【連載全10話】第2話 サンビーム・タイガー・・・小さなボディーに大きなエンジンを積んだクルマ

エネルギー効率を追求しダウンサイジングが進む自動車業界ですが、過去を振り返れば、小さな車体に不釣り合いなほどの大排気量・高出力エンジンを搭載したクルマもありました。注目すべき名車をピックアップし、週替わりで紹介します。

サンビーム・タイガー

かつて日本でもいすゞがヒルマン・ミンクスをライセンス生産していたが、そのヒルマンとシンガー、サンビーム、ハンバーというブランドを抱えていたのが英国のルーツ・グループ。そのなかでスポーティーなキャラクターを与えられていたサンビームが1959年に送り出したオープン2座スポーツが2代目アルパインである。1.5リッター直4 OHVエンジン(後に1.6リッターを経て1.7リッターに拡大)を搭載し、市場ではMGAやトライアンフTR3などに対抗した。

この連載の第1話で紹介したAC コブラの成功を見たルーツがキャロル・シェルビーに依頼し、同様の手法で1964年に生まれたアングロ・アメリカンスポーツがタイガーである。ステアリングをボール循環式からラック&ピニオンに変更、リアサスペンションにパナールロッドを付加したシャシーに搭載されたパワーユニットは、最高出力164HPを発生する米国フォード製の260立方インチ(4.3リッター)のV8 OHV。同じくフォード製の4段MTを介しての最高速度は、アルパイン(1.6リッター)の160km/hを大きく上回る193km/hと公表された。

1967年にはフロントグリルを変更するなどフェイスリフトを実施し、エンジンを最高出力202HPの289(4.7リッター)に換装したタイガー マークIIに発展。最高速度は200km/hに向上した。だが、前後してルーツが米クライスラーの傘下となったことなどからマークIIは登場からわずか半年で生産終了。総生産台数は7000台強だった。

[GAZOO編集部]

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