておりましたが。いったんそれは置いといて…(全く失敗と感じていない私)。冷静に昨年を振り返ると、まずシーズン中、2戦落としています。お身体の調子で1戦おやすみ、他車と交錯してリタイアでの2戦です。

しかし、彼はシーズン最後にタイトル争いにしっかり絡んでいましたよね。もし2戦とも出走していたらぶっちぎりだったんじゃないの?と昨年思ったんですよ。

チームメイトだったF1のリザーブドライバーのリアム・ローソン選手とバチバチなのも高次元で素晴らしいと感じました。ローソン選手みたいな大物ルーキーが意識して戦っているのも当然。そんな彼とバチバチの日本人、真剣勝負にいつもしびれました。

  • 野尻智紀選手(写真:日本レースプロモーション)

そして今季、共通ダンバーの使用で勢力図が変わるのではないか?という意見もありました。マシンのことは私が無知で申し訳ないのですが、私は急激に勢力図が変わるとは思えなくてね。チーム力の壁はとても分厚く、そう簡単に劣勢にならないと思うのです。

ですので、スーパーフォーミュラのチーム無限は、予選で失敗したとおっしゃってもやっぱり図抜けた存在。それだけ信頼もあるので、速く強いドライバーを走らせることができる、それもチーム力です。

野尻選手が3連覇に向けて好発進したのは言うまでもなく…。独走しそうなので、それをみんなで止めましょう(笑)。もちろん批判ではないですよ。ターゲットは野尻選手!彼にはもちろん長く乗っていただいて、倒されるまでよろしくお願いします。

昨年は宮田莉朋選手がタイトルを獲得しましたが、野尻選手がフルシーズン戦って、今後、何回タイトルを獲るんだろうかと楽しみでもあります。とにかく盛り上がれ!国内モータースポーツ!なんですよ。今季もよろしくお願いします!

あの大クラッシュからの初レースですね。昨年のSUPER GT第6戦のSUGOでした。最終コーナーからの立ち上がりで他車との接触から大クラッシュ…とてもショックでした。

その後のレースに出られなくなり…。年が明けた2月の公式テストでお見掛けしたら、絶対まだお辛いでしょうというのが素人目にもなんとなく見て取れました、首が辛そうで…。

完治ではないにせよ、復帰してGに耐え走ったことがもう素晴らしい! しかも表彰台を獲得ですよ!涙も出て当然です。きっときっと、シートがなくなるかもと人生を左右するお怪我にご自身の気持ちも揺れ動いたことと思います。

昨年末のルーキーオーディションなど落ち着かなかったのではないでしょうか。SUPER GTは開発テストもありますが、公式テストは3月、開幕戦は4月と時期的にももしかすると間に合うお怪我だったのかも?しれないけど、スーパーフォーミュラはシートの行方を心配しました。年明け前にそんな人生について書かれた投稿を拝見していたので。

彼の実力、今回も遺憾なく発揮しましたね。Hondaのチームで2度のタイトル獲得。現在のチームで当初苦戦しておりましたが、ベテランのスキルでいつでもどこでも勝ちに来ますし、油断できない彼。

復帰後初だろうが表彰台…、これですよ。クルマも良かったと会見でおっしゃってましたね。経験値という漢字にしてしまうと少し事務的ですが、簡単に越えられないものですね。

今月はこのあと2週連続でSUPER GTのテストが続きます。首にも負担がかかり続けますが、リハビリの方もじっくりして欲しいですね。ずっと走る姿を見たいですからね!3位表彰台おめでとうございました。表彰式が終わってからも表彰台にずっと乗っていたそうだったのが印象的でしたね。インタビューで号泣のシーンもね。

Juju ちゃん

  • Juju選手/TGM Grand Prix(写真:日本レースプロモーション)

ここで話題のJuju ちゃんに触れます。この春、高校を卒業して大学に進学する現在ギリギリ女子高生。とうとうスーパーフォーミュラで日本人女性初のドライバーデビューをしました。おめでとうございます。もう少し小さい頃にサーキットで拝見したことがあります。

開幕戦決勝は、17位フィニッシュ。たまたま遭遇しましたが、レース後ピットの前に戻って来たら、走っていってエンジニアやお父様とハグしてましたね。とてもうれしそうでした。

ポジションよりも内容。全く問題なかったですよね~。どうなるんだろうと気にかけていました。しかし良い意味でみんなを裏切った結果でしたね。

スタートの飛び出しもすぐコース復帰できましたし、無線を聞く限りほんとチームのみなさんでサポートして、しっかりとした完走だったのではないでしょうか。今回は、同じく初めての鈴鹿でレースを経験する若いドライバーもおりますが、みな苦戦している中、ちゃんと走り切りました。

ご本人の目標が「完走」と話されていたので、それが達成できてとても良かったと思います。一般メディアもたくさん、ファンもたくさんサーキットに来られていました。

つくづく思うのは、まるですぐF1に乗ってしまうような一般メディアの報道です。彼女は「完走」が目標でみんなについていくとコメントしても、なんとなく先へ先へと報道するメディアさんもあって。質問も、このカテゴリーが通過点というのは理解できますが、あまりに先を急ぐ質問に少し気の毒になりました。

まだデビューしたばかりの18歳のドライバーの置かれた環境を勝手に盛ってしまうと、この先彼女はどう報道されていってしまうんだろうと心配でなりません。

シートを得たことは、とても素晴らしいことです。乗りたくても乗れないドライバーもたくさんおります。このカテゴリーのドライバーはみんな精鋭。素晴らしいです。コンマ数秒の戦いをしていますから。まずはそこから行きましょうよと思います。

Juju ちゃんがこの先も、モータースポーツの世界にしっかり存在して走り続けてくれるよう、もう少し見守ってあげた方が良いと思います。これは私の考えね。

18歳の春は、大学進学という新しい生活も待っていますよね。おばさんにも18歳の春、ありました(笑)。楽しみしかないですね。勉強も一気に難しくなって大変だったけど。学業とレースに専念の一年を見守ってあげたいですね。

次のレースは5月のオートポリスですので、インターバルの2か月でメディアやSNSから影響を受けるメンタルのデトックスをして、自分の時間を構築してまたレースに挑んでもらいたいかな。偉そうなこと言って申し訳ありません。頑張ってくださいね。

寒い中、たくさんの方が鈴鹿へ来られていました。いろいろピックアップしたいことが沢山ありますが、すきまネタは今後もSNSで発信して参りたいと思います。

チーム体制もあちこち変わっていて新鮮なシーズン。みなさまもスーパーフォーミュラ、楽しみにしてくださいね! 書き終わってすぐ明日には、岡山へ。SUPER GT公式テストです!行って参ります!

(テキスト 大谷幸子、 写真 日本レースプロモーション、折原弘之)

[GAZOO編集部]

MORIZO on the Road