SUPER GT 2024開幕! ケガやマシン喪失を乗り越えて迎えた初戦、両クラスを振り返ります

例年と同時期で何も変わりはないのですが、他のカテゴリーが次々に開幕していくので、何か遅く感じた2024年の開幕戦。でも無事に終わってよかったなと。

今年の開幕戦は、見事に晴れ渡りました。昨年は土砂降りでしたよね。晴れの国もちょいと開幕戦雨率が高いので今年は晴れて安堵。季節はまるで初夏を彷彿とさせる暑さでした。体の準備ができておりませんでしたが、素晴らしいシーズンの幕開けとなりました。

では、振り返ります。TOYOTA GAZOO Racingに関しては、TGRコラムで振り返りますね。

GT500クラス

CIVIC TYPE R-GTがデビューしましたね。決勝での最上位が100号車で、見事3位の表彰台獲得です!もちろん華々しいデビューを狙っていたと思いますが、意外に苦戦ということになりました。

  • 100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GT/STANLEY TEAM KUNIMITSU

さて、ご存知かと思いますが、山本尚貴選手は昨年9月のレース中に大クラッシュに見舞われ、昨シーズンの終盤2戦を欠場しました。

牧野任祐選手は先月のオフテスト2回を体調不良で欠場しています。開幕戦のエントリーリストに名前があってホッとしたのですが、つまり病み上がりです。お二人とも万全ではありません。

搬入日に牧野選手を見かけた際には、あぁ良かったと思いましたが、ピットでドライバー交代の練習などをしていたので話しかけることはしませんでした。予選日にフリー走行後にばったり会ったらお顔が青くて心配になりましたね。

決勝は二人で頑張って走って3位。体調は戻ってないと思います。次まで時間があるので、富士まで元気に走ってくださいな。

先輩の山本選手もそんな簡単に治る怪我ではなかったはず。3月のスーパーフォーミュラ開幕戦で3位表彰台を獲得したことも驚きでしたが、今回もですよ。尊敬しかないです。

ドライバー生命が危ういとご自身でも心配になったとコメントされていますしね。眠れない日が続いたんじゃないかと思います、ほんとに。

今回走り出しから速かったですが、終始、予選・決勝と安定していたように見えました。彼が完全復活したら無敵だと思いませんか? 今、完全復活じゃない状態でもこんな戦績ですしね。

とにかくドライバーが若年化している今、昨年で引退した立川祐路選手のように息の長い選手でいて欲しいんですよね。応援していますよ。

そして、牧野選手もプロだなあと思いました。今はまだ素晴らしい先輩たちがおりますが、そのうちホンダを牽引していくドライバーになって行くと思います。引き続き頑張ってください。開幕戦、100号車からは元気しかもらってなかったなあ。私もがんばらないと!と思いましたよ。

勘違いしてました。マシンの名前が16号車と同じだから末尾に「#8、#16」がつくんですね今季は。ゼッケンだと思ってわざわざ外して書いていました。すみません。エントリーリストを再確認してようやく理解できました。こちら今季は、野尻智紀選手と松下信治選手のコンビですね。

  • 野尻智紀選手と松下信治選手/ ARTA

予選で勢いあまって松下選手がコースオフしましたが、力強さしか感じなかったです。これ褒め言葉です。失敗したのにネガティブな気持ちに全くならなかったですよ、かっこ良すぎて。

そして決勝は最後尾からのスタートで8位フィニッシュ。何気に素晴らしいように思いますが、いかがでしょうか。序盤のクラッシュで離脱したクルマもあるとはいえ、このクルマのポテンシャルはかなりあるぞと感じました。

次の富士は得意なコースでもあると思いますので、次、早速優勝候補にあげておきます。GRスープラのホームだからそっちも手強いかもしれないけどね。

このコンビ、アグレッシブで好きですね。この二人の組み合わせはそもそも「あり」で、何かやってくれると思う、そんな匂いがした開幕戦でした。次、楽しみにしてますね!

こちらは、大草りき選手がGT500クラスデビューです。サーキット入りしてから、彼は寝られなかったとおっしゃってました。初のGT500クラスデビューですよ。

ドライバーではないけれどお気持ちはわかるし、そんな素直な言葉を吐く彼を応援したくなりますよね。あ、もともと応援してます!そして結局全員応援しちゃうスタンスです(笑)。

先輩でチームメイトの伊沢拓也選手も「そうか、そうだよなあ、緊張するよなあ」って共感していました。レースが終わってからはお話を伺う時間がなかったのですが、どうだったんだろう。次のレースで聞いてみよう。焦らずに始まったキャリアをどんどん積み上げていって欲しいですね。ガンバ!

