宮城のSUGOで走って、TGRラリチャレ利府ではトークでクルマの魅力を伝えてきました・・・寺田昌弘連載コラム
少し前の話になりますが、9月から10月にかけ、毎月宮城県に行っていました。
まずは「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ2024 in 利府」。
長野五輪スピードスケート金メダリストの清水宏保さんとコンビを組んで、選手としてではなく、トークショー。
そして毎年恒例、スポーツランドSUGOで行われる、宮城トヨタグループ(MTG)のカスタマーイベント「MTG MOTOR FESTIVAL 2024」にも参加してきました。プロドライバー同乗体験に、飯田章選手からEV-GPに参戦しているミライをお借りして、来場者に新体験をしていただこうと。
そんな宮城の2イベントでのことを紹介します。
来場者数の多さに驚くTGRラリチャレ利府
今回で3回目となる利府でのTGRラリチャレですが、噂には聞いていたのですがサービスパークとTOYOTA GAZOO Racing PARK(TGRP)を含めた会場の圧倒的な広さと来場者の多さにびっくりです。
メイン会場となる宮城県総合運動公園(グランディ・21)は、FIFAワールドカップや東京オリンピックでもサッカー競技が行われた場所で、近隣の方々もイベントを楽しむことに慣れているようです。
私は清水宏保さんとコンビを組んでTGRラリチャレに参戦したこともあり、今回はステアリングやペースノートではなく、お互いマイクを握ってこの会場内で実況中継をしました。
前日入りして選手たちに情報を聞きに行こうとサービスパークに行ってみると、スポーツ庁長官の室伏広治さんの姿が。室伏さんはアテネ五輪のハンマー投げの金メダリストで、夏季の室伏さん、冬季の清水さんとふたりの金メダリストがモータースポーツの現場にいてくれることがとてもうれしいです。
さらにスポーツ庁長官が視察ではなく、実際参戦してくれることが、モータースポーツもサッカーや陸上競技と同じようにスポーツであることを証明してくれているように思えます。
室伏長官に意気込みをインタビューし、さらにサービスパークを歩きながら、一緒に参戦していた選手たちとも久しぶりに会いながら本番で話すネタ集めをしていきます。
ラリー当日、TGRPのステージでビジョンカーに映し出されるライブ映像を観ながら実況解説したり、ラリーの仕組みなどを話しましたが、観客が一番うなずいていたのは、清水さんがラリーの楽しさ、難しさを話すなかで、どうやったらもっと速く走れるんだろうと語っていたところでした。
スケートリンクで世界一の速さを誇った清水さんでも、悩みながらももっとうまくなろうという思いにみなさん感心し、やはり世界一になった男の思考力と行動に納得していたのがとても印象的でした。
ラリーが終わって利府町の熊谷大町長が、TGRラリチャレで町が盛り上がるので、ラリージャパンもぜひ東北を盛り上げるためにここで開催できたらとお話しされ、確かにヤリスは岩手で生産されていたりするので、ここ東北でラリージャパンが開催されたらいいなと思います。
ただ招致、運営には相当の予算が必要なので、地元企業の支援だけでなく、梨をはじめ魅力的な返礼品を用意していただき、ふるさと納税で日本中から応援していただく施策が必要だと思いました。
毎年楽しみなMTG MOTOR FESTIVAL
スポーツランドSUGOの本コースなどを貸し切り、モビリティのアミューズメントパークにしてお客様と楽しむ、宮城トヨタグループ主催の「MTG MOTOR FESTIVAL」。回を追うごとに充実度が増しています。
運営する社員スタッフを中心にサーキットを走るレーシングドライバーや、ドリフトタクシーのドライバー、プロライダーなど、みんなでアイデアを出しながら作り上げていく。この繰り返しで、体感できるモビリティの魅力を引き出し、もっとおもしろいイベント作りに繋がっていきます。
今回、私は飯田章選手からEV-GPに参戦しているトヨタ・ミライをお借りし、CO2だけでなく排気音もないクルマでお客様を乗せ、サーキット走行をする新たな試みをしたいと思い、飯田選手にお願いしたら快くOKをいただき、ミライをSUGOに送ってもらいました。
まずは水素充填に行こうと積載車に載せてイワタニ水素ステーション仙台空港へ。
ステーション内で一度ミライを降ろさなければならないかなと思ったら、「そのままで大丈夫ですよ」とスタッフが小さな脚立を持ってきて、手慣れた手順で水素充填をしてくれました。
おそらくミライで水素を使い切ってしまい、こうして充填に来たミライがあるんだろうなと察しがつきます。宮城県は水素ステーションが2ヶ所なので、もう少し増えてくれるのを期待するばかりです。
「プロドライバー同乗体験」のコンテンツは、毎年大人気で朝から夕方まで数回に分けて抽選会をします。今回もGTドライバー、S耐ドライバーなど、ドライビングはもちろんお客様に楽しんでもらうような走りをしてくれるドライバーが揃いました。
GRヤリス、GR86、LEXUS IS500などサーキットでも真価を発揮するクルマの最後尾からミライで追いかけます。低速からの加速はさすがモーター駆動なのでトルク感があり、同乗者は「ミライってこんなに加速がいいんですか!」とみなさん一様に驚きます。
そして1,2,3コーナーと走っていくと旋回性のよさにも驚きます。やはりLSと同じベースのプラットフォームを採用しているので、剛性の高さとサスペンションの追従性がよく、安定したコーナリングが私でもできます。
バックストレッチに入ると先行するクルマに引き離されますが、そのかわり聴こえてくるのはタイヤのパターンノイズと小さな風切り音くらいで、車内で普通に会話ができます。同乗者は「なんか不思議な感覚!」とミライならではのサーキット走行を楽しんでくれました。
約40組のお客様を乗せて走りましたが、みなさん電気で走るクルマがこんなにパワフルで速く走るとは思わなくて、とても貴重な体験をしたと喜んでくれました。
もちろん得意なランドクルーザーなど四駆体験コンテンツも少し手伝いに行きましたが、いろんなモビリティでワクワクするライフスタイルを自分でも続け、そこで体感する温度感をお客様に伝わるように表現していけたらと思います。
写真:茅原田哲郎・堀田祐介 / 文:寺田昌弘
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
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