【道にまつわる珍百景】摩訶不思議!上り坂を車が自分で上っていく?赤城のお化け坂に行ってみた 群馬県前橋市
群馬県赤城山の中腹にある、通称「赤城のお化け坂」。お化けが出るからお化け坂ではなく、上り坂をボールや空き缶が上っていく!?という現象をみることができるため、このように呼ばれているのだそう。とっても気になる道なので、現地に行って検証してみた様子をレポート!また、現象の仕組みも解説する。
赤城のお化け坂って、どんな場所?
赤城のお化け坂の全景がこちら。坂の”頂上”(向こう側が見えなくなっているところ)までわずか100m足らずの道だ。道の突き当りになるため通行する車はほとんどない様子で、約2時間の撮影中に農作業の軽トラックが1台通っただけだった。
この写真、手前から、先の”頂上”に見える場所に向かって上っているように見えるだろうか?撮影現場で道をじっと見ていると、スタッフ全員ともに平衡感覚に自信がなくなってきた。
お化け坂の”頂上”あたりから市街を見渡す。赤城山の中腹にあるが、前橋市街や周辺の山々の景色が気持ちいい。なお、こちら側は上り下りが明らかな坂道となっている。
<実験その1> ボールを置いてみたらどうなる?
まずは、わかりやすく定番(?)のボールによる実験。上り坂に見えるこの道にサッカーボールを置いた。手を放したら、はたしてコロコロコロと坂を上っていくだろうか?
◆結果は動画で観てみよう
- 摩訶不思議!赤城のお化け坂 ボールを置いてみたらどうなる?
<実験その2> 停めた車をニュートラルにしてブレーキを離したらどうなる?
ボールが転がっていくのなら、次は車で実験。一度車を停めてシフトポジションをニュートラルにする。もちろんアクセルはオフの状態で、ブレーキペダルから足を離すと……。車は上り坂をスルスルと上っていく!
AT車のニュートラルポジションでの走行はエンジンブレーキが効かないため推奨されないが、坂を下りきった場所に安全確認スタッフを配置することで試みた。車外の動画撮影はビデオカメラで車の斜め後ろから撮影。映像は人間の目と同じように見えるだろうか?
◆結果は動画で観てみよう
- 摩訶不思議!赤城のお化け坂 停めた車をニュートラスにしてブレーキを離したらどうなる?
どうしてこうなるの?お化け坂は目の錯覚だった
上り坂を上っていくボールや車。これは目の錯覚(縦断勾配錯視という錯視の一種)によるもので、上り坂に見えるが実際は下り坂なのだ。異なる傾斜角度を持つ2つの坂道が連続して続いている道、というのがポイント。
実際はずっと下り坂なのだが、見た目の傾斜と実際の傾斜が異なって見える。道を正面から見ると、近いほうの急な下り坂によって、遠いほうのゆるやかな下り坂が上り坂に見えるのだ。また、道の幅が一定でないこと、道の両側にある草木の立ち具合なども影響するという。
お化け坂から離れて真横から撮った写真がこちら。わかりにくいが、右端にある車の前方(写真の左側に向けて)は、わずかに下り坂になっている。
赤城のお化け坂への行き方ガイド
お化け坂は通称なので、もちろん地図には載っていない。また、観光スポットでもないのでガイドブックにも載っておらず、迷ってしまうかもしれない。以下にて、国道353号からアクセスする場合の目印を紹介する。
国道353号の「畜産試験場」交差点から県道4号を北へ進む。左手に松林を見ながら赤城森林公園方面を目指す。
品川牧場の看板を右折して坂をまっすぐに上っていく。突き当り右手に白い家が見えたら、振り返ってみよう。手前の100mほどの道が赤城のお化け坂となる。
DATA
通称:赤城のお化け坂
場所:群馬県前橋市富士見町赤城山
アクセス:関越自動車道赤城ICから車で約30分
駐車場:なし
もうひとつのお化け坂
同じ前橋市内に、別のお化け坂があると聞いて行ってみた。こちらも知る人ぞ知るスポットだが、赤城のお化け坂と比べて交通量が多いので注意しよう。国道353号沿いにある「道の駅ぐりーんふらわー牧場大胡」の交差点から北に500mほど進んだ、小学校の手前あたりとなる。赤城のお化け坂からは車で20分ほどの距離。
