【連載全11話】第7話 イソ・リヴォルタ レーレ/ランボルギーニ・ハラマ・・・やっぱり似てる? デザイナーが同じクルマ特集

「よく似たヒトは世界に3人いる」などといいますが、クルマにも驚きの“そっくりさん”が存在します。デザイナーが同じと聞けば、それも納得。そんな名車を週替わりで紹介します。

イソ・リヴォルタ レーレ/ランボルギーニ・ハラマ

戦前にヒーターや冷蔵庫の製造からスタートし、戦後はスクーターに続いて、自社のほかBMWでライセンス生産されヒットしたイセッタによって自動車メーカーとしての地盤を築いたイタリアのイソ。1962年にリリースしたリヴォルタによってイセッタとは対極にある高級グランツーリスモ市場に進出したが、その後継モデルが1969年に登場したリヴォルタ レーレである。

リヴォルタから受け継いだシャシーに載る、セミリトラクタブル式のヘッドライトを備えたファストバッククーペボディーは、ベルトーネのチーフデザイナーだったマルチェロ・ガンディーニの作。パワーユニットもリヴォルタと同様に米シボレー製V8で、5.4リッター(最高出力300PS)と5.7リッター(同350PS)の2種が用意された。1972年にはエンジンをライバルの米フォード製5.8リッターV8に変更したが、1973年に勃発(ぼっぱつ)した石油危機によって販売が激減し、延べ285台をラインオフしたところで1974年に生産終了。翌1975年にイソは操業を停止した。

いっぽうのハラマは、トラクター製造からスーパースポーツ市場に進出したランボルギーニが、1970年にイスレロの後継としてリリースした2+2クーペ。こちらもスタイリングはガンディーニが担当し、やはりセミリトラクタブルヘッドライトを持つ直線的なデザインは、彼の作であるリヴォルタ レーレに通じるテイストだった。

パワーユニットは最高出力350PSを発生する3.9リッターV12だが、1972年には365PSにパワーアップされたハラマSを追加。先代にあたるイスレロ同様、同時代のミウラやエスパーダに比べ地味な印象で、1976年までの生産台数は326台にとどまる。だが、創業者のフェルッチョ・ランボルギーニは「性能、快適性、市街地でも扱いやすいサイズなどのバランスが最高。1台ですべてをまかなうなら理想のモデル」と高く評価していたといわれる。

[GAZOO編集部]

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