セリカGT-FOUR(1988) トヨタが未来に挑戦したクルマたち
トヨタの車両開発史上、「お客様の期待を超えたクルマづくり」に挑み、誕生した個性的なデザインや機能を持ったクルマたち。1970年代から1990年までの中から、そんなクルマを紹介します。
世界を制した最強スペシャルティ
日本初のスペシャルティカーとして1970年に誕生したセリカは、1985年に4代目に進化するにあたって、FF(前輪駆動)へと転換。流面形と称する個性的なフォルムをまとったボディは、先代までリフトバックと呼ばれていたテールゲート付きの3ドアクーペのみとなった。
当初の最強グレードは、新開発のDOHC 16バルブ2リッターエンジンを積んだ2000GT/GT-Rだったが、翌86年には、エンジンにターボを装着して更に出力を高め、駆動方式にトヨタ初となるフルタイム4WDを導入したGT-FOURが加わった。
バブル全盛期の空気感に満ちた映画『私をスキーに連れてって』で、雪上を縦横無尽に走り回ったことで一躍有名になったが、実際はWRC(世界ラリー選手権)への参戦を前提に開発された車両で、参加資格を取得した1988年から実戦に投入。
1990年にはカルロス・サインツがドライバーズタイトルを獲得した。これはトヨタのみならず、日本のメーカーとしても初の快挙であり、90年代のWRCにおける日本車黄金時代の幕開けとなった。
スタイリッシュなルックスとWRC王者の走り。セリカGT-FOURは硬軟両面を持ち合わせたスーパー・スペシャルティカーだった。
セリカGT-FOURが誕生した年 1985年
- TMMK(アメリカ)TMMC(カナダ)を設立
- トヨタ、国内生産累計5000万台達成
- トヨタ自動車 貞宝工場完成
セリカGT-FOUR(5M/T)の価格 297.6万円
当時の大卒の初任給 約14.5万円
[ガズー編集部]
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