上っている?それとも下っている?お化け坂が目の錯覚であることを理解したあなたに、この坂はどのように見えるだろうか。
赤城山周辺のおすすめスポットはこちら
赤城神社(三夜沢)
歴史と伝統を誇る古社。前橋市内には14社の赤城神社があるが、ここ三夜沢の赤城神社はツツジの名所としても有名。
神社へと続く約3.2㎞の松並木は、「美しい日本の歴史的風土準100選」に選ばれている。
(左)神社へと続く約3.2㎞の松並木は、「美しい日本の歴史的風土準100選」に選ばれている。(右)参道の松並木の根元には約4000株のヤマツツジが植えられている。開花時期の4月下旬から5月中旬は散策におすすめ。
住所:群馬県前橋市三夜沢町114
TEL:027-235-2211(前橋観光コンベンション協会)
アクセス:北関東自動車道伊勢崎IC(または波志江スマートIC)から車で約30分
駐車場:あり
赤城南面(なんめん)千本桜
前橋を代表する桜の名所。「さくら名所百選の地」(日本さくらの会)にも選ばれている。約1.3㎞の市道には桜の木が約1000本続き、見事な桜のトンネルができる。2019年4月6日(土)~4月21日(日)まで「赤城南面千本桜まつり」を開催。
(左)菜の花と桜の共演も春らしい風景。(右)夜間はライトアップされ、幻想的な夜桜を楽しめる。
住所:群馬県前橋市苗ヶ島町2511-2
TEL:027-235-2211(前橋観光コンベンション協会)027-288-0256(桜まつり期間中の問い合わせ専用電話、受付9~18時)
休園日:無休
料金:無料
アクセス:北関東自動車道伊勢崎ICから車で約30分
駐車場:あり(千本桜まつり期間中は駐車料金が必要)
道の駅「ぐりーんふらわー牧場・大胡」
国道353号沿い、赤城山麓南面に位置する道の駅。赤城山を背にした展望台からの眺めは抜群。「レストハウス まきば」、花木農産物直売所「さんぽ道」、「ぐりーんふらわー牧場」がある。
(左)目印の大きなオランダ型風車は、約22mと北関東随一の高さを誇る。(右)風車の近くに続く桜並木。牧場の東側のエリアには子どもが遊べるアスレチック遊具やローラー滑り台もある。
住所:群馬県前橋市滝窪町1369-1
TEL:027-283-5792(レストハウスまきば)、027-284-0011(花木農産物直売所「さんぽ道」)
営業時間:「レストハウスまきば」10時30分~16時30分、10~2月は~15時30分/花木農産物直売所「さんぽ道」9時30分~17時30分、10~2月は~16時30分
定休日:12月30日(花木農産物直売所「さんぽ道」は12月31日)~1月7日
※ぐりーんふらわー牧場は常時開放、年中無休
アクセス:関越自動車道赤城ICから車で約20分
駐車場:あり
前橋荻窪温泉 あいのやまの湯
道の駅「赤城の恵」に併設した温泉施設。フィンランド式サウナやプール、天然温泉風呂付き個室もある。
- (上)食事処や農産物直売所、荻窪公園を併設。館内はバリアフリー設計。(左下)地下1200mから湧き出すナトリウム・カルシウム-塩化物泉は、保温性・保湿性抜群。(右下)赤城山麓や前橋市街を一望する露天風呂。もちろん、内風呂、露天風呂ともに天然温泉。
住所:群馬県前橋市荻窪町530-1
TEL:027-264-3030
営業時間:10~21時
定休日:第1、第3火曜(変更になる場合あり)
料金:大人(中学生以上)510円、子ども(3歳以上小学生以下)300円、65歳以上300円、「温泉風呂付き個室」2時間1室3,080円~(要予約)
アクセス:北関東自動車道駒形ICから車で約20分
駐車場:あり
URL:http://ainoyamanoyu.com/
※記事内のデータは2019年3月現在のものです。掲載後に料金、営業時間、定休日、メニュー等の内容が変更になることや、臨時休業等で利用できない場合があります。また、各種データを含めた掲載内容の正確性には万全を期しておりますが、おでかけの際には電話等で事前に確認・予約されることをお勧めいたします。
道にまつわる珍百景
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