フォーミュラEのコースをトヨタ ミライで走ってきました!・・・寺田昌弘連載コラム
フォーミュラEが北京で初開催されてから10シーズンの時を経て、この度初めて日本・東京で開催されました。
開催地が私の暮らす江東区ということで注目し、観戦チケットは即完売と盛り上がっているなと思っていたところに「ミライに乗ってデモランしませんか?」とお誘いが。しかもフォーミュラE東京E-Prix開催翌日に、同じコースをデモ走行できるということで驚きました。
そして飯田章選手がALL JAPAN EV-GP SERIES(EV-GP)に参戦しているミライに乗ることができるというのでさらにびっくり。ワクワクしながら愛車の初代ミライで東京ビッグサイト近くの会場に向かいました。
全長2.582km、18コーナーの公道コースを走る
昨年、東京ビッグサイトで開催された「ジャパンモビリティショー2023」では、THE RAMPAGEやMIYAVI、氣志團、Little Glee Monster、yama、MONKEY MAJIKなどアーティストが出演する「H2 Energy Festival」も開催されました。
私は、そのステージ音源のための電力をミライから供給していましたが、今回は東京ビッグサイト周辺をミライで走ります。
フォーミュラEと併催で東京都が「E-Tokyo Festival2024」を開催。ホールでは「e-MOTORSPORT UNIZONE EX MATCH」が開催され、スーパーフォーミュラやSUPER GTで活躍する野尻智紀選手や木村偉織選手、イゴール・フラガ選手、そしてeスポーツドライバーたちが対決しました。
フォーミュラEのコースではEVレーシングカーの同乗走行会なども開催され、盛り上がりをみせていました。
そのなかで、フォーミュラEより歴史が長い電動車によるモータースポーツ「EV-GP」に参戦するマシンが、パレードをする「ZEV PARADE」というコンテンツがありました。
テスラ モデルSとモデル3、ジャガーI-PACE、Honda eといった市販車ベースのマシンと一緒にミライで走ります。
コース幅、ジャンピングスポットにびっくり
先導車の日産リーフe+に続いて5台のマシンがコースインします。コースは東京ビッグサイトの周りの公道と駐車場エリア。いざコースインするとコース幅が狭いことに驚きました。
しかも両サイドを高いフェンスで囲まれているので、80km/hで走っていてもスピード感があります。これをさらに目線の低いフォーミュラマシンで走ったらさらにワープしているかのような感覚になるんだろうなと思いました。
前日に開催されたフォーミュラEを観ましたが、コースレイアウトが低速コーナーと直線を組み合わせたものなので、ダウンフォースがあまり必要なく、コース幅も広くないので、トレインを組むようなレース展開。
サーキットレースと異なり、ツール・ド・フランスのような自転車のロードレースに似ていて、先行マシンの後ろについて空気抵抗を減らし、電力を温存することもレース運びに重要な戦術で、電動マシンならではのユニークなレースでした。
私はふだん、初代ミライに乗っていますが、今回乗ったのは現行のミライ。プラットフォームの剛性が格段に高いので、RS★Rのサスペンションが飯田選手の卓越したセッティングのおかげで低速クランクコーナーでも車重が気にならず、ステアリングの切り始めからの回頭性もよく、リヤも接地感がしっかり伝わって、思い通りのラインでコーナリングできて気持ちよかったです。
飯田選手のすごさをミライのドライブを通して体感しました。
来年はEV-GPもここで併催していただきたい
公道を利用した国際モータースポーツは、すでにWRCのラリージャパンが愛知・岐阜で開催されていますが、今回初めてフォーミュラマシンが東京を走るフォーミュラEが開催されたことは、公道(ほぼ道なき道ですが)を走るダカールラリーに参戦していた私にとっても、とてもうれしかったです。
F1やスーパーフォーミュラといったレースを観戦する場合、サーキットまで観に行かなければなりません(ダカールだとさらに砂漠の中まで入らないと競技区間は観られません)。今回、フォーミュラEが東京ビッグサイト周辺で開催されたことは、有明アリーナにアーティストのライブに行ったり、有明スタジアムにジャパンオープンのテニスを観に行ったりするような感覚で、モータースポーツをより気軽に観られるいい機会になったと思います。
またモータースポーツの熱狂的なファンだけでなく、サッカーやラグビーのワールドカップのように、新しいものに触れたい好奇心旺盛な方々も多く来場されたようで、ワールドスポーツを東京で観戦できたことがなにより良かったと思います。
EV-GPの参戦マシンでフォーミュラEのコースをデモンストレーション走行できたことは、とても有意義だったと思います。ふだん街中でたまに見かけるテスラやミライが、フォーミュラEと同じコースを走ったことで、観客のなかには電動車は思っていたよりも速いと感じられた方も多かったようです。
電動車は単に環境に配慮したモビリティーだけでなく、瞬時に高トルクを活かしたエキサイティングな走りができ、とてもCoolなモビリティーであることを表現できたと感じます。
EV-GPのように市販車ベースでのレースは、ふだんマイカーとして乗っているオーナーと親和性も高く、また発熱や振動など、通常走行時より過酷な条件下でマシンを鍛えられます。
なので今回のフォーミュラE同様、もし公道でレースできれば、観客の皆さんに楽しんでいただきながら、公道の高速走行試験もできるので、電動車の信頼性、耐久性を高めることも意義のひとつであるEV-GPにはぴったりだと思います。
来年はフォーミュラEの決勝前にEV-GPや学生フォーミュラなどのレースを開催してくれれば、さらに電動車への理解度が上がり、興味が湧くと思います。
今回、地元である江東区で開催されたフォーミュラEのコースを走れたことはとても貴重な体験でしたし、おそらく公用車のセンチュリーを除けば、本コースを走った唯一のトヨタ車をドライブでき、いい記念になりました。ありがとうございました。
写真:AKIRA Racing 文:寺田昌弘
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
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