GT300クラス

  • GT300クラス優勝の堤優威選手と平良響選手

昨年タイトルを逃した2号車が早速優勝! 今年も同じドライバーで戦います。堤優威選手と平良響選手ですね。

戦力はまったく変わらず、タイトル争いに入ってくると思っていたら、開幕戦からやりましたね。おめでとうございました!ここは、タイトル候補に今から挙げておきますね。二人のルックスはアイドルみたいだし、若いファンの方ももっともっと増えて欲しいです。そして、しっかりシーズン通して戦って欲しいですね。

予選はポールポジション、決勝は2位でした。2号車とともにブリヂストンタイヤを装着するK2 R&D LEON RACING。蒲生直弥選手は安定して乗り続けておりますね。チームメイトとして篠原拓郎選手も継続です。

速さは変わらずで、タイトルも獲得したことがあるこちら65号車は、BOPの影響も全く感じさせない強さです。大変なのかもしれませんが毎年安定した強さがあるように感じます。GT300クラスの強豪チーム。今回の決勝は2位になりましたが、こちらもタイトル争いに絡んでくることでしょう。頑張ってくださいね。

  • 7号車 Studie BMW M4/ BMW M Team Studie x CRS

7号車も早速、表彰台ですね。前回書いたと思うので少し簡単に。チームは一旦SUPER GTから撤退しましたが復帰しました。

荒聖治選手がファーストドライバーですね。GT500でもトヨタ、日産と乗った百戦錬磨のベテランドライバーさんです。

今季、相棒が変われど表彰台獲得とは、今年も注目の1台には変わりがありません。リバリー(カラーリング)もお披露目になりましたが、欧州車らしいとうか日本車にはない派手さがあって良いですね。わたしは好きだわ。こちらも楽しみにしていますね。近い将来タイトルとか見えて来そうね。

  • 25号車 HOPPY Schatz GR Supra GT/ HOPPY team TSUCHIYA

祝復活! 決勝14位でチェッカーの25号車。まずは、その姿がサーキットに戻っていたことがうれしいですね。一番端っこのピットをいつも選んでいて、そのピットがしばらく空いていたので、さみしかったです。

土屋武士監督は、お父様譲りの職人気質。そしてレースが好きで続けて来たガレージで、私もかなり昔、1シーズンだけでしたがお手伝いしたことがあります。ガレージにも行かせていただきました。

シートのなくなった若いドライバーの面倒を見て、実に武士さんらしいカタチでレースに携わって来ました。ガレージにお世話になった方がたくさんいると思います。

でもクラッシュなどで大きなお金が出ていくことも。だから費用もかかりスポンサーマネーに頼るモータースポーツ活動は、継続していくのが大変です。

費用対効果があるのかと言われれば、まだまだマイナースポーツですのでなかなか。それでも頑張っているチームがたくさんあります。武士さんのところも厳しい時期があったはず。そこは人のつながりで乗り越えて来たのかな。

昨年のクラッシュから、今季参戦するにあたっては理解あるスポンサーさまとファンの方も出資できるクラウドファンディングが彼らの復活を助けたと思っています。あらたなシーズンもご苦労は続くかもしれませんが、頑張ってくださいね!

新車になったのですが、残念ながらエントリーのみでクルマが間に合わなかったんですよね。でも展示だけはやっていたのと、サーキットにはドライバーももちろん来られていました。次の富士スピードウェイで初出走ですね。

2006年だったなあ、フォードGTがエントリーした時、やっぱりクルマが開幕戦に間に合わなくて展示してあったのを思い出した。かなり昔の話がパッと出てくるあたり、だいぶヤバイね私(笑)。最近、シーズン途中からの初出走ってあったかしらと思ってね。

以前はGT500クラスが新車になると、開幕戦に間に合わなくて、前のクルマと新しいのと2つ作ってるということがありましたよね、確か。今は、車の作り的に共通部品が多く、簡単になった(言い方)ので、作るのも以前よりは楽みたいですね。表現がうまくできておりませんが、意味わかるかしら。何はともあれ期待しています。楽しみにしてますね!

次の富士スピードウェイはゴールデンウィーク開催。さあ、どれだけの方がいらっしゃるかな。昨年は、外でご飯を食べられず…。ゴールデンウィーク中だからどのお店も長蛇の列だったんだよね。ファミレスも無理だったというね。まあ、らしい大会ではありますが、どうなりますやら。では、また!

(写真:折原弘之、大谷幸子、テキスト:大谷幸子)

MORIZO on the Road