第2話 パナール・ディナZ…軽くて丈夫! アルミボディーのクルマ特集
スチールにガラス、プラスチックなど、自動車づくりに使われる素材はさまざま。今回の特集では、アルミニウムのボディーを採用することで性能向上を追求した、世界の名車を紹介します。
パナール・ディナZ
19世紀末に創業した世界最古の自動車メーカーのひとつだったが、1965年にシトロエン傘下となり、その2年後には自社ブランドの乗用車生産を終了したフランスのパナール。そのパナールが戦後間もない1946年にリリースした小型実用車がディナである。アルミを多用した4ドアサルーンボディーのフォルムとサイズはルノー4CVに近かったが、中身は空冷水平対向2気筒エンジンによるFF。4CV(水冷直列4気筒エンジンでRR)とは対照的だった。
1954年にデビューした、そのディナの発展型がディナZ。ホイールべースは2140mmから2570mmへと一気に400mm以上延ばされており、全長4570mm、全幅1668mmというボディーサイズは、現代のモデルではトヨタ・プレミオ/アリオンに近い。しかしエンジンは、ディナから引き継がれたわずか851ccの空冷フラットツイン。非力さを補うため、ボディーの外皮のみならずフロアユニットまでアルミ製となり、車重650kgという驚異的な軽量設計を実現した。空力も重視され、徹底して高効率を追求していた。
しかし自慢のアルミボディーは生産性と耐久性に難があったようで、部分的にスチールに置き換えられていく。そして1960年、ディナZからPL17に改称されたマイナーチェンジ版では、オールスチールボディーになってしまった。
[ガズー編集部]







