第13話 メルセデス・ベンツSL…軽くて丈夫! アルミボディーのクルマ特集
スチールにガラス、プラスチックなど、自動車づくりに使われる素材はさまざま。今回の特集では、アルミニウムのボディーを採用することで性能向上を追求した、世界の名車を紹介します。
メルセデス・ベンツSL
1954年に発売された、ガルウイングドアを持つ300SL。伝説的スーパースポーツであるその初代から数えて6代目となるコードナンバーR231は、SLという車名の由来である“スポーティーかつライトウェイト”に回帰して2011年にデビューした。
開発に際しての最大のテーマは軽量化で、バリオルーフと呼ばれるリトラクタブルハードトップを持つ2座のボディーは、メルセデスの量産車では初となるオールアルミモノコック。転倒時の生存空間確保のために粘り強いスチールを使ったAピラーとルーフフレームなどを除き、アルミの使用率はボディシェル全体の89%に及んだ。その結果、ホワイトボディーでは従来のスチール製に対して110kgの軽量化を果たし、車両全体では先代比で最大140kgのダイエットに成功。いっぽうボディーのねじり剛性は20%以上アップした。
パワーユニットはSL350用の3.5リッターV6と、SL550用の4.7リッターV8ツインターボ、そしてSL63 AMG用の5.5リッターV8ツインターボの3種。いずれも高効率な直噴エンジンで、先代に比べ燃費は最大30%改善された。そのほかウィンドウウオッシャーを内蔵したワイパーブレードやスカットルに低音用スピーカーを埋め込んだサウンドシステムなど数々の新機軸を導入。改良を加えながら現在も継続生産されている。
[ガズー編集部]







